起源とその他の用法
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/21 06:29 UTC 版)
「リトル・グリーン・マン」の記事における「起源とその他の用法」の解説
この言葉は他の文脈ではもっと早く現れる。映画ゴシップのコラムニスト、ヘッダ・ホッパーは、1939年に映画『オズの魔法使』の子役たちに対してこの言葉を使用し、セットの中で酒を飲むなと諌められた。1942年のロサンゼルス・タイムズでは、海兵隊のジャングル戦闘の訓練の写真の説明でこの言葉が使用されている。この例では、「リトル・グリーン・マン」は迷彩を施した日本人兵士を指していた。同様に、1942年のワシントン・ポスト紙では、戦争特派員を殺しかけた、迷彩を施した日本の狙撃兵に対して「リトル・グリーン・マン」という言葉を使っている。 宇宙人に対して使われる以前には、古くからの伝説・民間伝承や、近年のおとぎ話・子供向けの本で、ゴブリンなどの様々な超自然の存在を表すために「リトル・グリーン・マン」という言葉がよく使われていた。Aubeckは、19世紀と20世紀初頭の文学における、そのようないくつかの例を指摘した。例として、ラドヤード・キップリングの1906年の作品『プークが丘の妖精パック』(Puck of Pook's Hill)に「リトル・グリーン・マン」という言葉が登場する。 他の例として、ニューヨーク・タイムズとシカゴ・トリビューンでは、1902年のThe Gift of the Magic Staffというタイトルの児童書の書評で「リトル・グリーン・マン」という言葉が使用されている。「リトル・グリーン・マン」は超自然的な存在で、少年の友人であり、彼が雲の世界の妖精を訪ねるのを手助けする。ニューヨーク・タイムズで次に使用されるのは1950年で、詩人・小説家ロバート・ネイサンによる1927年の小説The Woodcutter's Houseのウォルト・ディズニー・コーポレーションによる映画化の予定についての記事で使用されている。映画内で唯一のアニメーションによるキャラクターはネーサンの「リトル・グリーン・マン」であり、森の動物の仲間である。ただし、この映画は制作されなかった。 1923年、シカゴ・トリビューンやワシントン・ポストなどの新聞に掲載されたElizabeth York Millerの連続小説When Hearts Commandには元精神病患者が登場し、その人はまだ「リトル・グリーン・マン」を見ており、同輩の患者が「火星の住人と会話していた」と話している。 想像上の小さな緑色の存在の他の例は、1936年の新聞の、医師とその診察を皮肉ったコラムに見ることができる。そこでは、彼らは中年期に衰退し、「大きな耳を持つ小さな緑の男」の幻覚を起こし始めているとしている。コラムニスト、シドニー・J・ハリス(英語版)は1948年に、子供の想像上の友人(イマジナリーフレンド)を指すのに「リトル・グリーン・マン」という言葉を使用し、子供にブギーマンの話をして怖がらせる古い伝統を強く非難した。 これらの例は、「リトル・グリーン・マン」という言葉が、空飛ぶ円盤の時代よりずっと前から様々な超自然的な、架空の、または神話的な存在を表すのに使用されており、英語の日常語(英語版)に深く浸透していたことを示している。また、『オズの魔法使』の俳優や迷彩を施した日本人兵士への言及など、想像上のものから実在のものに容易に拡張されているようである。同様に、Aubeckらは、1947年に空飛ぶ円盤が登場すると、自然に即座に現代の用法へと遷移したと考えている。1950年代初めまでに、この用語は空飛ぶ円盤の搭乗者への言及としてすでに一般的に使用されていたことからも明らかである。1954年までに、リトル・グリーン・マンのイメージは、国民の集団意識に刻まれた。 さらに電子検索によれば、この用語は1960年代にはますます一般的になり、常に嘲笑的またはユーモラスな方法で使用されていた。1960年のシカゴ・トリビューンでは、宇宙人の外見と性交に関するハーバード大学の人類学者の推測についての記事を1面に掲載した。この記事の書き出しは、「宇宙に本当に『リトル・グリーン・マン』がいる場合、おそらくリトル・グリーン・ウーマンと性交するだろう」という文章から始まる。そこには漫画が添付されていて、2人の愛し合っているケンタウロスのような容姿の男性と女性の宇宙人が描かれており、彼らの頭からはアンテナが突き出ている。この記事は、「リトル・グリーン・マンの命名は、アメリカ国立電波天文台(ウェストバージニア州グリーンバンク)のオットー・シュトルーベ台長による。おそらく地球外から来た人たちが『自分たちの間で』そう呼び合っていたと、彼は言った。」という謎めいた一文で終わっている。 この言葉はウォール・ストリート・ジャーナルの解説にも登場する。同紙で最初に使われたのは、1960年、NASAの委託を受けたブルッキングス報告書(英語版)の記事である。この報告書は、地球外生命の発見による社会への影響を研究したものである。同紙は、報告書が「揺れるアンテナを持ったリトル・グリーン・マン」が敵対的であると仮定して、過度に悲観的になっているとコメントしている。同紙で他に使われた例は、計画されていたUFOに関する議会の調査について述べた1968年の社説の中である。筆者は、議員らがいかにして「リトル・グリーン・マン」に対し召喚状を発するつもりなのかと皮肉っている。1969年、同紙は、空軍から委託されたコンドン委員会(英語版)のUFO調査がお金の無駄であるとコメントした。社説では、たとえ彼らが「UFOにリトル・グリーン・マンがいる」ことを証明したとしても、私たちはそれについて何をすべきであるか?と述べている。 1965年、テレビアニメ『原始家族フリントストーン』にリトル・グリーン・マンが繰り返し登場した。第145話から登場したグレート・ガズー(英語版)は、背が低く、体が緑色で、ヘルメットにアンテナがついており、典型的なリトル・グリーン・マンの表現となっている。しかし、1960年代には、人々が想像する典型的な宇宙人の姿は変わっていた。宇宙人による誘拐(英語版)の話では、彼らは身長は小さいが、体は緑色ではなく灰色(グレイ)となっている。アーサー・C・クラークの『2001年宇宙の旅』(1968年)では、宇宙人の姿は目に見えない。
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