萌え4コマとは? わかりやすく解説

萌え4コマ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 19:55 UTC 版)

4コマ漫画」の記事における「萌え4コマ」の解説

1990年代末に萌え重点とした4コマ漫画増え始めこの様作品一般的に萌え4コマと呼ばれている。1999年に『電撃大王』で連載されあずまきよひこあずまんが大王』が大ヒットし、また同じ年に成人向け美少女漫画誌主力作家である後藤羽矢子が『まんがライフ』において初の一般向け作品でありストーリー4コマ漫画となる『どきどき姉弟ライフ』を発表、さらに『スポコミ』(前身は『月刊まんがパロ野球ニュース』)が休刊した後に、同じ雑誌コード引き継いだ青年向け4コマ誌まんがくらぶオリジナル』が創刊するなどの出来事起こっている。このことから、1999年いわゆる「おたく文化」の4コマ漫画界への流入本格的に始まった年であり、後の萌え4コマ流行の礎の一つとなっていった。 ここに分類される基準萌え要素有無である。原則的に従来4コマ漫画よりも絵に重点置かれていること、登場人物大半美少女でありなおかつ萌え絵属する(=主に男性好まれる絵柄であることが特徴挙げられるそれ以外一概にくくれる要素持っているわけではないが、萌え4コマというフォーマット性格上、キャラクター個性ネタにされることが多く小ボケ連続により話が進んでいくことが多い。4コマ目でオチ付けることは必須条件はないため、ストーリー4コマ特徴を含む作品も多い。総じて4コマ目のオチ淡白になる傾向があり、中には4コマ目でオチがなく次の4コマ向けての「承」や「転」に当たる展開が延々とくものす存在する。これは、オチインパクトよりも、萌えキャラキャラクター性重視されているからである。なお、いわゆる脱力系4コマ漫画」(例・「らき☆すた」、「ゆるめいつ」など)も作品全体雰囲気がゆるく脱力系進行するという意味で前者と同様「ゆるい作品」と表現されることが多いが、後者原則4コマ目で落とす展開の連続作られているため、前者後者の「オチ」の性質似て非なるものと言える。萌え4コマやそれを原作としたアニメなどによくみられる萌え系の表現重視して日常生活描写中心とした作風コンテンツをさす用語としては、空気系というタームもある。植田まさし自身が「実体のあるものを仕掛けにしたアイデア」をオチに使うことを明かした上で、萌え4コマの「空気オチ」の傾向について「具体的なオチへの期待感がないんですよ。結局それはキャラクター頼っているということで、キャラ頼り漫画って長続きしないと思うんです」と厳しく批評している。 また、ストーリー漫画ライトノベル美少女ゲームイラストレーター出身の作家多く、これらの分野から受けた影響から感動的な展開やいわゆる泣き」の設定取り入れ作品少なくない。ドタバタラブコメディのような作品の手法を応用した終始ハイテンション突っ走る作品存在するが、画風などの特性においては萌え4コマと共通しており、同種として括られているのが通常である。 萌え4コマの元祖特定することは難しく万人納得する一つ作品絞り込むことはできていない萌えるかどうか作品だけでなく読者側の問題でもあり、伝統的な4コマ作品でも受け手次第萌えることは可能といえる。 萌え4コマ専門誌先駆者は『まんがタイムきらら』(2002年創刊)だと言われるが、その母体複数ある。 OLなど女性主なターゲットとした4コマ雑誌 - 『まんがタイムジャンボ』(1990年代初頭から存在独立創刊1995年)、『まんがタイムラブリー』(1995年創刊)などここですでに萌え4コマの萌芽見られる。これらは伝統的な4コマ体裁取りつつキャラクター重視絵柄重要な要素となり、少女漫画家流入もあった。萌え4コマとしての資質充分に備えていた。2000年代後半になると逆にジャンボ』などが『きらら』系の影響受けて男性向け萌え中心シフトしている。 青年誌などに掲載されている4コマ漫画 - 青年雑誌4コマ出身代表格ももせたまみ萌え4コマ流行し始め数年前から他者先駆けて描いており、2010年代後半でも萌え4コマの第一人者として活躍している。 成人向け美少女漫画誌箸休めとして掲載される4コマ漫画 - 樹るうみやさかたかし新条るるらといった作家ここから輩出されている。 ゲームパロディ4コマ - 新声社エニックス双葉社などが刊行したものも源流一つ数えられるキャラクター中心であることは言うまでもなく画風2000年代以降の萌え4コマ同様、ストーリー漫画並み描き込み見られる作品もある。 なお、同人誌界で活躍している作家4コマ漫画業界多数参入してくるようになったきっかけも萌え4コマの流行と『きらら』の創刊であると考えられているが、それ以前から4コマ漫画誌デビュー果たしていた胡桃ちの青木光恵さんりようこと言った作家も元々はと言えば同人誌活動をしていて、後に漫画家としてデビューした作家である。 萌え4コマ専門誌2000年代前半 - 半ば相次いで創刊したが、上記の『まんがタイムきららシリーズ除いて長続きしないものが多かった2004年には5誌が創刊したが、翌年までに『まんがタイムきららMAX』以外は休刊追い込まれた。(双葉社もえよん』は13号まで発刊、『COMICぎゅっと!』は3号、『コミックメガミマガジン』は2号、『まんが学園4年生』は1号のみ)-その後2006年9月一迅社から『まんが4コマKINGSぱれっと』が創刊された。2008年には姉妹誌まんがぱれっとLite』が創刊されたが、2011年4月より2誌体制をやめて両誌を統合(『Lite』を廃刊)、『まんが4コマぱれっと』と改題した。 他にも、2003年には竹書房から一般誌と萌え4コマ誌の折衷雑誌として『まんがライフMOMO』が創刊している。折衷型は永らくMOMO』独自のポジションであったが、2000年代後期からは芳文社刊の『まんがタイムジャンボ』や『スペシャル』などの青年4コマ誌追随するようになり、同じ竹書房刊の『まんがくらぶオリジナル』なども創刊当初誌面構成近い内容に回帰する形でこれに追随するようになっていった。同時に一般4コマ誌全体においても萌え4コマの掲載比率年を追う毎に高まり、単に「萌え」というひとつのジャンル留まらず4コマ雑誌全体における新人作家発掘の場」としての役割も担うこととなっていたった2010年頃からは各社ともリスクの高い新雑誌創刊避け既存4コマ誌萌え系化やWeb4コマサイトによる公開といった方針取られる傾向にある。そのような中で芳文社の『まんがタイムラブリー』も従来女性向け4コマ誌からの脱却図られ2011年2月発行3月号より従来の萌え4コマ世代と同じか、それよりもさらに若い漫画好き世代ターゲットとしたストーリー4コマ雑誌としてリニューアルされた。 作品自体性質から、購読者層の男女比率圧倒的に男性多く一般的な4コマ誌では概ね半々であるが『きらら』や『ぱれっと系統では男女比9:18:2にものぼる。折衷タイプにおいても『MOMO』では7:3男性読者の方が多く、『ジャンボ』でも同様の傾向見られる。 萌え4コマは他ジャンルから批判偏見少なくなく、『週刊少年ジャンプ』連載作バクマン。作中批判されたり、『ビッグコミックスピリッツ』の『気まぐれコンセプト作中批判されたこともあった。

※この「萌え4コマ」の解説は、「4コマ漫画」の解説の一部です。
「萌え4コマ」を含む「4コマ漫画」の記事については、「4コマ漫画」の概要を参照ください。

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