種類と分布
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/24 01:30 UTC 版)
脊椎動物は30種近くのコラーゲンタンパク質を有することが報告されており、それぞれのコラーゲンはI型、II型のようにローマ数字を使って2007年時点で28の型に分類されている。真皮、靱帯、腱、骨などではI型コラーゲンが、関節軟骨ではII型コラーゲンが主成分である。また、すべての上皮組織の裏打ち構造である基底膜にはIV型コラーゲンが主に含まれている。体内で最も豊富に存在しているのはI型コラーゲンである。 これらのコラーゲンタンパク質は、すべてがコラーゲン細線維を形成するタイプではない。コラーゲン細線維の主成分となるタイプのコラーゲンタンパク質は "線維性コラーゲン"、線維を形成しないものを "非線維性コラーゲン" と呼ぶ。非線維性コラーゲンでは、コラーゲン線維の表面に結合するFACIT(Fibril Associated Collagens with Interrupted Triple helices)や基底膜構造の主成分となる非常に細い網目構造を作るものや、細胞膜に結合して存在するコラーゲンもある。 下記は、ヒトのコラーゲンの各型の性質と主な分布である。(一部) I型コラーゲン 線維性コラーゲン。脊椎動物では最も大量に存在するコラーゲン。骨に大量に含まれ、骨に弾力性を持たせるのに働いている。皮膚の真皮にも非常に多く、皮膚の強さを生み出す働きがある。I型コラーゲンは、α1鎖(I型) 2本とα2鎖(I型)1本が集まって形成される。多くの組織でコラーゲン細線維、さらにはそれが集まったコラーゲン線維の主成分である。 II型コラーゲン 線維性コラーゲン。硝子軟骨のコラーゲン線維の主成分。眼球の硝子体液の成分でもある。II型コラーゲンは、3本のα1(II型)鎖から構成されるホモトライマーである。 III型コラーゲン 線維性コラーゲン。I型コラーゲンの存在する組織にはIII型コラーゲンも共存する場合が多い。真皮や大動脈に多い。III型コラーゲンは、コラーゲン線維とは別の、細網線維(さいもうせんい)と呼ばれる細い網目状の構造を形成し、細胞などの足場を作っている。創傷治癒過程の初期段階で増殖し、やがてI型コラーゲンに置き換わる事で治癒が進むといわれる。 IV型コラーゲン 非線維性コラーゲン。基底膜を構成する主成分であり、網目状のネットワークを形成し、基底膜の骨格構造を支えている。基底膜は上皮組織の裏打ち構造で、上皮細胞の足場になる。 V型コラーゲン 線維性コラーゲン。I型コラーゲン、III型コラーゲンの含まれている組織に、少量含まれている。V型コラーゲンは、α1(V型)鎖、α2(V型)鎖、α3(V型)鎖が様々な割合で混合した三量体の混合物である。無脊椎動物の線維性コラーゲンは、V型に近い。 VI型コラーゲン 非線維性コラーゲン。4分子が2本ずつ逆向きに会合したものが四量体を形成し、それがアミノ末端側の球状領域で会合して形成される細線維(マイクロフィブリル)を作る。細線維は、コラーゲン線維とは別の線維状構造で、ビーズ状の直径約50 nmほどの球状部分と、直径13 nm程度の細い線維部分から形成される。ほとんどの臓器組織の結合組織の細胞外基質に存在する。 VII型コラーゲン 非線維性コラーゲン。皮膚の表皮と真皮の境界の基底膜近傍に存在する。VII型コラーゲン遺伝子COL7A1の異常は栄養障害型表皮水疱症となる。 VIII型コラーゲン 短鎖コラーゲン(short chain collagen)と呼ばれる。血管内皮細胞などがつくっている。また盛んに形態形成が起こっている組織で多くつくられている。 IX型コラーゲン FACITコラーゲン。軟骨のコラーゲン線維に結合している。3本のα鎖(a1(IX), a2(IX), a3(IX))が1本ずつからできるヘテロトライマーである。 X型コラーゲン 短鎖コラーゲン(short chain collagen)と呼ばれる。肥大軟骨層に多く存在する。遺伝子の異常は骨の成長に影響を与える。 XI型コラーゲン 線維性コラーゲン。軟骨のコラーゲン線維に主に存在する。V型コラーゲンと非常によく似たタイプ。 XV型コラーゲン XVIII型コラーゲンとドメイン構造がよく似ている。multiplexinマルチプレキシン型コラーゲン。 XVII型コラーゲン 非線維性コラーゲン。別名、BP180、BPAG2。遺伝子はCOL17A1。上皮細胞などがつくる膜貫通タンパク質(transmembrane protein)で、細胞結合の1つ・半接着斑(ヘミデスモソーム)の細胞接着分子である。関連疾患として、水疱性類天疱瘡(bullous pemphigoid:BP)、接合部型表皮水疱症(junctional epidermolysis bullosa)がある。 XVIII型コラーゲン COL18A1遺伝子にコードされるホモトリマー。血管基底膜に存在する。700残基ほどのコラーゲン性領域を有する。分子のC末端側に183残基約20kDaほどのエンドスタチンと呼ばれる血管新生を阻害する作用を持つ領域がある。XV型同様multiplexinに分類される。(以下 略) そのほか、コラーゲンタンパク質の特徴を部分的に備えた "コラーゲン様領域" を有するタンパク質が15種類以上知られている。例えば、補体のC1q、コレクチン、フィコリン、アディポネクチン、マクロファージスカベンジャー受容体などがそれである。これらは部分的にコラーゲンの機能をあわせ持つタンパク質と考えられている。
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種類と分布
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/26 06:22 UTC 版)
日本固有種のムカシヤンマの生息分布はムカシトンボの分布より狭く、日本では東北以南の本州と九州に分布しているが、何故か四国には生息していない。 ムカシトンボと同じく、開発による悪影響が心配される種で、本種も指標昆虫とされているケースもある。
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種類と分布
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メダカ属には、東アジアから東南アジアにかけて分布している20数種が含まれる。 名称学名英名生息地域生息環境キタノメダカ Oryzias sakaizumii Northern medaka 日本(本州の日本海側 東北・北陸地方) 淡水から汽水域 ミナミメダカ Oryzias latipes Japanese rice fish 日本(本州の太平洋側、中国地方、四国、九州、南西諸島) 淡水から汽水域 チュウゴクメダカ Oryzias sinensis 中国、台湾、朝鮮半島西部 淡水から汽水域 カンコクメダカ Oryzias sp. 朝鮮半島東・南部 淡水から汽水域 セレベスメダカ Oryzias celebensis Celebes medaka インドネシア、スラウェシ島 淡水に生息。 ハイナンメダカ Oryzias curvinotus 中国、ベトナム 河口やマングローブなどの汽水域。 ジャワメダカ Oryzias javanicus Javanese medaka マレー半島、インドネシア 湖沼、小川や水路、河口、マングローブの汽水域まで。 タイメダカ Oryzias minutillus Dwarf medaka タイ王国 澄んだ沼に生息。 ティモールメダカ Oryzias timorensis ティモール島 淡水。 ルソンメダカ Oryzias luzonensis フィリピンのルソン島北部 淡水。 マタノメダカ Oryzias matanensis Matano medaka インドネシアのスラウェシ島 淡水。 マダラメダカ Oryzias marmoratus Marmorated medaka インドネシアのスラウェシ島 淡水。 メコンメダカ Oryzias mekongensis タイ王国メコン川中流域 小川や浅い湖沼などの淡水。 インドメダカ Oryzias dancena インド東部、マレー半島 河川の中流域から下流域、河口、マングローブなどの汽水域まで。 この他、イラン、トルクメニスタン、北アメリカ大陸、日本の北海道などに移入されている。 日本産はOryzias latipes1種であると考えられていたが、2011年12月に青森県から兵庫県の日本海側に生息する「北日本集団」が別種(Oryzias sakaizumii)として記載され、日本産は2種類ということになった。そして2013年にOryzias sakaizumiiをキタノメダカ、Oryzias latipesをミナミメダカと呼称することが提案された。両種を総称してニホンメダカと呼ぶことがある。 ミナミメダカ(メス) 静岡県浜松市産 ミナミメダカ(オス)静岡県富士市産
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