種類と基準
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 02:14 UTC 版)
大別して、血液の成分すべてを採取する「全血献血」と、特定の成分のみを採取する「成分献血」がある。基準を満たし同意を得た者は600ミリリットル (mL) の成分献血が可能である。。 全血献血200mL献血 400mL献血 成分献血血小板献血 血漿献血 献血の種類 全血献血成分献血200mL献血400mL献血血漿献血血小板献血1回献血量200mL 400mL 600mL以下(循環血液量の12%以内) 400mL以下 年齢16 - 69歳 男性:17 - 69歳女性:18 - 69歳 18 - 69歳 男性:18 - 69歳女性:18 - 54歳 可能な体重男性:45kg以上女性:40kg以上 50kg以上 男性:45kg以上女性:40kg以上 最高血圧90mmHg以上 179mmHg以下 最低血圧50mmHg以上 109mmHg以下 脈拍40回/分以上 100回/分以下 体温37.4℃以下 血色素量男性:12.5g/dL以上女性:12.0g/dL以上 男性:13.0g/dL以上女性:12.5g/dL以上 12.0g/dL以上 血小板数規定なし 15万/uL以上 年間可能献血回数男性:6回女性:4回 男性:3回女性:2回 24回(血小板は1回を2回に換算) 年間総献血量男性:1200mL以内女性:800mL以内 規定なし 次回献血可能日男女とも4週間後 男女とも8週間後(成分献血)男性:12週間後(全血献血)女性:16週間後(全血献血) 男女とも2週間後 ※全血献血は年間採血量に限度があり、男性では1,200mL・女性では800mL。※成分献血は年間回数に限度があり、血小板は1回を2回に換算して合計24回。 65歳から69歳の献血は、献血者の健康を考え、60歳から64歳の間に献血経験がある人に限られる。 400mL全血献血および成分献血の実施以前は200mL全血献血のみであった。400mL献血はより多くの血液を1人の献血者から採血することによって、輸血時の発熱・発疹・感染等の副作用低減を期待できる。成分献血は回復に時間を要する赤血球を献血者に戻すため、全血献血に比べてより多くの血小板や血漿を採血可能となる。献血をする側の身体や臓器への負担は200mL献血もしくは成分献血が比較的軽いが、400mL献血であっても日常生活に支障はなく、健康体であれば身体的に害はない。 成分献血はいったん全血を採取し、遠心分離機で得た必要な成分を回収したあと、遠心分離機内で抗凝固薬(クエン酸ナトリウム)を混ぜた残りの血液を体内に返血する手順を複数回(おもに3、4回。機械・体調などにより決定)繰り返す。そのため採血に時間がかかる(30 - 90分)。 上記の条件や採血設備、血液の需要、所要時間などが考慮されたうえでいずれかの献血への協力を要請されるが、決定は献血者の意思が優先される。通常、成分献血が可能であれば成分献血を勧められ、不可能な場合も400mLが可能であれば400mLを勧められる。成分献血で血小板献血・血漿献血の別は、献血者に知らされないこともある。学校や会社などによる献血の場合は、全血献血が行われることが多い。 血小板献血で採血に血漿を含まないときは、1週間後に血小板成分献血が可能になる。ただし4週間に4回実施した場合は次回までに4週間以上空けなくてはならない。血小板は採血してから保存可能期間が採血後4日間と短く、当日の血小板採血予定量を超えた場合に成分献血は血漿のみになることもある。 血小板成分献血は、通常1人から10単位血小板+血漿を採血するが、血小板数が多い献血者は「高単位血小板献血」を依頼される場合があり、20単位の血小板を採血することがある。この場合、まれにクエン酸反応で、唇のしびれ・寒気などが出現することがあり、希望者に予防としてカルシウム入りの菓子や飲料が提供される。 2011年4月1日より、男性のみ400mL全血献血の対象年齢が18歳から17歳に引き下げられ、男女とも18歳から54歳に限定されている血小板成分献血は、男性のみ上限を69歳に引き上げた。 2018年4月1日から「安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律施行規則」が一部改正され、献血における1年間の算定方法が「365日」から「52週(364日)」に変更された。 2020年9月1日に「安全な血液製剤の安定供給の確保等に関する法律」が改正され、献血者の健康診断基準(最高血圧の上限・最低血圧の上下限・脈拍数・体温)が新たに定められた。
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