渋谷線とは? わかりやすく解説

首都高速3号渋谷線

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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/05 07:13 UTC 版)

首都高速道路
首都高速3号渋谷線
アジアハイウェイ1号線
地図
路線延長 11.7 km
開通年 1964年 - 1971年
起点 東京都港区谷町JCT
主な
経由都市
東京都渋谷区目黒区
終点 東京都世田谷区用賀出入口
接続する
主な道路
記法
都心環状線
中央環状線
E1 東名高速道路
テンプレート(ノート 使い方) PJ道路

首都高速3号渋谷線(しゅとこうそく3ごうしぶやせん)は、東京都港区谷町ジャンクション(JCT)で都心環状線と分岐し、同都世田谷区用賀へ至り東名高速道路に直結する首都高速道路路線である。アジアハイウェイ1号線「AH1」の一部を構成する。

大橋JCT中央環状線と接続している。

概要

「都道首都高速3号線I期」[注釈 1]東京都千代田区隼町三宅坂ジャンクション) - 渋谷区道玄坂1丁目の延長6.7kmの路線であり、このうち、隼町から都道首都高速2号分岐線[注釈 2]が分かれる谷町ジャンクションまでは「首都高速都心環状線」と呼称。谷町JCTから西側を一般向けに「首都高速3号渋谷線」と呼称する。本項では「首都高速3号渋谷線」に相当する部分について説明する[1]

歴史

1962年昭和37年)1月20日、渋谷4丁目の青山学院大学付近の暫定出入口 - 道玄坂1丁目(渋谷出入口)付近の1.3 kmを着工。この区間は1964年(昭和39年)10月1日に開通した。谷町JCTと渋谷4丁目の間は1963年(昭和38年)に着工、1967年(昭和42年)9月2日に開通している[2]。谷町JCTから高樹町出入口付近までは、幅員20mだった放射22号線(六本木通り)を40 mに拡幅する工事と合わせて高架構造で建設された。建設中は都電が走っており、高速道路完成後は高架の下を走る予定であったが、完成時点で都電は廃止された。その名残として、高架の橋脚には都電の架線用の金具が取り付けられていた。六本木交差点と西麻布交差点(建設時は霞町交差点)の間の地下には日比谷線が通っていることから、地下鉄の構造物を地中梁で跨ぎ、上部構造では横梁を設けず橋脚で直接支える構造が採用された。西麻布交差点では、放射22号線が環状4号線外苑西通り)をオーバーパスする陸橋と一体の二層構造となっている。その先の青山学院大学付近では、グラウンドの機能を維持するためトンネル構造が採用された。渋谷駅の前後の区間は交通の輻輳する街路や鉄道の上部を通過するため、安全でかつ交通を阻害しない工法として、プレストレスト・コンクリート橋の渋谷高架橋が、ヤジロベエのように橋脚から左右にバランスを取り桁を架設するディビダーク工法で建設された[3]

道玄坂1丁目の渋谷出入口と用賀出入口の間は1968年(昭和43年)3月8日に着工、1971年(昭和46年)12月21日に開通した。大半の区間は放射4号線(玉川通り)上部を高架で通過する。玉川通りは道玄坂と三軒茶屋の間の幅員は40 m、三軒茶屋以西は30 mに拡幅されていたため、中間の渋谷(都心方向)・池尻(郊外方向)・三軒茶屋(都心方向)の3つの出入路はいずれも三軒茶屋以東に設けられている[4]。渋谷出入口近くで玉川通りと道玄坂通りが合流する道玄坂上交差点(建設時は上通交差点)は地形上の理由から玉川通りがアンダーパスとなり、建設省から委託を受け首都高速の高架の下部構造と一体施工された。ここから世田谷区新町1丁目交差点付近にかけては、路面電車の東急玉川線に代わり建設される東急新玉川線(2000年に東急田園都市線に改称)が地下に並行する。東急の地下トンネルの躯体を首都高速の基礎としており、同時施工の必要から下部構造の一部は東京急行電鉄(現:東急、鉄道事業は東急電鉄へ分割)に施工を委託した。一部駅舎や新町交差点付近では首都高速道路公団が東急から委託を受け施工している。用賀1丁目交差点付近から玉川通りを北に逸れ、環状8号線交差部までは用地買収区間で、この区間に用賀本線料金所が設けられている。用賀付近では強力な反対運動があり、土地買収価格を巡って最高裁判所まで争われたが、首都高速道路公団の主張が認められている[5]

年表

  • 1964年昭和39年)10月1日 : 渋谷4丁目(暫定出入口) - 渋谷出入口開通。
  • 1967年(昭和42年)9月2日 : 谷町JCT - 渋谷4丁目(暫定出入口)開通。
  • 1971年(昭和46年)12月21日 : 渋谷出入口 - 用賀開通により全線開通[6]。同時に東名高速道路と接続。
  • 2010年平成22年)3月28日 : 大橋JCT供用開始により中央環状線新宿線と接続。
  • 2014年(平成26年)3月20日 :渋谷出入口付近で火災発生。上りは大橋JCTと高樹町の間、下りは谷町JCTと大橋JCTの間で通行止め。
  • 2015年(平成27年)3月7日 : 大橋JCTで中央環状品川線と接続。
  • 2019年令和元年)12月19日 : 渋谷入口(用賀・東名方面) 供用開始[7]

路線番号

3

出入口など

出入口
番号
施設名 接続路線名 起点
から

(km)
備考 所在地
- 谷町JCT 都心環状線 0.0 港区
301 高樹町出入口 六本木通り 1.7 谷町方面出入口
302 渋谷出入口 3.2 用賀・東名方面出入口 渋谷区
303 国道246号玉川通り 4.2 谷町方面出入口
- 大橋JCT 中央環状線 5.0
目黒区
304 池尻出入口 国道246号玉川通り 5.6 用賀・東名方面出入口
世田谷区
305 三軒茶屋出入口 6.0 谷町方面出入口
- 用賀PA
用賀TB
- 11.3 谷町方面
307 用賀出入口 環八通り 11.7 谷町方面出入口
E1 東名高速道路 静岡名古屋名神京都大阪方面

交通量

24時間交通量(台) 道路交通センサス

区間 平成17(2005)年度 平成22(2010)年度 平成27(2015)年度 令和3(2021)年度
谷町JCT - 高樹町出入口 98,145 86,981 79,862 75,898
高樹町出入口 - 渋谷出入口 98,145 79,210 71,273 67,142
渋谷出入口 - 大橋JCT 98,145 75,636 66,742 62,442
大橋JCT - 池尻出入口 98,145 106,584 108,193 99,114
池尻出入口 - 三軒茶屋出入口 98,145 118,110 117,498 107,990
三軒茶屋出入口 - 用賀出入口 98,145 105,691 105,308 94,702

(出典:「平成22年度道路交通センサス」・「平成27年度全国道路・街路交通情勢調査」・「令和3年度全国道路・街路交通情勢調査」(国土交通省ホームページ)より一部データを抜粋して作成)

ギャラリー

脚注

注釈

  1. ^ 法定路線名であり、首都高速3号渋谷線の起終点とは異なる
  2. ^ 法定路線名であり、首都高速2号目黒線の起終点とは異なる。谷町JCT - 一ノ橋ジャンクション間は首都高速都心環状線と呼称

出典

参考文献

  • 首都高速道路公団『首都高速道路公団20年史』1979年6月17日。 

関連項目

外部リンク


渋谷線

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東急バス下馬営業所」の記事における「渋谷線」の解説

32渋谷駅大橋三宿下馬一丁目下馬営業所野沢龍雲寺渋谷駅32渋谷駅大橋三宿下馬一丁目下馬営業所野沢龍雲寺下馬営業所深夜バス) 渋33渋谷駅 - 大橋 - 三宿 - 下馬営業所 - 都立大学駅前 - 奥沢駅 - が谷 - 多摩川駅瀬田共管) 渋34渋谷駅 - 大橋 - 三宿 - 下馬営業所 - 都立大学駅北口 - 東京医療センター34渋谷駅 - 大橋 - 三宿 - 下馬営業所34下馬営業所 - 都立大学駅北口 - 東京医療センター 多摩01 東京医療センター - 都立大学駅前 - 緑ヶ丘駅 - が谷 - 多摩川駅 詳細は「東急バス淡島営業所#渋谷線」および「東急バス瀬田営業所#雪が谷線」を参照 1959年5月1日渋谷駅 - 都立大学 - 谷 - 下丸子 - 池上駅 - 大森駅運行開始(のちに大森操車所まで延長)されたのが始まりで、当時淡島池上担当した。ただし、これ以前池上担当大森駅 - が谷を結ぶ路線があり、渋谷線はこれを延長する形で成立している。この経緯から、池上側より渋谷へ向かう路線ということで「渋谷線」の線名付いたその後定時性低下に伴う長距離路線分断流れの中で、1981年5月26日渋谷駅 - 丸子橋淡島担当し、渋谷線の線名と渋33系統番号継承)と田園調布駅 - 大森操車所池上担当10)に分割された。 詳細は「東急バス池上営業所#下丸子線(2代)」を参照 なお、渋33北側三宿線(渋31)・下馬線(渋32)などの並行路線があり、南側東急電鉄路線がすぐ近く走っていることから渋33独自性低く1988年に渋34渋谷駅 - 都立大学駅北口都立大学駅北口付近右回り経路)が運行開始し更なる運用効率化図られた。1989年平成元年12月16日丸子橋折返所の廃止に伴い33発着多摩川園(現・多摩川駅)に変更され1999年8月24日をもって下馬移管され、東急トランセへの委託路線となった2002年10月16日には、トランセ委託後初の大規模な改正があり、多摩川駅からの折り返し便に相当する多摩01運行開始、渋34発着点が東京医療センター変更された。これにより、渋谷駅 - 多摩川駅通し運行する33は朝のみの運行縮小されている。 2003年6月16日ダイヤ改正により、渋32深夜バス新設され深夜バスおよびその直前の便を下馬が受け持つようになった2011年3月1日ダイヤ改正では渋33平日のみの運転となり、渋33一部多摩01瀬田移管されて雪が谷線変更された(その後、渋33系統2018年2月28日をもって廃止)。 2014年9月1日ダイヤ改正で、淡島営業所担当戻された。 ちなみにが谷と大森駅の間には渋谷線とは別に池上営業所京浜急行電鉄(現・羽田京急バス)の共管路線空港線(園11)が存在した空港線運行ルート洗足池 - 大田区役所前(現・大田文化の森)が池上単独大森線(05)と重複し洗足池では乗客載せたままバス転回所で折り返していた。東急撤退し共同運行解消した後も京急そのまま11として運行継続1993年平成5年)には羽田空港国内線ターミナル移転する国際線ビル打ち切り残ったが、1998年平成10年)、大田区役所蒲田駅移転存続の意味失ったとして廃止された。 詳細は「東急バス池上営業所#空港線」および「京浜急行バス羽田営業所#1990年代以降廃止された系統」を参照

※この「渋谷線」の解説は、「東急バス下馬営業所」の解説の一部です。
「渋谷線」を含む「東急バス下馬営業所」の記事については、「東急バス下馬営業所」の概要を参照ください。

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