小笠原南島の沈水カルスト地形
名称: | 小笠原南島の沈水カルスト地形 |
ふりがな: | おがさわらみなみじまのちんすいかるすとちけい |
種別: | 天然記念物 |
種別2: | |
都道府県: | 東京都 |
市区町村: | 小笠原村 |
管理団体: | |
指定年月日: | 2008.03.28(平成20.03.28) |
指定基準: | 地1,地5,地9 |
特別指定年月日: | |
追加指定年月日: | |
解説文: | 小笠原群島は、我が国では数少ない海洋島である。小笠原群島は、伊豆・小笠原海溝と小笠原トラフに挟まれた小笠原海嶺が海面上に現れたところであり、小笠原群島の基盤を構成する岩石は、約5,000万年前から2,000万年前にかけての海底火山噴出物とそれに伴う砂岩や石灰岩などの堆積層から構成されている。小笠原の父島の南西海域に位置する南島一帯、母島の石門山一帯等では石灰岩上に発達したカルスト地形が見られる。中でも小笠原父島の南西海域に位地する南島一帯には石灰岩の島々、岩礁が点在する沈水カルスト地形が発達し、独特な景観を見ることができる。南島は南北に約1.5km、東西に約400mの無人島である。周辺の岩礁とともに、南島はラピエという鋭く尖った石灰岩の溶食地形で覆われている。島の中央部には扇池と呼ばれる天然橋で外洋と繋がったドリーネに砂浜が成立し、ビーチロックも発達する。南島内部の砂丘には、1,000~2,000年前に絶滅したヒロベソカタマイマイの化石が数多く見られる。小笠原南島の沈水カルスト地形は、カルスト地形の典型を示すとともに小笠原群島の成立を語るうえでも重要である。 |
天然記念物: | 小山田ヒガンザクラ樹林 小木の御所ザクラ 小滝川硬玉産地 小笠原南島の沈水カルスト地形 小笠原諸島産陸貝 小郡町ナギ自生北限地帯 小野のシダレグリ自生地 |
南島 (東京都)
南島 | |
---|---|
![]() 扇池 | |
所在地 |
![]() |
所在海域 | 太平洋 |
所属諸島 | 小笠原諸島(父島列島) |
座標 | 北緯27度2分18.41秒 東経142度10分32.38秒 / 北緯27.0384472度 東経142.1756611度座標: 北緯27度2分18.41秒 東経142度10分32.38秒 / 北緯27.0384472度 東経142.1756611度 |
面積 | 0.28 km² |
最高標高 | 60 m |
![]() |
南島(みなみじま)は、東京都・小笠原諸島の父島列島の一部をなす島。
概要
父島の南西にある無人島。第三紀由来の典型的な沈水カルスト地形がみられる。かつては常緑低木が生い茂っていたが、ヤギの食害により所々に地面が露出した現在の姿になった。植生回復のため昭和40年代にヤギが駆除され、2003年(平成15年)からは自然保護の観点により観光客の入島に際してルールが定められた(「入島方法」参照)。
沈水カルスト地形
国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成
氷期の海水面が下がっていた時期に形成されたカルスト地形が、海水面上昇によって冠水したもので、2008年3月28日に「小笠原南島の沈水カルスト地形」の名称で国の天然記念物に指定された[1]。 日本国内では他に、沖縄県宮古諸島の下地島にある通り池などに見られる。
入島方法
島には桟橋など港はない。船で島南側の大きな入り江(鮫池)に乗り入れて舳先から島に降り立つか、西側の小さな入り江(扇池)よりカヤックまたは泳いで上陸する。
個人での入島は制限されており、東京都自然ガイドが同行するツアーに参加することになる。上陸に際しては、陸貝を食害するプラナリアの卵など外来動植物を持ち込まないよう靴を海水で洗い流す。定められたルート以外は立ち入り禁止、1日あたりの入島人数は100人まで、滞在は2時間以内。11月から翌年2月にかけて植生保護のため上陸禁止期間が設けられる(年末年始を除く)。また島の物を持ち出すことはできない[2][3]。
動植物

脚注
- ^ 文化庁国指定文化財等データベース
- ^ 南島上陸について小笠原村観光協会(2018年11月19日閲覧)。
- ^ 【旅】小笠原(東京都)絶海の島が育んだ自然/保全進む「ガラスの生態系」『読売新聞』夕刊2018年11月14日(5面)。
参考文献
![]() | この節の加筆が望まれています。 |
関連項目
外部リンク
- 小笠原南島の沈水カルスト地形のページへのリンク