将也のクラス(6年2組)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/10 01:01 UTC 版)
竹内を担任とする将也や硝子の在学するクラス。 将也とクラスメイトたちは同じ中学に進学したが、卒業後はそれぞれ別々の高校に進学した。作者によれば、「高校編にも島田らを登場させ、その心境を描いていく予定」とのこと。 植野 直花(うえの なおか) 声 - 金子有希 小学校時代の将也のクラスメイトで、黒髪ロングの少女。 オリジナル版、リメイク版では単なる「クラスの女子」の1人に過ぎなかったが、連載版では大きくその役割を変え、物語を動かすキーパーソンとなっている。そのため、以下は連載版での設定について記載する。 小学校時代、明るくさばさばした姉御肌の性格もあって、転校してきた硝子の世話役をなりゆき的に任される。しかし、その負担の大きさの割に担任教師からの理解や支援もなく、次第に不満を募らせるようになる(このとき、その不満の火に油を注ぐような言動をとった佐原に対していじめを行い、佐原を不登校に追い込んだ)。 その結果、自身も硝子の筆談ノートに悪口を書き込むなどの陰湿ないじめを行う。しかし将也が高額な補聴器を壊すという直接的ないじめで学級裁判で吊るし上げられたとき、自身に火の粉が降りかかるのを避けるため、結果として将也を売る発言をしてしまった。 植野は実は密かに将也に好意を寄せ続けていたのだが、学級裁判以降いじめられっ子に転落した将也の味方になる勇気を持つことができず、そのまま中学卒業まで将也へのいじめの傍観者だったことを悔やんでいる。その一方で将也が転落し、関係が壊れてしまった原因は硝子が転校してきたことにあると考え、硝子に対し反感を持っていた。 高校では佐原と同じ「太陽女子学園」に進学し、服飾を専攻している。才能が開花し学内のデザインコンテストでは金賞を獲得、3年生になり東京の専門学校への進学を決心する。 残り少ない地元での高校生活が終わるまでに心残りだった恋心を伝えようと川井を通じて将也と再会する。しかし結果的に将也との間にはもはや縮むことのない距離ができてしまい、後に永束が企画した映画の撮影中の一件で人間関係が悪化し、その件を苦に投身自殺を図った硝子を将也が助けた代わりに転落し意識不明の昏睡状態となった出来事をもって、そのことを突きつけられてしまう。気が強く、自分の思った言動や行動をすぐ実行にうつす真っ直ぐな性格。しかし、相手を見下した高圧的な態度を取りがちである。また、自分の納得出来ない時や追い詰められたりすると、暴力を振るったり、暴言を浴びせたりするなど乱暴でヒステリックな一面がある。 「にゃんにゃん倶楽部」という猫カフェで店員としてアルバイトをしている。 作者曰く「彼女は、小学校時代も、高校生になった今でもそうですが、石田と西宮のふたりと同じ時や場所を共有していますが、彼らとは違う視点で石田と西宮の物語を捉えているキャラです」とのこと。 佐原 みよこ(さはら みよこ) 声 - 石川由依 リメイク版から登場した女生徒。そばかすが特徴。硝子の世話役を任された植野の負担を軽減するため、手話を学ぼうと硝子や喜多をフォローする。しかし、そのことで逆にクラスメイトから「点数稼ぎ」と罵られるようになり、卒業式の日まで不登校だった。そのため、硝子が将也にいじめられていたことや将也がクラスメイトにいじめられていたことも知らない。 後に将也と同じ中学校に進学した。しかし保健室登校だったため将也との交流はほとんどなかったが、手話の本を読み続けていた。進学した高校では偶然植野と同じクラスとなり、学内コンテストでは植野に次いで銀賞を受賞した。 硝子の再会を望む意思とそれを支援する将也の尽力によって硝子と再会を果たし、以後は交流が再開している。身長が急激に伸びており、モデルのようなスタイルの良さから後輩たちには憧れの的となっている。 川井 みき(かわい みき) 声 - 潘めぐみ 小・中・高と学級長を務めており、眼鏡をかけている女生徒。真面目な優等生だが周囲に八方美人的な態度を取り、自分が追い詰められると相手を悪者扱いする利己的・保身主義的なところがある(将也曰く「自分がかわいいだけ」)。クラスメイトの硝子には直接的ないじめこそ行っていなかったが、陰では植野と一緒に散々悪口を言っていたという。 中学も高校も将也と同じ学校に通っており、高校編となってからはクラスも同じになっている。自分の魅力を自覚してからは髪形を変え、眼鏡からコンタクトレンズに変えた。高校でクラスメイトになった真柴に好意を持っており、積極的にアプローチしているが、彼からは見下されている。植野とは高校が分かれたあとも交流が続いており、彼女の将也への好意も知っているため、なにかと二人のキューピッド役を買って出ている。 常に学生生活に一生懸命取り組んできたという自負心も相まって、自分が硝子をいじめていた自覚は皆無で、障害者である硝子と交流を持ったことは自身の良い経験になったと信じ込んでいる。また、将也がクラスメイトに裏切られる形でいじめに遭ったことは当然の報いであると考えていた。 後にそのような八方美人的性格を「心底気持ち悪い」と思わぬカタチで指摘されることとなる(先の話で将也の過去をクラスに暴露しておきながら、昏睡状態となった将也のために千羽鶴を集めようとしたことで、その意図を見透かされ指摘されて十分な数を揃えられず挫折を味わった)。 島田 一旗(しまだ かずき) 声 - 西谷亮(小学生時代 - 小島幸子) 将也を中心としたいじめに加担した男子生徒。当初は将也と仲が良く、共に硝子をいじめていた。しかし将也の幼稚さやいじめをすることには思うところがあったことが後に示唆されており、いじめ発覚後は将也を裏切る形でいじめの対象とする。育ちが良く、家の束縛が厳しいらしく、将也の自由奔放さが彼にとって癒しになっていた。将也のいじめに対しては一応ではあるが諌めていたこともあり、状況を冷静に判断出来るだけのずる賢さを持っている。中学でも小学校時代の将也のことを吹聴して孤立させた結果、将也にトラウマを刻み付け、将也にとって会いたくない人物の一人になる。 高校編ではそれまでが嘘のように一切いじめに干渉しなくなり会うこともなくなったが、将也たちが遊びに行った遊園地で売店の店員をしていたところを植野の差し金で再会する。将也にとっては会いたくない島田と苦い再会をする破目になり結局口も利かずに終わり、植野は立場を悪くしただけとなった。 後に投身自殺を図った硝子を止めた代わりに転落し瀕死となった将也を助けたことが植野から語られているが、結局将也と和解したかは最後まで明かされなかった。 小学生の頃にピアノを母親に習わされており、合唱コンクールでピアノを担当した。音楽関係の仕事に就くことを考えており、永束の制作映画で音楽を担当していた。高校卒業後、音楽修業のためにフランスに旅立っている。 広瀬 啓祐(ひろせ けいすけ) 声 - 増元拓也(小学生時代 - 武田華) 将也を中心としたいじめに加担した男子生徒。肥満体型が特徴。島田同様に将也と仲が良く、硝子いじめにも加担していたが、島田につき従う形で将也を裏切っていじめるようになる。中学でも島田と共に小学校時代の将也のことを吹聴して孤立させ、将也にとって会いたくない人物の一人になる。高校編では一切いじめに干渉しなくなり姿を消す。 後に投身自殺を図った硝子を止めた代わりに転落し瀕死となった将也を島田と共に助けたことが植野から語られているが、将也と和解したかは島田同様に最後まで明かされなかった。 成人式を迎えた時点ではそれまで未登場だった女性と結婚しており、幼い娘がいる。 竹内(たけうち) 声 - 小松史法 将也たちの担任を務める男性教師。眼鏡をかけている。抑揚に乏しく冷淡な態度が目立つ。障害を持つ硝子についても積極的に受け入れたわけではないようであった。硝子への支援をクラスに丸投げし、障害をからかう将也の冗談を咎めようとせず、一緒に笑ったこともある。喜多の指導に水を差して制したり、学級内のいじめを「自己責任」と黙認したりするなど放任、責任回避傾向がある。 週刊連載版では、将也が硝子をからかっているのを見かけた際には職員室で注意をしている。しかし将也に対しては「やり過ぎはよくない」といった趣旨の簡単な注意しかしておらず、校長同伴で硝子へのいじめに対する学級会が開かれた際に真っ先に将也に疑いをかけ、将也が人間不信になる原因を作った張本人。 高校編でも将也たちの母校の小学校に在籍している。その真意は不明だが手話をマスターしたようで、硝子の手話を読み取っている描写がある。しかし小学校時代、いじめられっ子に落ちた将也に冷ややかな態度を取りながら、名のある高校に入ったと知るや評価を一変させるなど、問題教師ぶりは変わっていなかった模様である。
※この「将也のクラス(6年2組)」の解説は、「聲の形」の解説の一部です。
「将也のクラス(6年2組)」を含む「聲の形」の記事については、「聲の形」の概要を参照ください。
- 将也のクラスのページへのリンク