南日本国政府・国防軍
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「太陽の黙示録の登場人物」の記事における「南日本国政府・国防軍」の解説
エドワード・ロックウェル(Edward Rockwell) 南日本初代行政府長官。 アメリカ「日本復興支援機構」の副長官を経て復興省(後の行政府)長官、外国籍初の国務大臣。南日本の将来を担う人材を育成する「ロックウェル・プラン」の責任者として、夏木淳史の推薦した宗方と出会い、彼に「黒いマグマ」と呼ぶ既存の秩序への憎しみとそれを変える力を見出し、留学期限の延長や復興省長官官房室長への抜擢など重用する。当初は復興資金やアメリカ政府の後ろ盾を背景に石倉総理を傀儡化し、内政外交全般に渡って実権を握って道州制や公務員国籍条項撤廃など政経面を基本的にアメリカ型に手掛け、更にはM資源を利用してアメリカ国益を最優先することで南日本の属国化を押し進める。だが、海峡区の自治とM資源開発計画という宗方の反乱にあい、彼自身かつてM資源の存在がアメリカを含む世界中の石油資本破滅による世界恐慌を招くことを政府から猛反対されたこともあって宗方がアメリカ政府の意思から離れたもう一人の自分の姿と気づく。その後は宗方と共にM資源を利用したアメリカに頼らない新国家づくりに賛同し、これ以後南日本の実権は宗方が握ることとなる。 祖国アメリカに生まれたことを誇りに思う愛国者ではあるが、かつてベトナム戦争時に出征した兄が戦死したため(公式には遺体が発見されていないので、行方不明)、戦争を推進した当時の政権を許していない。また、石油資本権益に固執する保守的な現政権に対しても、憤りを感じている。 やがて、宗方達の手でM資源を軸としての南日本独立は実現に近づいていくも、独立を機に起こりうるアメリカ・中国からの介入を恐れるあまり、独断でアメリカそして北日本の孫市と接触するようになる。宗方と惇史の推察では、ロックウェルの狙いはアメリカと中国にM資源すなわちメタン・ハイドレートを差し出して平和的な独立を得るというもの。そのため宗方は、自身にとって政治の師であり、父親とも呼べる存在であったロックウェルとの決別を決める。そして、宗方の動きに対して彼を罷免するよう裏工作に出るが、その宗方と彼を支持した惇史を含めた行政府幹部陣の同意によって、自ら搭乗していた専用機に爆弾を仕掛けられ、爆殺された。 夏木惇史(なつき あつし) 恵理の兄。 総理政務担当秘書官で震災後の復興政策をめぐって石倉率いるアメリカ組に付く。妹・恵理が宗方に同行したことに反対したがボランティア活動で成長した彼女を見て二人の関係を認め、宗方を留学の候補者に推薦する。ロックウェル体制下の南日本樹立後はロックウェルと対立し山陽道知事に左遷されて首都復帰を目指していたが、宗方に影響されて彼と独自路線をとる。ロックウェルと宗方の和解以降は、道知事と兼任で行政長官北日本問題担当補佐官として独立を目指す。宗方が董藤とスカイビルで会見に臨んだ際に密かに特殊部隊を潜入させ、董藤の罠から宗方を救うなど、しばしば危険を顧みない行動を取る宗方をよく助ける。 宗方が恵理を取り戻すべく孫市の元へ向かう際には、「孫市に足元を見られる」と反対の意を示すが、結局は送り出した。その後、宗方が孫市の一方的な要求を退けたとはいえ、救出作戦が失敗に終わった後は、恵理と無言の対面を果たし、涙した。 宗方の公私にわたる良き理解者。群雄編第57話では「お前は命をかけて恵理を守った」と宗方に礼を言った際、「たとえ恵理がいなくても、あんたは俺の兄だ」と言われた。 名前の由来は夏侯惇(字は元譲)。 賀来嘉孝(かく よしたか) 南日本国防海軍第2艦隊司令官。階級は少将。 宗方の下で勝呂と接触し、南北自衛隊の統一を試みるも裏では宗方と共に董藤暗殺を目論む。日本海峡紛争では海峡で、第2艦隊旗艦であるイージス護衛艦「はるなみ」より、北日本自衛隊の空挺部隊が乗る輸送機及び地対艦ミサイル撃墜の指揮を執る。 その後、宗方による恵理救出作戦に参加。秘密裏に「はるなみ」にて日本海より北日本領海内に潜入する。 名前の由来は郭嘉(字は奉孝)。 ピート・奥村・リテル(ピート・おくむら・リテル) SCIA(サウスエリア中央情報局)長官。 南日本行政府幹部にして、ロックウェルの腹心であった人物。ロックウェルが宗方罷免に動いた際、そのための裏工作を行うよう命じられる。しかし、すでに彼はロックウェルではなく宗方の方針を支持しており、事は全て宗方に筒抜けだった。そして、他の行政府幹部と共にロックウェルの爆殺を承認する。その後は日本人である宗方が次期行政長官に就任することにアメリカやスタントンが圧力を掛けてくるのではと、宗方に忠告する。 北詰芳郎(きたづめ よしろう) 南日本行政府外務大臣。 宗方のロックウェル罷免・爆殺提案を承認する。 ラーマン・エイブラヒム 南日本行政府外務省、北東アジア局長。 宗方のロックウェル罷免・爆殺提案を承認する。 片岡真澄(かたおか ますみ) 南日本行政府長官広報担当補佐官。 宗方のロックウェル罷免・爆殺提案を承認する。 石倉慎介(いしくら しんすけ) 声 - 池田勝 旧日本政府内閣総理大臣。親米保守。 拓磨の親友にして政友であったが、大震災後の日本の復興支援をめぐって彼と対立。中国と組むと基本的人権が失われるという危惧は北日本の現状を予言する形となるが、拓磨が彼に言ったアメリカの奴隷という言葉もまた南日本の現状の予言となった。アメリカの支援による福岡を首都とした政府を樹立して国の復興をロックウェルに託すものの、日本の南北分断独立に遂に心を痛め、これまでのことを後悔する。 南日本政府成立後は内閣総理大臣という、国家元首のポストに位置するも自ら国の復興を託したとはいえそのロックウェルの権限が増大するにつれて「名ばかりの存在」と化していき、行政長官制施行後は自分に対する「総理」という呼称を「死語」とまで称した。また、行政府ビルにて石倉と対面した宗方はいかにも第一線を退いた元・国家元首に対するかのごとく「石倉先生」と呼んだ。 息子夫婦を失った拓磨と同様に、彼自身も大震災によって、お台場の高層マンションに住んでいた娘夫婦を失っている。 モデルは石原慎太郎。
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