労働時間等設定改善実施計画とは? わかりやすく解説

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労働時間等設定改善実施計画

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/22 22:42 UTC 版)

労働時間等の設定の改善に関する特別措置法」の記事における「労働時間等設定改善実施計画」の解説

同一業種属する2以上の事業主であって労働時間等の設定改善円滑な実施を図るため、労働時間設定改善指針即して業務繁閑応じた営業時間の設定休業日数の増加その他の労働時間等の設定改善見込まれる措置労働時間設定改善促進措置)を実施しようとするものは、共同して実施しようとする労働時間設定改善促進措置に関する計画(労働時間等設定改善実施計画、以下本節内では単に「計画」と略す)を作成し、これを厚生労働大臣所轄都道府県労働局長に権限委任。以下同じ)及び当該業種属す事業所管する大臣都道府県知事事務処理。以下同じ)に提出して、その計画が適当である旨の承認を受けることができる(第8条1項)。 日本では厳し企業競争の下で各企業横並び意識が強いこと等により個々企業単独では労働時間設定改善進めることが困難であるという事情があることから、労働時間設定改善進めるためには業種実情応じた業界一体の自主的取組促進するための仕組整備することが有効であること。このため同一業種属する2以上の事業主共同して計画作成し、それを的確に実施することができるような環境整備のために承認制度設けこととしたものであること。計画の策定主体を「同一業種属する2以上の事業主」とした趣旨は、同業他社との横並び意識労働時間設定改善阻害要因となっているという現実踏まえ、これらの意識が「同一業種」に属す事業主相互の間に生じやすいことから、これを克服して労働時間設定改善推進してこうとするのであること。したがって、「同一業種」の判断にあたっては、日本標準産業分類分類とらわれず例えば、工業団地商店街下請協力その他の実態として競争関係や横並び意識生じている事業主集まりできるだけ広く弾力的にとらえて差し支えないこと(平成18年4月1日基発第0401006号)。 申請書提出は、厚生労働大臣又は事業所大臣いずれか一方行えば足りる。厚生労働大臣宛名とする申請書であっても都道府県労働局経由して提出して差し支えない平成18年4月1日基発第0401006号)。 計画には、次に掲げ事項記載しなければならない第8条2項)。 労働時間設定改善促進措置実施により達成しようとする目標以下に掲げ目標その他の目標一つ上掲げていること(平成18年4月1日基発第0401006号)。労働時間短縮(この場合には、さらに、総実労働時間短縮所定労働時間短縮所定外労働時間削減完全週休二日制採用休日増加年次有給休暇付与日数取得日数増加細目目標一つ以上付していること) 健康上特に配慮要する労働者について労働者の健康回復のために必要な時間の確保 育児のための生活時間確保 介護のための生活時間確保 単身赴任者が家族接す時間確保 自発的な職業能力開発を図るための時間確保 地域活動等を行うための時間確保 労働時間設定改善促進措置実施する事業場 労働時間設定改善促進措置内容及びその実時期以下の各項目中に掲げられ内容その他内容一つ以上を定めていること。この場合には、その実時期定めていること(平成18年4月1日基発第0401006号)。労働時間短縮目標掲げ場合 - 営業時間の設定営業日数の短縮営業時間短縮休日又は営業日設定変形労働時間制採用交替制の設定ノー残業デー設定年次有給休暇の計画的付与制度採用取引先対す発注方法に関する要請 健康上特に配慮要する労働者について労働者の健康回復のために必要な時間の確保目標掲げ場合 - 病気休暇から復帰する労働者について短時間勤務導入所定外労働が多い労働者について代休まとまった休暇付与 育児のための生活時間確保目標掲げ場合 - 育児休業制度充実、子の看護のための休暇制度充実時間外労働の制限制度充実勤務時間短縮等の措置充実、子どもの出生時における父親休暇取得制度整備 介護のための生活時間確保目標掲げ場合 - 介護休業制度充実時間外労働の制限制度充実勤務時間短縮等の措置充実 単身赴任者が家族接す時間確保目標掲げ場合 - 休日前日終業時刻繰り上げ休日翌日始業時刻繰り下げ休日前後年次有給休暇半日単位付与家族誕生日について休暇付与 自発的な職業能力開発を図るための時間確保目標掲げ場合 - 有給教育訓練休暇付与長期教育訓練休暇付与始業・終業時刻変更時間外労働の制限制度充実 地域活動等を行うための時間確保目標掲げ場合 - 特別な休暇付与年次有給休暇半日単位付与 その他省令で定め事項 厚生労働大臣及び当該業種属す事業所管する大臣は、計画承認申請があった場合において、その計画次に掲げ基準適合するのである認めるときは、その承認をするものとする第8条3項)。厚生労働大臣は、この承認をしようとするときは、あらかじめ、労働政策審議会都道府県労働局長に権限委任により、実際地方労働審議会)の意見聴くものとし(第8条4項)、厚生労働大臣は、この承認をするに当たっては、1.規定する労働者意見聴くように努めものとする第8条5項)。承認受けた者(承認事業主)は、当該承認係る計画変更しようとするときは、厚生労働大臣及び当該業種属す事業所管する大臣承認を受けなければならない第9条1項)。厚生労働大臣及び当該業種属す事業所管する大臣は、承認変更をした計画基準適合するものでなくなった認めるときは、承認事業主に対して当該承認計画の変更指示し、又はその承認取り消さなければならない第9条2項)。 目標事業場労働者労働時間に関する実情照らして適切なのであること。 内容及びその実時期目標確実に達成するために必要かつ適切なのであること。 一般消費者及び関連事業主利益不当に害するおそれがあるものでないこと。 当該計画実施参加し、又はその実施から脱退することを不当に制限するものでないこと。 厚生労働大臣及び当該業種属す事業所管する大臣は、計画承認をしようとする場合において、必要がある認めるときは、当該承認係る申請書写し公正取引委員会計画記載され事業場のすべてが一の地方事務所管轄地域内にある場合には、当該区域管轄する地方事務所長)に送付するとともに公正取引委員会対し当該計画定め労働時間設定改善促進措置係る競争状況に関する事項当該労働時間設定改善促進措置実施当該競争に及ぼす影響に関する事項その他の必要な事項について意見述べものとする第10条1項)。公正取引委員会は、必要がある認めるときは、厚生労働大臣及び当該業種属す事業所管する大臣対し、この規定による送付係る計画について意見述べものとする第10条2項)。公正取引委員会は、1項規定による送付係る計画であって厚生労働大臣及び当該業種属す事業所管する大臣承認したもの定めところに従ってする行為につき当該承認私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律独占禁止法)の規定違反する事実があると思料するときは、その旨厚生労働大臣及び当該業種属す事業所管する大臣通知するものとする第10条3項)。厚生労働大臣及び当該業種属す事業所管する大臣は、3項規定による通知受けたときは、公正取引委員会対し当該承認後の労働時間等の動向及び経済的事情変化即して1項規定する事項について意見述べることができる(第10条4項)。 「必要がある認めるとき」とは、独占禁止法上の問題生ず可能性がある場合をいうこと。ただし、申請事業主から要請があった場合は「必要がある認めるとき」に該当するものとして扱うこと。公正取引委員会から、労働時間設定改善促進措置独占禁止法上の問題があると思料される旨の意見陳述があった場合には、公正取引委員会意見調整行いつつ、必要に応じ当該意見踏まえて独占禁止法上の問題解消するよう申請事業主対し助言指導を行うこと。その結果申請事業主がその助言指導応じ実施計画独占禁止法上の問題解消され場合限り承認を行うことができることそれ以外場合については、申請事業主対し承認しない旨の通知を行うこと(平成18年4月1日基発第0401006号)。 計画承認後に公正取引委員会より、独占禁止法違反する事実があると思料する旨の通知があった場合厚生労働大臣及び事業所大臣は、労働時間等の動向及び経済的事情変化即して意見述べることができること。したがって公正取引委員会から通知があった場合には、都道府県労働局長は、承認事業主事業場労働時間等の動向及び経済的事情変化需要の変化及び今後の動向市場占有率変化)等に関して承認事業主から報告徴収し、これに基づき意見述べものとする。この場合都道府県労働局長は、承認事業主対し必要に応じ承認要件適合するよう助言指導を行うこと。承認要件適合しないことが明らかとなった場合には、承認取り消しその旨承認事業主及び公正取引委員会通知すること(平成18年4月1日基発第0401006号)。 厚生労働大臣及び当該業種属す事業所管する大臣は、計画的確な実施確保するため、承認事業主対し必要な情報及び資料の提供、計画実施に関する助言を行う者の派遣その他必要な援助を行うように努めものとする第11条1項)。厚生労働大臣及び当該業種属す事業所管する大臣は、承認事業主による計画定め労働時間設定改善促進措置円滑な実施を図るため特に必要がある認めるときは、当該承認事業主取引関係がある事業主又はその団体対し労働時間等の設定改善促進するために必要な協力要請することができる(第11条2項)。厚生労働大臣及び当該業種属す事業所管する大臣は、承認事業主対し計画実施状況について報告求めることができる(第12条1項)。 具体的には、計画円滑な実施阻害している取引上の問題例えば、短納期発注発注方法頻繁な変更等)があると認められる場合であって、特に必要がある認められる場合に、協力要請を行うものとすること。特に、労働時間設定改善促進措置取引関係に関する措置含まれている場合例えば、親企業納期適正化要請すること)であって取引先事業主協力得られないために当該措置実施効果あがってない場合又は当該措置実施阻まれているような場合には、適切な協力要請を行うよう留意すること。要請内容は、計画の内容理解主眼を置き、強制にわたることのないよう留意すること(平成18年4月1日基発第0401006号)。 計画承認後に公正取引委員会から問題がある旨の意見受理した場合又は計画適正に実施されていない疑い生じた場合等には、承認事業主対し実施計画実施状況について報告求めること。承認事業主は、実施計画実施完了した場合には「承認実施計画実施結果報告書」(様式第7号)を承認者あて提出すること(平成18年4月1日基発第0401006号)。

※この「労働時間等設定改善実施計画」の解説は、「労働時間等の設定の改善に関する特別措置法」の解説の一部です。
「労働時間等設定改善実施計画」を含む「労働時間等の設定の改善に関する特別措置法」の記事については、「労働時間等の設定の改善に関する特別措置法」の概要を参照ください。

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