労働時間等設定改善委員会
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/22 22:42 UTC 版)
「労働時間等の設定の改善に関する特別措置法」の記事における「労働時間等設定改善委員会」の解説
事業主は、事業主を代表する者及び当該事業主の雇用する労働者を代表する者を構成員とし、労働時間等の設定の改善を図るための措置その他労働時間等の設定の改善に関する事項を調査審議し、事業主に対し意見を述べることを目的とする全部の事業場を通じて一の又は事業場ごとの委員会を設置する等労働時間等の設定の改善を効果的に実施するために必要な体制の整備に努めなければならない(第6条)。 労働時間等設定改善を推進するためには、企業内において労働時間等をめぐる様々な問題について労使が日常的に話し合うとともに、話合いの成果を適切に実施するための体制を整備することが必要であることから、労働時間等設定改善のための施策等に関し労使協議を行う委員会の設置等企業内の労働時間等設定改善実施体制の整備を事業主の努力義務としたものであること(平成18年4月1日基発第0401006号)。 第6条に規定する委員会のうち事業場ごとのものであって次に掲げる要件に適合するもの(労働時間等設定改善委員会)が設置されている場合において、労働時間等設定改善委員会でその委員の5分の4以上の多数による議決により、労働基準法に定める労働時間に関する事項について決議が行われたときは、当該労働時間等設定改善委員会に係る事業場の使用者は当該決議を労使協定に代えることができる(第7条、施行規則第1~3条)。 当該委員会の委員の半数については、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の推薦に基づき指名されていること。「労働者の過半数を代表する者」(過半数代表者)は、次の各号のいずれにも該当する者とする。労働基準法第41条2号に規定する監督又は管理の地位にある者でないこと。 法に規定する推薦をする者を選出することを明らかにして実施される投票、挙手等の方法による手続により選出された者であること。 当該委員会の議事について、議事録が作成され、かつ、保存されていること。議事録の作成及び保存については、事業主は、労働時間等設定改善委員会の開催の都度その議事録を作成して、これをその開催の日(当該委員会の決議が行われた会議の議事録にあっては、当該決議に係る書面の完結の日)から起算して3年間保存しなければならない。 労働時間等設定改善委員会の委員の任期及び当該委員会の招集、定足数、議事その他当該委員会の運営について必要な事項に関する規程が定められていること。企業内の労働時間等設定改善に向けての話合いの成果をその企業の労働時間の諸制度に活かしていくことが重要であることから、一定の要件に適合する労働時間等設定改善委員会は、労使協定に代えて、その委員の5分の4以上の多数による議決により、変形労働時間制や時間外及び休日の労働等について決議を行い、実施することができることとしたものであること。また、当該労働時間等設定改善委員会については、厳格な要件を課しており適正な運営が担保されていることから、その決議について所轄労働基準監督署長への届出を免除(ただし、時間外及び休日の労働に係る決議を除く)したものであること(平成18年4月1日基発第0401006号)。 2019年(平成31年)4月の改正法施行により、衛生委員会・安全衛生委員会に労働時間等設定改善委員会の代替をさせることができる旨の規定(第7条2項)は、労働時間等の設定の改善を図るための措置についての調査審議機会をより適切に確保する観点から、廃止された(平成30年9月7日基発0907第12号/雇均発0907第2号)。なお経過措置により、旧法下で定めた決議については、2022年(令和4年)3月31日(2019年(平成31年)3月31日を含む期間を定めているものであって、その期間が2022年(令和4年)3月31日を超えないものについては、その期間の末日)までの間は、なおその効力を有する。
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