対象労働者に係る面接指導等
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 07:36 UTC 版)
「高度プロフェッショナル制度」の記事における「対象労働者に係る面接指導等」の解説
対象労働者であっても、一般の労働者と同様に労働安全衛生法による健康診断を実施しなければならないが、対象労働者には労働基準法上の「労働時間」という概念はないため、健康診断後の面接指導については一般の労働者と異なる取扱いが定められている。 事業者は、高度プロフェッショナル制度の規定により労働する労働者であって、その健康管理時間が当該労働者の健康の保持を考慮して厚生労働省令で定める時間を超えるものに対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による面接指導を行わなければならない(労働安全衛生法第66条の8の4第1項)。この規定に違反した者は、50万円以下の罰金に処せられる(労働安全衛生法第120条)。「厚生労働省令で定める時間」とは、1週間当たりの健康管理時間が40時間を超えた場合におけるその超えた時間について、1月当たり100時間とする(労働安全衛生規則第52条の7の4)。高プロ導入時に一般の労働者については面接指導の基準となる時間数が月当たりの時間外労働時間「100時間」から「80時間」に引き下げられたのに対し、高プロでは「100時間」が設定されている。また一般の労働者については労働者からの申出により面接指導を行うこととされているが、高プロでは要件に該当した場合労働者からの申出がなくても面接指導を行わなければならない。事業者は、この規定による医師の意見を勘案し、その必要があると認めるときは、当該労働者の実情を考慮して、職務内容の変更、有給休暇(労働基準法第39条の規定による有給休暇を除く。)の付与、健康管理時間が短縮されるための配慮等の措置を講ずるほか、当該医師の意見の衛生委員会若しくは安全衛生委員会又は労働時間等設定改善委員会への報告その他の適切な措置を講じなければならない(労働安全衛生法第66条の8の4第2項)。これらの労働者以外の対象労働者で健康への配慮が必要なものについては、厚生労働省令で定めるところにより、必要な措置を講ずるように努めなければならない(労働安全衛生法第66条の9)。 産業医を選任した事業者は、産業医に対し、厚生労働省令で定めるところにより、労働者の労働時間に関する情報その他の産業医が労働者の健康管理等を適切に行うために必要な情報として厚生労働省令で定めるものを提供しなければならないが(労働安全衛生法第13条4項)、この「情報」には、対象労働者について1週間当たりの健康管理時間が40時間を超えた場合におけるその超えた時間が1月当たり80時間を超えた労働者の氏名及び当該対象労働者に係る当該超えた時間に関する情報が含まれる(労働安全衛生規則第14条の2第1項)。この提供は、その超えた時間の算定を行った後、速やかに提供すること(労働安全衛生規則第14条の2第2項)。
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