労働時間の特例・適用除外
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/01 23:47 UTC 版)
「労働時間」の記事における「労働時間の特例・適用除外」の解説
第40条(労働時間及び休憩の特例) 別表第一第1号から第3号まで、第6号及び第7号に掲げる事業以外の事業で、公衆の不便を避けるために必要なものその他特殊の必要あるものについては、その必要避くべからざる限度で、第32条から第32条の5までの労働時間及び第34条の休憩に関する規定について、厚生労働省令で別段の定めをすることができる。 前項の規定による別段の定めは、この法律で定める基準に近いものであって、労働者の健康及び福祉を害しないものでなければならない。 常時10人未満の労働者を使用する事業場であって次の業種については、平成13年(2001年)3月31日までは1週間の労働時間が46時間、平成13年4月1日からは1週44時間の特例として認められている(特例事業、規則第25条の2)。これら特例であっても変形労働時間制は1箇月単位または、フレックスタイム制(清算期間が1ヶ月以内のものに限る)に限り認められる(昭和63年1月1日基発1号)。1年単位、1週間単位の変形労働時間制および清算期間が1ヶ月を超えるフレックスタイム制においては、特例事業であっても週40時間となる。 商業(別表第一第8号)卸売、小売、理美容、倉庫、駐車場・不動産管理、出版業(ただし印刷部門を除く)等 映画演劇業(別表第一第10号)映画撮影、演劇、その他興業等(ただし映画作成、ビデオ製作を除く) 保健衛生業(別表第一第13号)病院、診療所、歯科医院、保育所、老人ホーム、浴場(ただし個室浴場を除く)等 接客娯楽業(別表第一第14号)旅館、飲食店、ゴルフ場、公園遊園地等 満18歳未満の年少者については、特例事業であっても週40時間となり、変形労働時間制も適用しない(第60条、61条)。代わりに、満15歳以上(満15歳に達した日以後の最初の3月31日までの間を除く)の者については、週40時間を超えない範囲内において、1週間のうち1日の労働時間を4時間以内に短縮する場合において、他の日の労働時間を10時間まで延長することは認められる(第60条3項)。 第41条(労働時間等に関する規定の適用除外) この章、第6章及び第6章の2で定める労働時間、休憩及び休日に関する規定は、次の各号の一に該当する労働者については適用しない。別表第一第6号(林業を除く。)又は第7号に掲げる事業に従事する者 事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者 監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁の許可を受けたもの 第41条該当者については、法定労働時間を超えて労働させることができ、時間外労働・休日労働に対する割増賃金の支払義務も発生しない。また、法定の休憩や休日を与えなくても違法とならない。一方、深夜業、年次有給休暇、産前産後休業、育児時間、生理休暇の規定はこれらの者にも適用される(昭和63年3月14日基発150号)。また労働時間に係る規定が適用されないこれらの者やみなし労働時間制が適用される労働者についても、健康確保を図る必要があることから、使用者において適正な労働時間管理を行う責務がある(平成29年1月20日労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン)。
※この「労働時間の特例・適用除外」の解説は、「労働時間」の解説の一部です。
「労働時間の特例・適用除外」を含む「労働時間」の記事については、「労働時間」の概要を参照ください。
- 労働時間の特例・適用除外のページへのリンク