管理職に昇進させる
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 02:03 UTC 版)
管理監督者(「監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者」)は労働基準法に定める労働時間などの規定の適用を受けず、残業手当の支払い義務が発生しない(労働基準法第41条)。 これを悪用し、管理職を「管理監督者」とみなした上で、「名目だけの管理職」に昇進させ、月額数万円程度で固定される「管理職手当」と引き替えに、「残業手当をカット」する方法が採られることがある(固定額の「管理職手当」が「残業手当」より低く抑えられる)。しかし、職制上「管理職」とされている者全てが「管理監督者」に該当するとは限らない。 詳細は「労働時間#労働時間の特例・適用除外」を参照 コナカや日本マクドナルドなどの直営店長が起こした裁判では店長側の訴えを認め、「コナカや日本マクドナルドにおける店長は管理監督者とはいえない」との判断を下し、過去に未払いとされていた残業代の支払いを命じた(管理職かどうかの判断はしていない)。これらの訴訟では、残業手当の支払いを免れる「名ばかり管理職」という言葉が生まれ問題視されている。 日本労働弁護団が2008年2月11日に設けた「名ばかり管理職110番」では、一番下っ端の社員の肩書きが「幹部候補生」「管理職(課長および店長)候補」(いずれも管理職扱い)であった例、3,000人規模の会社で数百人の「課長」がいる例、高校を卒業し、金型工場へ入社したばかりの19歳の新人社員がいきなり「管理職」扱いにされたなどの極端な例も報告されている。彼らはいずれも「管理職」とされながら部下はおらず、また「課長」「店長」であるにもかかわらず出退勤の時間が管理されていた。
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