監視又は断続的労働に従事する者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/01 23:47 UTC 版)
「労働時間」の記事における「監視又は断続的労働に従事する者」の解説
第41条3号の規定による許可は、従事する労働の態様及び員数について、様式第14号によって、所轄労働基準監督署長より、これを受けなければならない(規則第34条)。 「監視に従事する者」とは、一定部署にあって監視を本来の業務とし、常態として身体の疲労又は精神的緊張の少ない業務に従事する者について許可される。したがって以下の者は許可されない(昭和22年9月13日発基17号、昭和63年3月14日基発150号)。 交通関係の監視、車両誘導を行う駐車場の監視等精神的緊張の高い業務 プラント等における計器類を常態として監視する業務 危険または有害な場所における業務 「断続的労働に従事する者」とは、休憩時間は少ないが手待ち時間が多い者をいう。その許可はおおむね以下のような取り扱いとなる(昭和22年9月13日発基17号、昭和23年4月5日基発535号、昭和63年3月14日基発150号)。 修繕係等通常は業務閑散であるが、事故発生に備えて待機する者は許可する。 寄宿舎の賄い人等は、その者の勤務時間を基礎として作業時間と手待ち時間折半の程度までは許可する。ただし、実労働時間の合計が8時間を超える場合は許可すべき限りではない。 鉄道踏切番等については、1日交通量10往復程度まで許可する。 その他特に危険な業務に従事する者については許可しない(具体例として、タクシー運転手(昭和23年4月5日基収1372号)、常備消防団員(昭和23年5月5日基収1540号)、高圧線の保守等危険業務従事者(昭和23年11月25日基収3998号))。 断続労働と通常の労働とが一日の中において混在し、又は日によって反復するような場合には、許可すべき限りではない(具体例として、新聞配達員(昭和23年2月24日基発356号))。 派遣労働者については、派遣先が許可を受けた場合には、当該許可に係る業務に派遣中の労働者を従事させる場合には、労働時間等の規定に基づく義務を負わない。すでに許可を受けている場合には、派遣中の労働者に関して別途に許可を受ける必要はない(昭和61年6月6日基発333号)。 修学旅行や遠足の引率・付添いの勤務は、児童生徒に対する教育的効果の達成や危険の予防ないし発生した危険に対する善後措置の施行等極めて重大な責任を負担し、心身ともに不断の緊張およびその結果としての疲労を伴うものであって、その労働の密度において決して「監視または断続的労働」に該当するような性質のものではないことが認められる(静岡市立小中学校教職員事件、最判昭和47年12月26日)。 「監視又は断続的労働に従事する」とは、必ずしもそれを本来の業務とするものに限らず、宿日直業務の如く本来の業務外において附随的に従事する場合も含む(昭和35年8月25日基収6438号)。使用者は、宿直又は日直の勤務で断続的な業務について、様式第10号によって、所轄労働基準監督署長の許可を受けた場合は、これに従事する労働者を、第32条の規定にかかわらず、使用することができる(規則第23条)。 宿日直業務の許可基準については、当直#日本の法制を参照。
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