監視使用の困難
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/15 02:10 UTC 版)
監視の使用には多くの困難が伴い、結果として監視を言語的道具としてあまり有効なものでなくする。 文法を知っている: これは満たすのが困難な条件である。なぜなら、優秀な学習者でも、教えられた、あるいは学んだ全ての文法を覚えてはいられないし、覚えていてもいつでも正しく適用出来るわけではない。全ての文法が文章に書かれているわけでもなく、教えられるわけではない。 監視使用に要する時間: 監視使用には負荷がある。話者は、結果として話の内容より形式に注力してしまい、少ない情報を交換しかできなくなる。一部の話者は過度の監視を行なって話が聞きづらいほど、会話速度が遅くなってしまう。 文法は言語能力のほんの一部でしかない: 習得は言語能力の全てを提供するわけではない。文法の一部、句点、綴りなどで、熟練した母語話者でも習得できていないものもある。 文法は言語の重要な要素であるが、高い能力を要求されるのは書く時のみであるので、言語能力全体からみると小さい部分である。 これらの困難のため、クラッシェンは監視を使用するのは意思疎通と干渉しないような状況、例えば文章を書く時に限定するべきと推奨する。
※この「監視使用の困難」の解説は、「インプット仮説」の解説の一部です。
「監視使用の困難」を含む「インプット仮説」の記事については、「インプット仮説」の概要を参照ください。
- 監視使用の困難のページへのリンク