計画の策定とは? わかりやすく解説

計画の策定

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 08:03 UTC 版)

治水」の記事における「計画の策定」の解説

治水計画おおまかに次のような手順策定されていく。 治水計画策定はまず、計画基準点選定することから始まる。選定当たっては、防御対象となるべき地域主要な水理観測地点などが考慮される日本における治水計画規模長期目標 大都市部の河川150 - 200年1度 大河川(都市農村部):100 - 150年1度 中小河川都市部):50 - 100年1度 中小河川農村部):10 - 50年1度 小河川農村部):10年1度以下 次いで治水計画規模決定する。すなわち、年超過確率元にして洪水確率=N年に1度洪水発生するか、を算出した上で、その河川重要度防御すべき地域重要度過去の水害状況、他河川との均衡などを勘案して、どの規模治水計画策定する決定する。#治水対策の3方針前述したとおり、世界大河川では500年から数千年・1万年1度規模治水計画策定されており、その多く計画目標達成している。一方洪水発生しやすい日本では治水計画規模数十年に1度レベルであることが多く計画目標達成率60%前後とどまっている。 次に計画降雨決定する。これは、計画策定の元となる計画降雨量計画ハイエトグラフ群を設定するのである方法としては、実際降雨量などを統計的に処理し、どの規模降雨がどの頻度発生するかをモデル化する。その上で例えば1/50(50年1度規模降雨耐えうる治水計画立てよう考えた場合仮定すると、降雨モデルから1/50規模降雨量ハイエトグラフ単位時間当たりの降雨量グラフ化したもの)を算定し、それによって導出されるの計画降雨量計画ハイエトグラフ群である。計画降雨このように求められる。 その次に計画高水決定する。これは、計画降雨があったと仮定した場合計画高水算出し決定するのである計画高水は、計画ハイドログラフ計画ピーク流量により表されるハイドログラフとはある基準点における洪水流量時間軸グラフ化したもので、複数基準点ハイドログラフ用いると、時間経過ごとの洪水流量推移を見ることができる。また、ハイドログラフ上で示される最大流量ピーク流量である。計画ハイドログラフ計画ピーク流量は、モデル化された計画降雨元に行われる洪水流出解析によって導出される。こうして計画高水決定される計画高水決定すれば、その流量について、どのような方法でどれだけの量を洪水調整するかが検討される具体的な洪水調整方法としては、ダム遊水池調整地の建設氾濫原の復元などがあるが、各施設位置容量設定し洪水流出解析モデル組み込ませた上で洪水調整量が算定される計画高水流量算出する合理式 Q = (1/3.6)・f・r・A Q:計画流量(m3/s) f:流出係数 r:洪水到達時間内の平均降雨強度(mm/h) A:流域面積km2) ※流出係数には次の数値用いられることが多い。密集市街地0.9、一般市街地0.8、山地0.7、水田0.7、原野0.6計画高水から洪水調整量を除いた流量が、治水計画上、河道配分され洪水流量となる。既存河道洪水流量を十分流下させうる場合問題ないが、十分な流量処理ができない場合放水路建設する必要が生じる。計画高水流量次の式で決定される計画高水流量 = 計画高水計画ピーク流量) - 洪水調節量 - 放水路流量 この式のほか、合理式と呼ばれる式もある。合理式は、流域面積小さく洪水調整施設ダム等)もない河川計画高水流量決定する際に適用されることが多い。 計画高水流量基づいて計画高水水位決定される。これは、治水計画上の河川洪水時水位である。一般に河川堤防の高さは計画高水水位よりも高く(約2.5m - 3m設定されている。 治水計画は、以上の過程段階的に積み重ねられ必要に応じて前段階戻って再検討加えられるなどのフィードバックも経ながら策定される。また、上流から下流まで水系一貫した治水計画であることも重要である。日本のように洪水流に多量土砂含まれる地域では、上流域における砂防対策をも治水計画視野に入れる必要がある1980年代1990年代頃から、治水計画策定支援することを目的として、流域内の水理水文視覚的に表すモデル研究され発展遂げてきた。中でもデンマーク水理研究所DHI)が開発したMIKEシリーズというモデル群は、そのインターフェイス簡明性と易操作性から世界各地広く採用され世界標準となりつつある。

※この「計画の策定」の解説は、「治水」の解説の一部です。
「計画の策定」を含む「治水」の記事については、「治水」の概要を参照ください。

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