全国ニュース番組
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JNN排他協定はあくまでも加盟全局が同時に放送する全国ニュース番組のみに適用されるものと位置付けている。そして、適用番組は加盟全局の共同制作とされその著作権はキー局のTBSテレビではなく、ネットワーク組織としてのJNNが持つ。このため、適用番組ではエンドロールにTBSテレビ社員であるスタッフの氏名や「製作著作」の文字が表示されない。かつてはネットワークシンボルの「ジ〜ン」も原則として表示されず、TBSテレビ本社Nスタジオ内にあるジ〜ンのオブジェをCM前カットに写すことがあった。 詳細は「ジャパン・ニュース・ネットワーク#TBSネットワークとJNN」および「ジ〜ン#JNN排他協定との兼ね合い」を参照 ただし、『報道特集』は例外的にTBSテレビ製作著作、TBSテレビ以外の加盟局が制作協力になっており、スタッフロールも放送される。『JNN報道特集』の時代には、この体制が毎日放送報道局と東京放送報道局の間の軋轢の原因になったことがある。 加盟局のうち1局でも放送しない局もしくは番組内に設けられたローカル枠を行使する局 がある場合や、TBSテレビまたは毎日放送発で系列外局へのネットがある番組の途中に報道特別番組を割り込ませる時は、「JNN」の冠を使用してはならないことになっている。例として『THE TIME,』では第2部の途中から東北放送に限り、ローカル枠を行使し、自社差し替えを行う ため、第1部のニュースコーナーのみに拘束がかけられている。 詳細は「ウォッチン!みやぎ#歴史」を参照 特に報道特別番組では、協定適用で全国同時放送されるものを「J特」、そうでないものを「報特」と通称しはっきりと区別している。 詳細は「JNN#JNN協定」および「報道特別番組#民放テレビ」を参照 2009年(平成21年)4月から2010年(平成22年)3月までは、18:45 - 19:50が『総力報道!THE NEWS・第2部』(2009年9月まで。同年10月以降は18:40 - 19:50に変更の上、同番組の全体)として拘束されたが、この時間帯に含まれる19時台にローカル野球中継を放送している中部日本放送(中日ドラゴンズ戦)・毎日放送(阪神タイガース戦)・中国放送(広島東洋カープ戦)等が猛反発した。特に中部日本放送は『THE NEWS』全体を適用除外とするよう求めて最後まで抵抗した末19時30分での終了ができるようになったが、枠全体の差し替え・返上は認められなかった。中部日本放送では『THE NEWS』最終回当日の2010年3月26日、『ザ・プロ野球 燃えよドラゴンズ』で放送した開幕戦の対広島戦を、東海3県ローカルで19:30から中継したが、試合の中日唯一の得点シーンが『THE NEWS』の放送中に重なったため、地上波放送ではこの様子を生中継できなかった。2010年4月以降の『Nスタ』では『総力報道!THE NEWS』開始以前の19:00終了に戻り、協定適用時間も短縮されている。 詳細は「総力報道!THE NEWS#プロ野球中継時」および「S☆1 BASEBALL#CBCテレビ(中日ドラゴンズ戦)」を参照 「CBCテレビ#ドラゴンズ戦中継」および「Nスタ#ネット局」も参照 また、『NEWS23シリーズ』第1期となる『筑紫哲也 NEWS23』のうち、1989年10月の放送開始〜1997年9月までの毎日と、1997年10月以後の金曜、及び2004年10月〜2008年3月までの月曜、及び筑紫哲也がメインを事実上降板した2008年4月以後の『NEWS23』(第2期)のうち同9月までの月曜と、2009年3月までの金曜、並びに2016年4月以後の『NEWS23』(第3期)のうち2017年3月までの月-木曜日は、『NEWS23』シリーズ開始前に放送されていたワイドショー『情報デスクToday』からの名残りで、番組を2部構成としており、第1部の全国ニュース・スポーツニュースコーナーを排他協定対象の全国ネット義務番組、第2部の情報コーナーのパートについては、排他協定対象外の任意ネット(ローカルセールス)としている。 なお、緊急時に、系列外同時ネット番組への他系列ニュースの入中が発生する等止むを得ない場合は、他系列のニュースを放送した例もある他、台風などの災害報道では他系列番組(テレビ朝日『モーニングショー(第1期)』等)にネット受けしていたTBS系列局が中継で入中した例もある。 実例として、2013年1月14日、宮崎放送がネット(共同制作機構にも参加)予定だった第91回全国高等学校サッカー選手権大会・決勝戦(日本テレビ幹事・民間放送43社共同制作)が大雪のため中止となり、同時ネット予定だった局には宮崎放送や独立放送局を含め、日本テレビから番組名の変更を加えず、同番組内における緊急報道特別番組相当の内容も「NNN」の冠を外した上で配信されている。 またJNN発足当時は5大都市以外の地方局が1局しかない地域が多数あったため、JNNに加盟していない秋田放送、南海放送、高知放送 については排他協定の例外処置として番組販売参加(原則として番組のネット受けだけで、取材は近接地域の基幹局・系列局の地域駐在記者が行うが、緊急時には特例で取材協力に参加)として放送したことがあるほか、青森テレビも開局当初は正式にはNETテレビ(現:テレビ朝日)系列の単独加盟だったものの、系列局並みのネット保障を受けるだけにとどまらず、特例で恒常的な取材・配信への参加が認められたことがあった(後述)。 「青森テレビ#テレビネットワークの移り変わり」および「南海放送#TBSテレビとの関係」も参照 スポーツニュースに関しては、取材体制などの都合もあり、全国高等学校ラグビーフットボール大会の毎日放送制作の中継映像を出場校の地元の独立放送局のニュースにも配信したり(JNN・JAITS・一部NNS共同制作体制解消後はJ SPORTSの映像を使用する場合あり)、世界陸上競技選手権大会ではホスト局のTBSテレビが他系列局およびNHKにもニュース素材として中継映像を配信(逆にテレビ朝日や日本テレビがホスト局の場合はTBSテレビが提供を受けた)、主にテレビ朝日系列局が無い地域でのJNN加盟局が制作した全国高等学校野球選手権地方大会の試合や取材映像を朝日放送テレビ並びに朝日新聞社が制作・運営している『速報!甲子園への道』や『バーチャル高校野球』に配信するなどの例外措置が行われることがあった。また、厳密にはJNN番組ではないが、TBSテレビの関東ローカルニュース番組『テレポートTBS6』ではテレビ埼玉から全国高等学校野球選手権埼玉大会の映像提供を受け、映像協力としてテレビ埼玉のクレジットが表示されたことがあった。 『サンデーモーニング』では、報道を扱い、かつ報道局も制作に関与している番組である関係上、JNN排他協定の対象となっている。本来の時間帯にローカルで長時間のマラソン中継特別番組 などに差し替える場合は、協定が適用される番組のため、必ず同日の午後以降に遅れネットが実施される。これは、この番組がニュース番組を間に挟んでいないことから、この措置が可能だからである。 過去にJNN各局配信の全国ニュースを扱うスポットニュースを、JNN排他協定対象外の任意ネット番組扱いとした場合は、番組名に「JNN」を含まないTBS制作の関東ローカル番組扱いとして(『TBSニュース』『2時のニュース』など)、系列局側での番組名の改題を可能としていた(例:『BSNニュース』など)。 WOWOWには開局当初、日本テレビ・フジテレビ・テレビ朝日・テレビ東京との持ち回りで、昼の『JNNニュース』をネットしていた。これは運営会社に民放キー局各局が共同出資したためである。
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