入れ替わり演出とは? わかりやすく解説

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入れ替わり演出

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/31 03:30 UTC 版)

転校生 (映画)」の記事における「入れ替わり演出」の解説

少年と少女入れ替わるという設定は「とりかへばや物語」やサトウハチローの「あべこべ玉」、『へんしん!ポンポコ玉』など以前からあるが、本作以降設定を持つ作品『転校生』例えとして語られることが多い。これ以降映画は勿論、NHK民放テレビドラマVシネマに至るまで、『転校生』要素いいとこ取りしながら何度も繰り返し映像化なされた。また劇化されて舞台にもなり、漫画化もされ、韓国でも映画化もされた。「大林韓国でも有名」とクァク・ジェヨン話していたという。2007年TBSドラマパパとムスメの7日間』は、"平成版転校生"ともいわれ、劇中パパムスメ『転校生』参考神社階段から転げ落ちて入れ替わり元に戻そうとして失敗パパ役の舘ひろしが「映画では上手くいったのに」と話すシーンがある。『パパとムスメの7日間』の原作者五十嵐貴久は、同作『転校生』から大きな影響受けたことを話しており、「最も参考にした。『転校生』入れ替わりモノバイブル的な映画。ちょっと勝てない」などと話している。2014年NHKドラマさよなら私』は、"熟女版「転校生」""不倫ドラマ版「転校生」"などといわれ、神社階段から転げ落ちて主人公二人入れ替わるというシチュエーション使われ本作ラストセリフがドラマタイトルになっており、他に尾美としのり出演するなど『転校生』へのオマージュ感じさせる山中恒原作おれがあいつであいつがおれで』では「さよなら、あたし」という台詞使われておらず、また入れ替わりシチュエーションも、男の子脅かしてやろうと女の子体当たりし入れ替わるという割に簡単なもので、神社階段から転げ落ちて入れ替わるというシチュエーション先の台詞『転校生』オリジナルである。2021年1月3月綾瀬はるか主演TBSドラマ天国と地獄〜サイコな2人〜でも、入れ替わりに"階段落ち"が使われたことで『転校生』がまたクローズアップされ、入れ替わり演出の歴史等考察行われた荒井清和は「階段から転がり落ちた入れ替わるというのは王道様式美みたいなもの」と論じ、『天国と地獄〜サイコな2人〜』の脚本家森下佳子は「階段から男女ふたりが転がり落ちて、入れ替わってない方が野暮でしょ」と述べている。多く人の口から入れ替わり演出といえば、まず『転校生』挙げられることから、『転校生』元祖作品といえ、入れ替わる切っ掛けに"階段落ち"が採用される作品は、『転校生』へのリスペクトといえる特筆されるのが男女の入れ替わり演出。主人公男女全編ほぼ入れ替わりそれぞれの俳優入れ替わる側の人格演じさせた。こうした演出法は『転校生』以前からあったが、『映画芸術1982年4~6月号(No341)のクリエーター映画評論家対談で以下のような記述見られることから、『転校生』以前映像作品認識されていないものと考えられる。『映画芸術1982年4~6月号で、小川徹相米慎二かわなかのぶひろ池田敏春飯島哲夫参加して「映評座談会 日本映画裁断各個撃破せよ!」と題され辛口映画評論が行われた。この中で『転校生』批評タイトルは「原点に立ちもどり利いたワン・アイデア」で、座談会では、小川徹初めから驚いた男と女取りかえアイデア最後までうまくダマせるか、成立するかと、途中で配したよ。これは男なのか女なのか、途中で分からなくなりました」、飯島哲夫結局あのワンアイデアで、どこまで引っ張っていけるか」、小川「ワンアイデアっていうか二人だけシーン持ってるわけだから、他だったら何かいろいろ事件起こさなきゃいけないところを二人だけシーン颯爽と突っ切ってる」、相米慎二「そっち(他を)を切っちゃったことがいいんですよね」、かわなかのぶひろ「もともと男と女入れかわるなんて話を映画描いたチャチなりますよね、これが出来たのは役者の力じゃないですかね。俳優役作りがよくできているからあの荒唐無稽な話がリリカルな話に仕上がっている」などの批評なされた。この男女の入れ替わり演出を"ワン・アイデア"と表現されているのは、この座談会参加した錚々たる映像作家映画評論家が、この演出法を初め見た驚き意味するものと見られる今日俳優入れ替わった人格演じることに見慣れているため違和感を持つ人もいないが、『転校生』初めて観た人は「途中でどちらか分からなくなった」「ワンアイデア」といった感想持ったのである。 "男女入れ替わり"の演出法は当時前例もないため、本作制作過程では、ぬいぐるみ着せるか、声だけ吹き替えるかなど、今日では考えもしない驚き意見が色々出されたという。尾美としのり父親役で出演した佐藤允は、大林から「男と女入れ替わる映画です」と言われたため、「それは特撮でやるんですか」と聞いた話している。大林前作『ねらわれた学園』続きSFX駆使して女装させた尾美に特殊メイクニセ乳房をつけさせようとした。「でなきゃ、男の子と女の子入れ替わりません。演じ俳優さんが入れ替わるったって、役柄取り替えただけ。画面映ってるのは同じ男の子と女の子であることに変わらない。これじゃ面白わけがない映画とは画面に映っちゃう分、不便なものです。受け手想像力頼り得ない。これは映画化不可能な原作ではないか」と大林思っていたという。山中からも「こんなものを映画化しようなんて考える奴はバカと言われた。しかし「不可能なことを実現すれば映画新発見になる」と挑んだ。尾美が女装頑なに抵抗したことと、小林女優魂見せて脱ぐのを承諾したことで、この形が"入れ替わり"演出スタンダードとなったという見方もある。小林と尾美、二人演技力なくして語り継がれる映画になることはなかった。当時はまだ男性男らしく女性おしとやか、というのが当たり前の時代だったので、メソメソする尾美をがさつな小林叱咤する、そんな男女逆転ぶりの面白さ映画にはあった。 後述エピソード節の話と被るが1981年末、1982年始め映画誌に以下の記事載りテレビ局主導映画製作普通になった今日では考えられないような記述を含む。「日本テレビNTV)が映画会社提携して本格的に映画製作進出することになり、(1981年)11月19日赤坂プリンスホテルNTVスポーツ教養局長後藤達彦、セントラルアーツ黒澤満社長多賀英典キティ・フィルム社長ATG佐々木史朗社長らが出席して記者会見が行われた。後藤より、日本テレビはかつて『映画ベルサイユのばら』や『象物語』で製作に参加したことがあるが、今回は、単発ではなく継続して映画製作するという発表です。日本映画界で、若い力育てているセントラルアーツキティATGの3社と、テレビで作れないものを作っていきたいテレビという大資本ヅカヅカ映画界入り込むではなく低予算のものを作り、儲かれば配給収入を少し分けていただこうという考えです。製作費は40001億円ぐらいを出資し、3社の作品年間各1本製作を予定してます。またメジャー映画会社との提携も行う予定です」等の説明があった。テレビ局映画製作となれば、当然テレビ放映前提となり、当時映画公開からテレビ放映の期間がデリケートな問題だったため、報道陣からこれに関する質問出たが、「ある程度間隔置いて」という回答に留まった。既に第1回作品として製作費8000万円『転校生』完成させており、その全額に近い資金日本テレビ負担していると説明があった。引き続き大林宣彦尾美としのり小林聡美列席し『転校生』作品説明が行われ、入れ替わり物が重要なコンテンツとなっている今日では言わないような「『転校生』少年と少女のからだが入れ替ってしまうという奇想天外な物語相手の性を自分のものとして理解してこうとする初恋純愛物語である」との説明があった。大林本作を「自分のための原作だった」と熱い思い入れ独演会行った『転校生』に続く第二弾は村上龍原作相米慎二監督企画キティ・フィルムから提出されていたが、日本テレビ難色示し代わりに赤川次郎小説映画化される予定で、目下田中陽造シナリオ執筆中と説明があった。 今上天皇はこの作品を自らの好きな映画作品挙げ「ですから《転校生》のヴィデオ見始めると、ついつい徹夜して寝不足になって了います」と大林語ったことがある2012年12月アメリカ・ニューヨーク近代美術館MoMA)で開催され日本映画特集アートシアターギルド日本アンダーグラウンド映画 19601984年」に大林招かれ本作を含む大林作品オープニング上映され

※この「入れ替わり演出」の解説は、「転校生 (映画)」の解説の一部です。
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