元号の発表
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 04:16 UTC 版)
2019年(平成31年)4月1日、総理官邸にて「元号に関する懇談会」を午前9時30分から開催し、参加した有識者たち一人ひとりに意見を聴取した。10時8分に懇談会は約40分で終了した。参加した有識者は、以下のとおりである。 「元号に関する懇談会」に出席した有識者氏名肩書(当時)広域への影響力所属上田良一 アジア太平洋放送連合会長 第22代(2017年 - 2020年)NHK(日本放送協会)会長 大久保好男 日本民間放送連盟会長 日本テレビ放送網代表取締役社長 鎌田薫 日本私立大学連盟会長 第16代(2010年 - 2018年)早稲田大学総長 榊原定征 日本経済団体連合会名誉会長 東レ相談役 白石興二郎 日本新聞協会会長 読売新聞グループ本社会長 寺田逸郎 第18代(2014年 - 2018年)最高裁判所長官 法曹 林真理子 第94回(1985年下半期)直木賞受賞者 小説家 宮崎緑 東京都教育委員 千葉商科大学国際教養学部教授兼学部長 山中伸弥 2012年ノーベル生理学・医学賞受賞者 京都大学iPS細胞研究所所長 懇談会開催にあたっては、機密保持のため、官邸内の盗聴対策はもちろん、官邸に入る際に所持品検査を行い、携帯電話などの情報機器を持ち込ませず、トイレに行く際は職員を随行させ、トイレには電波妨害装置も取り付けるなどの徹底した対策を行っている。 10時20分頃から衆議院議長公邸にて、衆議院正副議長(大島理森・赤松広隆)と参議院正副議長(伊達忠一・郡司彰)から意見を聴取。総理大臣官邸にて11時ごろから11時15分にかけて第4次安倍第1次改造内閣の全閣僚会議が開催され、臨時閣議を経て、新元号の閣議決定となった。閣議決定後に山本信一郎宮内庁長官は皇居・御所にいる天皇明仁の元へ、西村泰彦宮内庁次長は東宮御所の皇太子徳仁親王の元へそれぞれ赴き、新元号決定に関する報告を行った。 11時41分、当時の内閣官房長官菅義偉(第4次安倍第1次改造内閣)が記者会見で新元号を発表した。会見の模様は後の首相による会見も含め、NHK(日本放送協会)をはじめとする全テレビ・ラジオ局にて生中継された他、Twitter・Facebook・Instagram・YouTube Liveの官邸公式アカウントとニコニコ生放送(ニコニコニュース)にてライブストリーミング配信も行われた。 先程、閣議で元号を改める政令及び元号の呼び方に関する内閣告示が閣議決定をされました。新しい元号は、『.mw-parser-output ruby.large{font-size:250%}.mw-parser-output ruby.large>rt,.mw-parser-output ruby.large>rtc{font-size:.3em}.mw-parser-output ruby>rt,.mw-parser-output ruby>rtc{font-feature-settings:"ruby"1}.mw-parser-output ruby.yomigana>rt{font-feature-settings:"ruby"0}令和(れいわ)』で、あります。 — 内閣官房長官(当時) 菅義偉 と言い、新元号「令和」を墨書した台紙(茂住修身書)を示すことにより、発表を行った。ここまでの改元の手続きや新元号の発表は全て、平成改元時を踏襲したものとなった。 同日12時05分、当時の首相安倍晋三(第4次安倍第1次改造内閣)が記者会見を行い、内閣総理大臣談話を発表した。その中で、安倍首相は「『人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ』という意味を込めた」と説明した。首相自ら発信する機会が増大した事を踏まえ、平成改元時と違い、改元に関する首相談話の発表は首相自ら行った。なお、昭和から平成への改元時は、新元号(改元)についてというよりも、改元の理由となった「昭和天皇の崩御と皇太子明仁親王の新天皇即位(皇位継承)」について、1989年(昭和64年)1月7日に当時の竹下登首相が「大行天皇崩御に際しての竹下内閣総理大臣の謹話」を発表したという点で異なる(平成元年が開始したのは、翌1月8日から)。 同日、「元号を改める政令(平成31年政令第143号)」が天皇 の允裁を受けたあと、「官報特別号外第9号」によって公布され、2019年(令和元年)5月1日施行と定められた。あわせて、読み方は「れいわ」である旨を定めた内閣告示「元号の読み方に関する内閣告示」(平成31年内閣告示第1号)が公布された。 また、英語(ローマ字)表記では「Reiwa」となる旨が、日本が国家承認している195か国の各国政府および国際機関、日本の対台湾窓口機関・日本台湾交流協会を通じて、台湾(中華民国)における事実上(英語版)の駐日大使館に相当する台北駐日経済文化代表処に通知された。 発表直後から、各国報道陣は速報でこの新元号を独自の訳に言い換えて報道した。しかし、各報道陣独自の訳とあって統一性に欠けることや、間違ってかけ離れた意味で訳され誤認につながる可能性を踏まえ、外務省は各国在外公館に対し「令和」は「Beautiful Harmony(美しい調和)」との英訳で統一する方針を定め、各国在外公館にこの方針に沿い対外的に説明するよう指示した。 中国思想史が専門の小島毅(東京大学教授)によれば、「当時の言葉遣いから大伴旅人は呉音で読むことを想定したのではないかとし、『令』の発音は漢音の『れい』ではなく呉音の『りょう』、ローマ字表記もより実際の発音に近い『Leiwa』が適しているのではないか」という意見を表明している。
※この「元号の発表」の解説は、「令和」の解説の一部です。
「元号の発表」を含む「令和」の記事については、「令和」の概要を参照ください。
- 元号の発表のページへのリンク