アジア太平洋放送連合とは? わかりやすく解説

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アジア太平洋放送連合

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/07 13:38 UTC 版)

アジア太平洋放送連合
ABUロゴ
設立 1964
種類 放送局連合
本部  マレーシアクアラルンプール
会員数
200 members
公用語 英語
会長 正籬聡
ウェブサイト http://www.abu.org.my/
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アジア太平洋放送連合(アジアたいへいようほうそうれんごう、英語: Asia-Pacific Broadcasting Union, ABU)とは、アジア太平洋地域の放送局、および放送関連団体の連合体である。マレーシアクアラルンプールに本部を置いている。

世界放送連合(World Broadcasting Unions、WBU)の構成員である[1]

歴史

1964年7月1日アジア放送連合の名称で発足[2]。発足に当たっては1957年日本放送協会(NHK)の呼びかけで始めたアジア放送会議が基となり、5回の会議を経て連合の発足に至った[3]。初代会長には発足当時のNHK会長の前田義徳が就いた[4]1977年1月1日に太平洋地域の国々の意向もあり、アジア太平洋放送連合に名称を改称した[5][3]
ABUの本部は開設以来日本東京に置かれていた。しかし、事務総長は1980年にNHK出身者が就任するまでは出身放送事業者の母国で執務を行っていたため、本部機能が事実上数カ所に分かれる形となっていた[6]。そこで、1984年1月にマレーシア政府の誘致もあって本部をクアラルンプールに移転することになった。これに伴いNHKとともにマレーシア国営放送も常任理事機関となった[7][6]

主要な業務

  • ニュース素材の相互提供(アジアビジョン)
  • 番組の共同制作
  • スポーツ中継の放映権調整
  • 放送技術、番組制作などの技術交換

会長(2021年)

会員

2024年12月3日時点で65か国・230団体が加盟し[10]、種別[11]ごとの会員数は下記のとおりである。

  • Full Members(正会員): 52
  • Additional Full Members(準正会員): 63
  • Associate Members(準会員): 37
  • Affiliate Members(賛助会員): 70
  • Institutional Members(機関会員): 8

Full Members(正会員)

正会員は発足時は1か国につき1放送事業者となっていたが、インドパキスタンなどテレビとラジオが別の放送機関となっている国からの要望もあり、1982年のABU総会で1か国につき2放送事業者まで認められるようになった[12]

  • ABUウェブサイトに掲載された2024年12月3日時点の会員一覧[10]を出典とし、記載順も同サイトに合わせた。
  • 放送事業者名の日本語表記は主に総務省(日本)ウェブサイト[13]、NHKの刊行物[14][15]を参照・採用した。確認できない場合は直訳または片仮名表記を試み、一部はABUウェブサイト上の英語表記を併記または単独記載した。またウィキペディア日本語版の該当項目が存在しない場合は現地語版と英語版の該当項目を可能な限り併記した。
国名 放送事業者 略称
アフガニスタン アフガニスタン国営放送パシュトー語版英語版 RTA
オーストラリア オーストラリア放送協会 ABC
バングラデシュ バングラデシュ国営放送ベンガル語版英語版 BB
バングラデシュ・テレビジョンベンガル語版英語版 BTV
ブータン ブータン放送協会 BBS
ブルネイ ラジオ・テレビジョン・ブルネイマレー語版英語版 RTB
カンボジア カンボジア国営テレビクメール語版英語版 TVK
中国 中央広播電視総台 CMG
国家ラジオテレビ総局中国語版英語版 RTPRC/NRTA
 エジプト 国民メディア機構アラビア語版英語版 NMA/ERTU
フィジー フィジー・テレビジョン英語版 FTV
インド プラサール・バラティヒンディー語版英語版 PB
インドネシア ラジオ・レプブリク・インドネシアインドネシア語版英語版 RRI
テレビシ・レプブリク・インドネシア TVRI
イラン イラン・イスラム共和国放送 IRIB
日本 日本放送協会 NHK
TBSテレビ TBS
ヨルダン ヨルダン国営放送英語版 JRTV
カザフスタン ハバルカザフ語版英語版 KA
The Republican State Enterprise with the Right of Economic Management “TV & Radio Complex of the President of the Republic of Kazakhstan” of the Office of the President of the Republic of Kazakhstan(カザフスタン共和国大統領府テレビラジオ・コンプレックス) TRC
キリバス Broadcasting & Publications Authority(キリバス放送出版機構) BPA
韓国 韓国放送公社 KBS
文化放送 MBC
キルギス キルギス共和国公共テレビ・ラジオ放送協会キルギス語版英語版 UTRK/KTPK
ラオス ラオス国営ラジオ LNR
ラオス国営テレビ LNTV
マレーシア マレーシア国営放送 RTM
モルディブ 公共サービスメディア英語版 PSM
モンゴル モンゴル国営放送 MNB
TV5モンゴルモンゴル語版英語版 TV5
ミャンマー ミャンマー・ラジオ・テレビ局ビルマ語版英語版 MRTV
ネパール ネパール・テレビジョンネパール語版英語版 NTV
ラジオ・ネパールネパール語版英語版 RNE
パキスタン パキスタン放送協会 PBC
パキスタン・テレビ放送ウルドゥー語版英語版 PTV
パプアニューギニア Media Niugini Limited(メディア・ニューギニ・リミテッド) MNL
パプアニューギニア国営放送公社英語版 NBC
フィリピン ピープルズ・テレビジョン・ネットワーク英語版 PTNI/PTV
カタール カタール・メディア公社アラビア語版英語版 QMC
サモア サモア放送英語版 SBC
サウジアラビア サウジ放送機構アラビア語版英語版 SBA
シンガポール メディアコープ Mediacorp
スリランカ スリランカテレビ放送協会シンハラ語版タミル語版英語版 SLRC
タイ タイ国営放送局タイ語版英語版 NBT
テレビジョン・プール・オブ・タイランドタイ語版英語版 TPT
トンガ トンガ放送委員会英語版 TBC
トルコ トルコ国営放送 TRT
トルクメニスタン State Committee of Turkmenistan for Television, Radio Broadcasting and Cinematography(トルクメニスタン・テレビ・ラジオ報道・映画国家委員会) TVTM
ウズベキスタン ウズベキスタン国営テレビラジオ会社ウズベク語版英語版 MTRK
バヌアツ Vanuatu Broadcasting and Television Corporation(バヌアツ放送テレビ公社) VBTC
 ベトナム ベトナムの声放送局 VOV
ベトナム国営放送 VTV

日本の準会員

日本の賛助会員

脚注

  1. ^ [1]
  2. ^ 日本放送協会 編『NHK年鑑'65』日本放送出版協会、1965年、24,32頁。 
  3. ^ a b 日本放送協会放送文化調査研究所放送情報調査部『NHK年鑑'85』日本放送出版協会、1985年、41頁。 
  4. ^ a b 日本放送協会 編『NHK年鑑'65』日本放送出版協会、1965年、24頁。 
  5. ^ 日本放送協会総合放送文化研究所放送史編修室『NHK年鑑'77』日本放送出版協会、1977年、15,63頁。 
  6. ^ a b 日本放送協会放送文化調査研究所放送情報調査部『NHK年鑑'85』日本放送出版協会、1985年、42頁。 
  7. ^ 日本放送協会放送文化調査研究所放送情報調査部『NHK年鑑'84』日本放送出版協会、1984年、364頁。 
  8. ^ ABU新会長にNHKの正籬副会長が選出”. Pars Today (2021年11月25日). 2021年11月26日閲覧。
  9. ^ 日本放送協会総合放送文化研究所放送史編修室『NHK年鑑'74』日本放送出版協会、1974年、71頁。 
  10. ^ a b ABU Members – ABU”. Asia-Pacific Broadcasting Union. 2025年4月6日閲覧。
  11. ^ 吉村寿郎「ABUアシガバート総会からの報告 ~デジタル時代の「多様化」に放送はどう向き合うか~」『放送研究と調査 2019年1月号』第69巻、第1号、70–76頁、2019年https://www.nhk.or.jp/bunken/research/oversea/pdf/20190101_5.pdf 
  12. ^ 日本放送協会総合放送文化研究所放送史編修部『NHK年鑑'83』日本放送出版協会、1983年、367頁。 
  13. ^ 国別に見る | 世界情報通信事情”. 総務省. 2025年4月6日閲覧。
  14. ^ NHK放送文化研究所 編『NHKデータブック 世界の放送2020』NHK出版、2020年2月20日。ISBN 978-4-14-007270-7 
  15. ^ NHK放送文化研究所 編「外国放送機関との協力協定・協力覚書・ニュース素材交換覚書(2024年3月末現在)」『NHK年鑑2024』NHK出版、2024年10月30日、404-405頁。 ISBN 978-4-14-007284-4https://www.nhk.or.jp/bunken/book/nenkan/2024/pdf/24_404-405.pdf 

関連項目

外部リンク




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