所持品検査
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 02:46 UTC 版)
職務質問に際して、対象者の携行品を取り出して調べたり、中身を検査したり、身につけている衣服等の検査をすることが一般的に行われている。このことを所持品検査と呼んでいる。所持品検査を行うことが主目的で職務質問を行っているとさえ言われているが、所持品検査を明確に定めた法律は存在しない。 それにもかかわらず、衣服や携帯品の上から手で触る程度の手段は対象者の承諾なしに実施できるという解釈が一般的に通用している。また、職務質問に付随する活動として、所持品検査を実施することが、判例上認められている。 例えば、米子銀行強盗事件で最高裁は所持品検査を、職務質問の付随行為だと位置付け、必要性、緊急性、相当性が認められれば、対象者の合意は不要であると判示している (最高裁第3小法廷判決、昭和53年6月20日、刑集32巻4号670頁)。一方で、一般的基準として同じものを用いながら、違法とした判例も存在する (最高裁第1小法廷判決、昭和53年9月7日、刑集32巻6号1672頁)。 その他の例では、施錠されていないバッグのファスナーを開けて中身を一瞥する行為を適法とした判例がある。その一方で、対象者の上着のポケットに手を入れて行う所持品検査、自動車を停止させて車内を細かく調べる検査、被疑者が逃げたので取り押さえて靴下の中にある覚せい剤を取り出した行為を違法と判断した判例が存在する。このように、任意手段の限度を超えた所持品検査の適法・違法の判断は判例によって異なっている。
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