五右衛門一派
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/27 08:37 UTC 版)
石川五右衛門(いしかわ ごえもん) 本作の主人公。年齢16歳。疼く手を持つ男。見たものや感じたものが宝であると、両手が疼く(作中の表現では「両の腕・両の手」)。 意地っ張りでわがまま、小悪党の大盗賊で、風を身に纏うように人の上を飛び回り、刀をかわす身体能力の持ち主。人間離れした必殺技も持っていて、未体験の単車やモーターボートをもあっさりと駆ることができた。負けず嫌いの側面もあり、負けた相手が子供(かぐや)であろうと苛立つ。 金髪にピアス、手にはブレスレット、首に大きな数珠のような飾り、南蛮を思わせるベストにブーツ、ズボンは履いておらず、腰から腿にかけて包帯のようなものを巻いていて、頭(髪)の中に様々な道具を隠し持っている。基本的に年齢や性別に関係無く呼び捨て・略称で呼び、よく唄を口ずさんでいる。 「豪快な盗術・風の如き剣技」が巷で噂になっている盗賊で“正義”ではないものの、非人間的な者に対しては牙を剥き出しにすることがあり、その場合はお宝よりも道徳が優先される節があるが、自ら「小悪党の大盗賊」と名乗るほどで、盗賊(悪党)である。 自分のことや過去のことを語ろうとしないが、「忍び上がりの盗賊」ということは明らかになっていて(忍びとしては伊賀流)、自身の体に「風神」を宿している(「追憶編」「竜巻列旋」を参照)。 一匹狼で世間にかまわず生きてきたが、かぐやと出逢ったことで何かが変わり始めた。目標(お宝)は「かぐやを月へ帰す(そして月を盗る)」。 幼少時代(過去)については、「追憶編」を参照。 エピローグにて、五右衛門自身も現代人だったことが明かされ、現代でワープくんと再会することとなった。後述のように経験が記憶に残っていないため初対面となり、ワープくんとは同級生(桜城高校2年生)だった。 かぐや 年齢704歳。五右衛門が盗んだ「月詠みの箱」に閉じ込められていた少女で、年に一度、満月の夜に望んだ物を呼び寄せる不思議な力を持っている。 裸の状態で紐で縛られ、糞尿まみれの状態で箱に閉じ込められていて、五右衛門に盗まれたことで救出された形になった。 おかっぱ頭で裸足、容姿やしゃべり方は幼い子供で、口癖は「ぷに」「ぷ」。幼さゆえ、五右衛門を呼ぶときは「ゴィモン」となってしまう(他に、鬼ヶ島は「オぃが島」、一益(かずます)は「カズマシ」など)。 自称“704歳”ということと、“年に一度、望んだ物を呼び寄せる”ということなので、「この時代には存在しないはずの700以上のアイテムがこの時代に存在する」ということになる。が、かぐや本人は過去に何を呼んだかは覚えていない様子で、普段は元気の良い、ちょっとやんちゃな可愛らしい子供で、五右衛門とは兄妹のような雰囲気が時折見られる。そして、泳げない(泳ぎ方を知らない)。 不思議な力を持っていること以外は普通の人間なので、風邪を引いて熱を出すこともある。 かぐや(覚醒) 半月の夜に覚醒し、五右衛門に「五つの宝物を集め、かぐやを月に帰す」ことを命じた大人の姿のかぐや。幼いかぐやは覚醒したことを自覚していない様子で、五つの宝物と交わる満月の夜もこの姿を見せる。 可愛らしい雰囲気の幼いかぐやに比べて、綺麗で落ち着いた雰囲気の女性で、姿が非常に大きく裸、髪は背丈と同じくらい長く、その姿が月と重なる部分は半透明になる。尊大で口の悪いところがあり、初対面の五右衛門に対して感謝の気持ちを口にしたあと、五右衛門のことを「くされ小悪党の大盗賊」と表現した。 幼いかぐやとの関係は明らかにされなかったが、エピローグにて2人同時に登場しており、地球上では「半月の夜」にだけ人に姿を見せられる形であり、月では幼いかぐやを含め「私たちかぐや」と表現した。不思議な力 年に一度、中秋の名月の夜に望んだ物を呼び寄せる。異次元から呼び寄せることも可能。 五宝物の在処がわかる → 指を指して「あっち」。 五宝物を浄化 → 悪霊のような物を「食べる」。 人差し指で鍵を開ける → 得意気に「オホホ」と笑う。特に開けることができなかった五右衛門に対して得意気。 半月の夜 → 大人の姿に覚醒(上記)。 五つの宝物と集う時 → 更なる力を発動させる。 ワープくん / 時越速太(トキエツ ソウタ) 本作のもう1人の主人公。年齢16歳。桜城高校2年生。 かぐやが単車を呼び寄せた時に、不運にも現代から戦国時代へタイムスリップしてしまい、金太郎に「この時代にワープしてしまった」ことを伝えようとするも通じず、あだ名が「ワープくん」になってしまった。 人を思いやる優しい性格の現代人。ジャンパー、チノパン、スニーカーという格好で、常にショルダーバッグを身に付けている。五右衛門以外で唯一、単車を運転できるが、取得している免許は中免なので、実質は無免許運転になってしまう。 いわゆる“高校デビュー”の歴史や時代劇が好きな少年で、同い年の五右衛門や金太郎と違い、かぐやに励まされることもあるヘタレだが、五右衛門や金太郎と同じ次元に存在することで、徐々に人としての逞しさを覚えていく。 桜城高校(おうぎこうこう)とは、作者が過去に連載していた『ウダウダやってるヒマはねェ!』において舞台となっていた高校で、同作では東京・桜城高校となっているが、本作では不明で、ワープくんがこの時代へ来た時の場所は「浜松の辺り」ということになっている。 田中金太郎(たなか きんたろう) 年齢16歳。伝説の武人・坂田金時の末裔で、大きな木箱(箪笥)を背負い、相棒と共に先祖が残した宝を求めて旅をしている途中で五右衛門に出逢った。 五右衛門との白黒熊攻防戦では、力くらべでは勝ったものの、五右衛門の宝に対する執念と意地には負けてしまい、その執念の強さに惹かれて、半ば強引に五右衛門と共に行動することにした。 大柄でドレッドヘアを元結で束ね、巨大な鉞を使いこなす怪力で戦い慣れしているものの、見た目や性格とは裏腹に、母親を思い出すたびに号泣してしまったり、単車の二人乗りやモーターボートが苦手だったりする。豪快な性格で、動物や柑橘類、雑草や土をまとめて鍋で煮込む、五右衛門一派のコックでもある(鍋料理以外は出てこない)。怒り・感情が頂点に達すると元結が切れる。そして、泳げない。 人一倍、人情的な正義感が強い五右衛門一派の腕力担当で、伝説の武人の子孫らしく、素手での戦いでもかなり強さを誇る。 エピローグにて、最終的に目指していた「伝説の鉞」を手に入れたことが明らかになった(描写なし・週刊連載時のもので単行本未収録)。ラスト・エピソードにて、ワープくんの通う桜城高校のトップは坂田金時の末裔であるとのこと。 坂田さん(さかたさん) いわゆるパンダで、作中では「白黒熊(パンダ)」と表現され、戦国時代の人々はパンダを知らないため「熊」と呼ばれる。 金太郎が幼いころから行動を共にする金太郎の相棒で、名前の由来は「偉大なご先祖様の名前を忘れないように」とのことから。金太郎以外の人間には赤子や老婆でも懐かないはずだったが、かぐやと非常に仲が良く、白黒熊攻防戦での五右衛門の執念を感じ、五右衛門にも懐いた。 金太郎と過ごす時間が長いせいか、会話や雰囲気から空気を読み、戦いにも長けていてかぐややワープくんを護ることが多く、危険を察知し自発的に攻撃を仕掛けることもある。笹ではなく竹が好物の様子で、金太郎同様に泳げない。
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