一年戦争後期 (『機動戦士ガンダム』)
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「アムロ・レイ」の記事における「一年戦争後期 (『機動戦士ガンダム』)」の解説
ガンダムとの出会い 15〜16歳。宇宙世紀0079年9月18日、地球連邦軍の新造艦ホワイトベースを追ってジオン公国軍のムサイ級巡洋艦「ファルメル」が周辺空域に侵入、ザクIIによるコロニー内への強襲に遭遇する。彼は、避難の最中に「V作戦」の極秘ファイル(ガンダムの操縦マニュアル)を偶然入手し、アイドリング状態だったガンダムに乗り込み起動。強襲を仕掛けてきたザクIIを初陣にして2機撃破する。なお、この戦闘が歴史上初の実戦におけるモビルスーツ (MS) 同士の対戦であった。父親のテム・レイはこの戦闘で宇宙空間に放り出され行方不明となった。 その後は民間人でありつつもホワイトベースの乗組員としてガンダムに搭乗し、ホワイトベース地球降下を阻止すべく執拗につけまわすジオン軍のエースパイロットにして、以後宿命のライバルとして戦い続けることとなるシャア・アズナブルの追撃を払い除ける日々が始まる。この頃はまともにガンダムを操れたのはアムロのみであったことから、いつしか地球連邦軍の正規パイロットのように扱われるようになる。地球降下前まではアムロ本人もまんざらではなく、新しい玩具を手に入れた子供のように嬉々としてガンダムの凄さをクルーに語ったりもしていた(テレビアニメ版では、まだ当時のロボットアニメ主流の熱血主人公の片鱗が見え隠れしていた)。 戦場からの逃亡 しかし地球降下以後、「生き残る」という以外に戦う意義を見出せぬまま、アムロの精神はやがて疲弊していく。ガルマの執拗な追撃をなんとか退けたものの、自分を戦争の駒のように扱う二代目ホワイトベース艦長のブライト・ノアとは確執があり度々衝突し、唯一のアイデンティティとなっていた「ガンダムのパイロット」の地位さえ、ブライトの「リュウに任せよう」という発言から脅かされることとなる。これを偶然聞いてしまったアムロは脱走を決意し、ガンダムに乗って砂漠の大地に消えていった。この時にマ・クベの鉱山基地を単独で奇襲攻撃している。 脱走中、砂漠の町のレストランに立ち寄ったところ、偶然ジオン公国の軍人ランバ・ラルと出会う。ラルの愛人であったクラウレ・ハモンと共に大変気に入られたが、敵同士であったが故に戦場で再会、対峙することになる。ラルの駆るグフを退けたものの、その口から「勝てたのは腕ではなくモビルスーツの性能のおかげだ」と指摘され、当初は「負け惜しみを」と意に介さなかったが、次第に正しさを認めたことで、初めて「あの人に勝ちたい」と、パイロットとして「生き残る」以外の意味を見出した。その後、アムロの目の前で軍人として殉じたランバ・ラルの姿は、敵ながらにして越えねばならぬ父親のような存在としてそびえ立ち、大きな影響を与えることとなった。そして、ラルの仇を討つためにホワイトベースに特攻を仕掛けたハモンと、彼女の攻撃を身を挺して防いだリュウの死が、アムロの中に生きる意味を問いかけることとなる。 ニュータイプへの覚醒 ラル、黒い三連星等、数々のジオンの戦士との死闘を経て、ホワイトベースの救援に駆けつけた連邦士官マチルダ・アジャンより「エスパーかも」とも評されたアムロは、いつしかニュータイプとしての覚醒を見せ始め、ジャブローでは再びあいまみえたシャアと互角以上の戦いを演じた。ジャブローから再び宇宙に上がってからも、ドレン大尉率いるキャメルパトロール隊のムサイ3隻を撃沈し、コンスコン機動艦隊との交戦では、敵艦隊擁する12機のリック・ドムのうち9機を3分で撃破した上に、コンスコンの乗る旗艦チベまでも撃沈して見せた。それ以降もアムロのニュータイプ能力は拡大し続け、ソロモン攻略戦など、幾多の戦闘で大きな戦果を挙げる。ジオンからは、“赤い彗星”シャアと対比して連邦の白いヤツ(バンダイのゲーム作品では白い悪魔、書籍『機動戦士ガンダム 戦略戦術大図鑑』やバンプレストのゲーム作品では白き流星)と恐れられるようになる。 アムロの成長に伴い、その超人的な反応速度に反応しきれなくなったガンダムは、マグネット・コーティングを施される。このとき、技術者モスク・ハンの「生き延びて、いいデータを持ち帰ってくれ」という自分勝手な応援の言葉を「これだから人の本音は聞きたくない」と苦笑しながら受け流しており、人間としての成長が窺える。その頃にはシャアのゲルググを、通常のパイロットではありえない距離(ララァさえも、実験の際にはかなりの苦痛を伴った距離)から正確に狙撃する鬼神の如き働きを見せる。 ララァとの出会いと別れ ララァ・スンとは中立コロニーで偶然にめぐりあい、戦場での敵同士としての再会の中でニュータイプ同士としての精神の交感を体験するが、その最中に襲い掛かるシャアに反撃した際、シャアを庇ったララァを戦死させてしまう。 シャアとの決戦と仲間たちのもとへの生還 最終決戦となったア・バオア・クー攻略戦でシャアの駆るジオングと交戦、両者は相打ち(ジオングは撃破、ガンダムはAパーツの頭部と両腕、Bパーツの右脚を失う大破)となり、ガンダムは破壊されるものの最終的にホワイトベースの仲間たちとの交感と再会を経て、一年戦争を生き抜く。
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