一年戦争の影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 04:33 UTC 版)
一年戦争終結後に待っていた最大の問題が「戦後復興」であった。特に開戦初期の一週間戦争でサイド3、サイド6、サイド7を除くすべてのサイドがジオン軍の攻撃で壊滅した。特に両軍が大規模艦隊戦(ルウム戦役)を行ったサイド5は被害が凄まじく、宇宙世紀110年の「フロンティア計画」まで放置される。 更にブリティッシュ作戦により地球に落下したコロニー「アイランド・イフィッシュ」は3つに分解し、一番巨大なものがオーストラリア大陸のシドニー近郊に落下して「シドニー湾」という巨大なクレーターとして爪痕を残す。残る2つが太平洋上と北米大陸にそれぞれ落下したため日本、東シナ海沿岸地域、北米東海岸は衝撃波の起こした巨大津波による壊滅的な被害を被る。 また戦争中期には地球降下作戦により北米、欧州、東アジアといった人口密集地域が両軍の激戦地となり、大規模作戦で甚大な被害を被る。また事実上1基しかないサイド7もシャア・アズナブルのジオン軍とサイド防衛隊およびホワイトベース隊との偶発戦闘の結果、放棄を余儀なくされる被害を被った。 結果的に、戦後の生産活動は大規模戦闘が起こらなかったフォン・ブラウン、グラナダ、アンマンといった月面都市群と中立を保ったサイド6に依拠せざるを得なくなり、その結果、発言力が増すことになった。特にフォン・ブラウンに拠点を置くアナハイム・エレクトロニクスはジオン側のジオニック社やツィマッド社の技術を接収して飛躍的な成長を遂げる。グリプス戦役当初の両軍の機体はほとんどが共にアナハイムの設計機という状況となる。 第一次コロニー再生計画の実施により、ノアからグリーン・オアシスと呼称変更されたサイド7は1バンチ(ガンダム第一話でアムロ・レイたちが暮らしていたコロニー)がグリーン・ノア1として改修された。また比較的物理被害の少なかったサイド1も再建計画の対象となるが、「老朽化」という宿命に見舞われる。 戦後の復興は遅々として進んでおらず、比較的先進地域の北米東海岸ですら人の住めないゴーストタウン化している。 更に大きな影響が地球在住者のトラウマである。一年戦争当時に地球上に暮らしていた人々はアイランドイフィッシュ落下を「空が落ちてくる」という表現で共通の恐怖体験として認識している。戦災孤児で強化人間となったオーガスタ研究所のロザミア・バダム、ムラサメ研究所のフォウ・ムラサメのみならず、単に戦災孤児と描写されたベルトーチカ・イルマもこの恐怖体験を語っている。これはジオン軍への憎悪を喚起するのみならず、アースノイドのスペースノイドに対する偏見として根強く残り続ける結果となった。 更なる影響が「砂漠化の進行」である。戦争による環境悪化によりアフリカ大陸の砂漠化が更に深刻化した。連邦政府議会の置かれるダカールは正にその象徴となっている。
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