イギリス魔法省本庁
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/02 14:55 UTC 版)
「ハリー・ポッターシリーズの地理」の記事における「イギリス魔法省本庁」の解説
ロンドンの地下に存在する機関「魔法省」の本庁。魔法でマグル(非魔法族)が侵入することは絶対にないようにしている。略称は「M.O.M」。作中ではイギリスのみならず、それぞれの国・地域の魔法政府機関があるとされている。英国魔法省は魔法使い評議会(The Wizards' Council)を前身とする公的機関で、司法・外交・運輸などマグルの官公庁同様の仕事のほか、魔法族および魔法生物の存在をマグルから秘匿すること、闇魔術から魔法界の秩序と安全を守ることを目的としている。 イギリス魔法界の最高権力者は魔法大臣で、マグルの首相と同格である。マグルの首相の執務室の肖像画または暖炉を通じ、直接連絡を取ることが可能だが、平時には互いの就任時に挨拶を交わすのみである。議会はなく、裁判所も省の一機関であるなど権力分立はされておらず、恣意的な法令・判決が出ることもある。また賄賂や縁故の横行といった、1990年代には腐敗している様子も描写されている。 本庁は地下ではあるが、魔法によって自在に景色・天候を変えられる窓が存在する。在勤者は、煙突飛行ネットワークで通勤するため、地下8階のアトリウムの壁際に暖炉が多数設置されている。第7巻では煙突飛行ネットワークが高官のみに制限され、一般職員は公衆トイレの個室で自分自身を流すことでアトリウムに着くようになった。外来者用の入口は赤い電話ボックスになっており、6・2・4・4・2のダイヤルを通すと釣り銭口から出てくる銀色のバッジを付けると、ボックスの床部分から抜け落ちて魔法省のアトリウムに着く。異なる部署同士の連絡には昔はふくろうを使っていたが、建物が糞だらけになるため、魔法のかかった連絡用紙飛行機を使っている。 魔法大臣室 魔法大臣および補佐官が出入りしている。 魔法法執行部 魔法法の執行を担当する。魔法警察部隊 / 魔法警察パトロール いわゆる「警察」に相当。通常の犯罪者の調査・逮捕が主要な任務。凶悪犯には特殊部隊が対応する。 闇祓い本部 / 闇祓い局 闇の魔法使いの捜査・逮捕、および公的施設や重要人物(マグルの要人を含む)の護衛を主とする対テロ組織。本部での厳しい適性検査、採用後3年の訓練課程を経て、闇祓いとなる資格が得られる。在学中には闇の魔術に対する防衛術の他に変身術、呪文学、魔法薬学の成績が重視される。きわめて優秀な人材しか採用されず、合格者が出ない年もある。これらの厳しい採用基準から狭き門と言われる。階級のようなものも存在している。闇の魔法使いとの戦闘機会が多いゆえに職務中の殉職、後遺症の残る重傷を負う者も少なくないが、総じて戦闘能力は高く、騎士団と同様、死喰い人に警戒されている。 ヴォルデモートが台頭した1970年代には、当時の魔法法執行部部長バーテミウス・クラウチ・シニアによって、闇の魔法使いに対し「許されざる呪い」使用も許可され、犯人殺傷の権限が追加された。この当時は死喰い人と戦うことが主任務であったが、ヴォルデモートが復活したあとはコーネリウス・ファッジが復活を信じなかったために死喰い人との戦闘機会はほとんどなく、スクリムジョールの死亡によって魔法省が掌握された後は、ハリーの保護にも関与できなくなる。そのため、ヴォルデモートの手に落ちた魔法省の命令に従う者とアルバス・ダンブルドアの呼びかけにこたえ、不死鳥の騎士団として協力する者に二分される。 魔法不適正使用取締局 不適正な魔法の使用を取り締まる。第2巻でハリーはこの局から公式警告状を受け取る。 マグル製品不正使用取締局 魔法のかかったマグル製品を取り締まる。局員は2人だけだが、第6巻で局長が昇進し、その後この局がどうなるかは描かれていない。魔法界とは関連性が薄い部署であることから、立場は低く、給料も高くないようである。 偽の防衛呪文ならびに保護器具の発見ならびに没収局 ヴォルデモートや死喰い人への恐怖につけ込んで売られている怪しげな物品の没収、および売人の逮捕を行なう。スクリムジョールが1996年7月に新設。局員を11人ほど抱える。 ウィゼンガモット最高裁事務局 魔法界の裁判所の事務全般を管轄。 魔法事故惨事部 魔法界・マグルの世界にまたがる事故を管轄する。忘却術士本部 マグルに、都合の悪い情報を忘れさせる。 魔法事故リセット部隊/魔法事故巻き戻し局 魔法事故の現状を復帰し、関係者の記憶を消去する。 誤報室 / 誤報局 魔法界の事故が顕著すぎる場合、マグルの首相に連絡を取ってマグルに対して納得のいく説明を作り上げる。著名な例では、ネス湖のケルピー(ネッシー)が捏造であるとして、マグルの世論を納得させた。忙しいときは、24時間働くこともある。 魔法生物規制管理部 魔法生物の管理・保護を管轄。学術的な調査研究も行なっており、危険度・稀少度別に生物を5段階に分類している。一部の魔法生物(クラップ、フウーパー、ニーズル)の飼育には、規制管理部の認可が必要である。 国際魔法協力部 英国国外の魔法界との国際親善・外交を管轄。 神秘部 時・死後の世界・愛などの研究、逆転時計と予言の管理を行なう。魔法省職員でさえ、この部署が何をやっているか詳細を知らない。内部には死のアーチ、予言の間(予言の保管)、時の間(逆転時計の保管)、脳みその水槽がある間、開かずの間(アルバス・ダンブルドアによると、この部屋には「愛」が入っている)などがある。 魔法ビル管理部 魔法省のビルの管理を行なう。魔法省のビルの窓の景色を変えるなどの作業も担当する。 魔法試験局 O.W.L試験やN.E.W.T試験を実施・監督する。 マグル生まれ登録委員会 1997年夏に新設された委員会。マグル生まれの魔法族に対し、「魔力を盗んだ」として出頭を要請する。該当者はアズカバンに収監されるが、逃亡者は殺害される。
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