まま
[接助]《名詞「まま(儘)」から》用言または助動詞の連体形に接続する。
1 (多く完了の助動詞「た」に続けて「…たまま」の形で用いる)ある動作や状態が保たれた状況で、別の動作がなされる意を表す。「物音ひとつしない—、時は過ぎた」「テレビをつけた—、眠ってしまった」
2 候文(そうろうぶん)の手紙などに用いて、理由を説明する意を表す。…ので。…によって。「是非一度お目にかかりたき—、御都合の程お聞かせ願えれば幸甚に存じます」
[補説] 語源については、1を「ままで」の転、2を「ままに」の転とする説もある。
ママ【mamma/mama】
読み方:まま
1 母親。おかあさん。また、子供などが母親を呼ぶ語。⇔パパ。
2 第三者がその人の母親を親しみを込めて呼ぶ語。普通、その相手が幼い子供の場合に用い、大人には用いない。「—はおいでですか」
3 子供のいる家庭で、家族が子供の母親を呼ぶ語。子供の視点に立って、父親が妻を、祖父母が娘を指して言う語。「—に聞いてからにしましょう」
まま【乳=母】
まま【×儘/▽随/▽任】
読み方:まま
《「まにま」の音変化》多く連体修飾語を受けて形式名詞的に用いられる。
1 その状態に変化のないこと。それと同じ状態。「昔の—」「現状の—」「立った—の姿勢」
2 (多く「ままになる」の形で用いる)思い通りの状態。自由。「意の—になる」「こう物価高だと買物も—にならない」
3 成り行きにまかせること。古くは「…ともままよ」「…とままよ」などの形で用いられることが多い。「成すが—」
4 (ふつう文字のかたわらに「ママ」と書く)論文・写本・校正などで、引用した原文・底本のとおりであることを示す語。→い(意)のまま →ままならぬ →ままに →ままよ
まま【▽崖】
まま【真間】
まま【▽継】
読み方:まま
2 親子・兄弟・姉妹などの親族関係を表す名詞の上に付いて、親子の間に血のつながりがないという意や、兄弟姉妹の間に両親の片方だけを通しての血のつながりしかないという意を表す。「—母」「—子」「—兄(せ)」「—妹(いも)」
ま‐ま【間間】
ま‐ま【▽飯】
読み方:まま
めし。御飯。まんま。
侭
姓 | 読み方 |
---|---|
侭 | まま |
まま
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/12 05:30 UTC 版)

まま、ママは、傾斜地、崖線、地形の崩れを指す上代日本語以来の日本の古語、現在の方言であり、その地形を持つ日本の地名の読みである[1][2]。普通名詞には崖の字を当てる[1][2]。地名・古称あるいは土地の通称・呼称等の固有名詞には真間、間々、儘、墹、真々、万々、ママ等の表記を当てる[3]。壗[4]、堹[5]という文字も用いられる。関東地方の地名に多い[3]。その地形による影響により、ママの下部には覆水による湧水が多く存在する。
略歴・概要

飛鳥時代、7世紀の舒明天皇の時代に、真間の入江(現在の真間川)に入水したとされる「真間の手児奈」の伝説に真間という地名が登場する。手児奈が水を汲んだという真間の井は現存し、現在は枯渇している。真間の地は、19世紀に歌川広重が『名所江戸百景』に描いたように水源に潤沢で、現在も千葉県市川市の地名に残る。759年(天平宝字3年)に成立したとされる『万葉集』に登場する地名であり、「まま」の語のもっとも古い例である。また、『万葉集』には、
- 足柄の 崖の小菅の 菅枕 あぜかまかさむ 児ろせ手枕
という足柄峠あたりを舞台とした東国の歌があり、これは一般名詞としての「まま」(崖)の例である[2]。
群馬県の大間々扇状地の扇頂にあるみどり市大間々町では、旧山田郡大間々町の役場の前にあった渡良瀬川の河岸段丘による崖をママと呼ぶ[6]。扇状地の下部に位置する太田市新田地区には覆水による湧水が多く、金井、野井等の井戸にちなむ地名がみられる。
武蔵野台地に散見される高さ数メートル程度の崖は、ママあるいはハケと呼ばれ、どちらも崖の古語であり[7]、同地では現在も生きている語彙である。国分寺崖線、立川崖線が知られる。小金井市にある国分寺崖線の道は「はけの道」と呼ばれる[8]。東京の名湧水57選[9]に選ばれた東京都国立市谷保のママ下湧水をはじめとして、「ママ下」と呼ばれるママの下部域には多く湧水が見られる。
東京都の島嶼・新島の南東に位置する羽伏浦海岸には、海食で露出した火山灰層である白ママ断層という断崖絶壁がある[10]。30メートルから250メートルの高さの白い断崖が7キロメートル続く。同島の南西海岸、海に直面した向山の麓には間々下(まました)という小字があり、間々下海岸には間々下温泉の源泉が湧出している[10]。
山梨県の山中湖村の長池地区にママの森と呼ばれる、崖の切り立つ地域がある。古くは「大まま」と呼ばれ、近辺には山中大池という大字があり、古くは水ヶ窪と呼ばれる土地もあり、湧水となっていた[11]。同県甲斐市大字志田に間々下(まました)という小字があり、同地は扇状地の突端、つまりママの下に位置する[12]。同地には平安時代の遺跡・間々下遺跡が存する[12]。
「崖」を意味する日本の古語・方言には、「まま」「はけ」のほかに、「ほき」[13]、「のげ」[14]がある。そのなかでも「まま」には、「地形の崩れ」の意味が含まれている[1][2]。また、地域によっては「もも」も同系の地名だという指摘もある[15]。
おもな地名・呼称等
地名学者・鏡味完二が1964年(昭和39年)の『日本地名小辞典』で挙げた地名を中心とした一覧である[3]。
- 真間 - 千葉県市川市
- 欠真間 - 同、古くは同市行徳、浦安市、東京都江戸川区
- 大間々町 - 群馬県みどり市(大間々扇状地)
- ママ下湧水 - 東京都国立市谷保
- 白ママ断層 - 東京都新島村羽伏浦
- ママの森 - 山梨県南都留郡山中湖村長池
- ママノ上 - 宮城県石巻市鮎川浜ママノ上[16]
- 間々下 - 山梨県甲斐市大字志田字間々下(間々下遺跡)、山形県鶴岡市斎藤川原間々下[17]、福島県喜多方市高郷町上郷間々下[18]、東京都新島村間々下(間々下温泉)
- 間々上 - 福島県喜多方市豊川町一井間々上[18]
- 間々 - 三重県桑名市長島町間々[19]、愛知県小牧市間々[20]
- 間々田[3] - 埼玉県熊谷市間々田[21]、栃木県小山市間々田[22]
- 間々原 - 愛知県小牧市間々原新田[23]
- 間々合 - 宮城県石巻市馬鞍間々合[16]、同県宮城郡利府町森郷間々合
- 高間々 - 山形県鶴岡市遠賀原高間々[17]、福島県南会津郡南会津町関本高まま[24]
- 一の間々 - 福島県南会津郡南会津町大桃一の間々[24]
- 二階間々 - 福島県南会津郡南会津町長野二階間々[24]、同県伊達郡国見町徳江二階間々[25]
- 墹之上遺跡 - 静岡県伊豆の国市墹ノ上[3]
- 儘ノ下[3] - 福島県喜多方市熱塩加納町山田儘ノ下[18]、秋田県秋田市新藤田字儘ノ下、同県能代市大瀬儘下、山形県東田川郡庄内町堀野儘ノ下
- 儘ノ上 - 福島県喜多方市熱塩加納町山田儘ノ上[18]、宮城県刈田郡七ヶ宿町侭ノ上地蔵前[26]
- 壗下 - 神奈川県南足柄市壗下[4]
- 上儘田・下儘田 - 宮城県石巻市桃生町給人町上侭田および下侭田[16]
- 真々[3] - 福島県大沼郡会津美里町真々川
- 真々部 - 長野県安曇野市豊科高家真々部
- 真々ノ内 - 福島県喜多方市塩川町会知真々ノ内甲[18]
- 万々[3] - 高知県高知市万々
- 万々金[3] - 大分県日田市万々金(ままがね)
- 堹ノ下[5] - 愛知県宝飯郡御津町大字金野字堹ノ下(ままのした)。現在は、愛知県豊川市御津町金野下
-
山形県長井市ままの上
-
静岡県伊豆の国市墹之上
脚注
- ^ a b c まま、大辞林第二版、三省堂、goo国語辞書、2009年12月16日閲覧。
- ^ a b c d 崖、デジタル大辞泉、コトバンク、2012年9月24日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i 『日本地名小辞典』、p.34.; 『日本の地名』巻末付録、鏡味完二、角川書店、1964年。
- ^ a b “壗下の郵便番号”. 日本郵便株式会社. 2020年5月3日閲覧。
- ^ a b 豊川市企画部企画政策課 (2013年1月4日). “合併後の住所表示について”. 豊川市. 2020年7月29日閲覧。
- ^ 大間々町の紹介[リンク切れ]、大間々町商工会、2009年12月16日閲覧。
- ^ 『日本地名小辞典』、p.12.
- ^ 『地方史研究の新方法』、林英夫、八木書店、2000年 ISBN 4840620180, p.50.
- ^ 東京の名湧水57選 Archived 2010年1月2日, at the Wayback Machine.、東京都環境局、2009年12月17日閲覧。
- ^ a b 新島マップ[リンク切れ]、新島観光協会、2009年12月17日閲覧。
- ^ 『山中湖村の史話と伝説』、編著・山中湖村史話と民話編集委員会、発行・山中湖村教育委員会、1988年。
- ^ a b 2007年度上半期 遺跡調査発表会要旨 Archived 2012年5月26日, at the Wayback Machine.、山梨県、2009年12月18日閲覧。
- ^ ほき、大辞林第二版、三省堂、goo国語辞書、2009年12月17日閲覧。
- ^ 地名の由来 (野毛・上野毛・中町) Archived 2012年5月11日, at the Wayback Machine.、世田谷区、2009年12月17日閲覧。
- ^ 笹原宏之. “地名が伝えるメッセージ”. yab.yomiuri.co.jp. 教育×WASEDA ONLINE. 2019年9月5日閲覧。
- ^ a b c 宮城県石巻市の住所一覧、日本郵便、2012年9月24日閲覧。
- ^ a b 山形県鶴岡市の住所一覧、日本郵便、2012年9月24日閲覧。
- ^ a b c d e 福島県喜多方市の住所一覧、日本郵便、2012年9月24日閲覧。
- ^ 間々、日本郵便、2012年9月24日閲覧。
- ^ 間々、日本郵便、2012年9月24日閲覧。
- ^ 間々田、日本郵便、2012年9月24日閲覧。
- ^ 間々田、日本郵便、2012年9月24日閲覧。
- ^ 間々原新田、日本郵便、2012年9月24日閲覧。
- ^ a b c 福島県南会津郡南会津町の住所一覧、日本郵便、2012年9月24日閲覧。
- ^ 福島県伊達郡国見町の住所一覧、日本郵便、2012年9月24日閲覧。
- ^ 侭ノ上地蔵前、日本郵便、2012年9月24日閲覧。
関連項目
外部リンク
墹
壗
「まま」の例文・使い方・用例・文例
- はめを外して,勝手気ままに
- そのプロジェクトは宙に浮いたままだ
- 彼らはその古家をそのまま購入した
- 私はあなたの意のままになります
- その件のありのままの真実
- 平和会議は決議が行われないまま散会した
- 気の毒にその少女はまま母の家からから追い出された
- 彼はその事件については語らないままだった
- このまま行き続けて分岐点に来たら左の道を行ってください
- すべてのものは来ては去る.何もそのままではいない
- 彼は多額の金を意のままにする
- その事故の原因は依然不確かなままである
- われわれの状況は今のままで十分厳しい
- 大げさな言い方はやめて見たままを言いなさい
- 黙ったままのほほえみの交換
- 気楽で自由気ままな
- 気ままな行動
- 思いのまま話す
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- 口に物を入れたまましゃべるな
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