その他の考え
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/09/17 01:14 UTC 版)
パナリンは他にも多数の考えを持ち、その内の一つ(ルーブル建で石油を輸出する)はすでに実現している。 政府と軍部に情報心理学者の部隊を置く:戦略を発展させ、ロシア社会の精神を制御しようとする試み(すなわち心理的防衛の戦略)を防止、あるいは中和する戦略上かつ運用上の方策を開発する。心理的防衛の支援を行う将官はロシアの国家安全保障上の心理的な部分を確実にする。 モスクワにある上海協力機構(SCO)の司令部への情報業務:SCOへのより効果的な情報分析の支援と、SCO加盟国上層部へのより信頼できる分析された情報の提供。 ロシアの外国政策宣伝システムの改革: 第一段階として、 ロシア大統領の外国政策宣伝と情報減殺顧問の導入と、パブリック・ディプロマシー委員会の設置(後にパブリック・ディプロマシー評議会に改称、2008年12月に情報安全保障委員会と情報・対諜報局を改訂して)。[要出典] パナリンはロシア外務省にロシアの声とRIAノーボスチの提案書を提出し(さらにそのようにして作られた構造や、ロシア外務省の外国政策メディア会社の編成に基づき)、またCIS諸国・EU・アメリカで活動するロシアの非政府組織の創立。[要出典] 新ユーラシア・ドクトリン: 「新大英帝国」への対抗として示された。 パリ、ベルリン、モスクワ、北京、デリー、テヘランを核とする大陸上の環と、ロシアとドイツがより一層強力な経済と人道主義的関係を持つ戦略的なパートナーと調整役の架け橋として、ユーラシア大陸上で任を果たすというのが彼の考えである。彼曰くフランス・ドイツとの同盟は西ヨーロッパ(ベルリン、パリ、マドリード、ローマ、ブリュッセル、コペンハーゲン、オスロ、ストックホルム、ヘルシンキ)をまとめるという。 しかし、ド・ゴールがやったように米国の軍事力から可及的速やかに自由になり独立権を取り戻さなければならない。ロシアは東ヨーロッパと中央アジア(モスクワ、ミンスク、キエフ、ブラチスラヴァ、プラハ、ザグレブ、ベオグラード、ティラナ、アテネ、ブカレスト、キシナウ、ワルシャワ、アスタナ、ドゥシャンベ、タシケント、バクー、エレバン、トビリシ、イスタンブール)を統合するビザンチン帝国として振る舞い、モスクワに拠点をおく情報分析協調機関である新ユーラシア組織の設置を提案している。[要出典] (2009年5月に「ユーラシア機関」に改称)[要出典] メディアとテロリズム: パナリンは、暴力行為やテロ行為を報じる際にメディアに厳しい制限を課す、つまりメディアと当局が協力しなければならないと提案した。彼は、メディアがテロリストを援助したり、運用情報を得る手助けをしてはならないし、メディアの二重基準は許容されないと述べた。彼は、ジャーナリストの行動規範について当局とメディアの間のテロ対策のための取り決めと、情報対抗組織のための特別組織の創設と、テロに対抗するすべての国家組織の情報活動の調整を提案した。彼の見解では、メディアはある程度テロの触媒になるが、これはテロ活動が触媒無しでは不可能だからだ。また、報道機関は連邦当局の組織にパニックを引き起こし、公共に悪影響を与えるからだ。 ユーラシア連合:当初ユーラシア・ルーシという名前で提案された。EUを手本とした国家間連合で、マキャベリの後継者たる「強力な人物」によって、旧ソ連地域を再結合させ経済統合を強化する。段階的にバルカン諸国など他の国々も参加する。 パナリンはヴラジーミル・プーチンがこの連合の最初の「強力な人物」であると提案する。連合は2009年にユーラシア連合に改称され、2012年には首都としてサンクトペテルブルクが提案された。彼の見立てでは世界には三つの力の軸が存在し、一つ目はヨーロッパ連合(EU)、二つ目はユーラシア連合、三つ目は「中国連合」である。 2009年4月には第二の南方の首都としてアルマトイ、同年5月には2014年にキエフ、2020年にベオグラードを提案している。 ロシアでの石油貿易をルーブル建で行う:サンクトペテルブルクで2008年9月24日に会議が開かれた。直後の2009年3月にロスネフチ(ロシア最大の国営石油会社)は競売で7万6千トンの石油を9700万ルーブルで売却した。3月には、競売で扱われる量は1.5〜2万トンの石油が毎月扱われる。ロスネフチに加え、ガスプロム、ルクオイル、スルグトネフチガス、TNK-BPのようなロシアの石油会社もこうした貿易を計画しており、原油貿易は数ヶ月で始まると予測される。 情報イデオロギー的地政学的開発の構想:ユーラシア統合の基本的なアイデアを彼は自著の中で発展させた。彼によれば、2012年までにロシアは民主主義至上の考え方からユーラシア統合の地政学的計画に移り変わるという。 五極委員会(五大陸の五極から成る委員会。三極委員会と類似):世界金融危機への対策を探す中で国際諮問機関として提案された。[要出典] 2009年3月、委員会の任務は、国と世界での予測を行う強力な機関を作ることだと、彼は述べた。 新たな世界通貨、ACURE: 三つある世界主要通貨であるアジア通貨単位にルーブルとユーロを加えたものに基づいている。 彼によれば、同時に20カ国でACUREを導入することが、無痛で世界発展の新しい手本となる、という。 SCOの為に米ドルを置き換える二重通貨バスケット:世界金融危機を早く克服する新しい手本であり、危機に対抗するための上海協力機構(SCO)の新しい計画でもある。米ドル減少のためにSCO通貨圏でのルーブルと人民元で二重通貨バスケットを作ることに賛成している。彼は三つの相互支払の段階を提示している。一つに国家通貨、二つにルーブルまたは人民元、三つに二重通貨バスケットであり、SCOで新世界通貨としてACUREを2009年G20サミットで提案すべきだとした。[要出典] ロシアとアメリカの情報分析・危機対抗センター:科学者・アナリスト・ジャーナリスト・市民団体の代表で構成されており、特別な分析レポートと予測が国連安保理の参加国の首脳に伝えられるものだとした。ロシアとアメリカの首脳は世界金融危機に対抗するため共同で提案すべきだと彼は主張している。[要出典]
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