その他の考古学的記録
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/11 07:03 UTC 版)
「ワルキューレ」の記事における「その他の考古学的記録」の解説
長羽織を纏ってポニーテールにまとめた髪を背に流し、角杯を持った女性を描いた、ヴァイキング時代の様式で作られた装飾品がスカンディナヴィア中から発見されている。これらの人物は一般にヴァルキュリャないしディースを描いたものと考えられている。ミンディ・マクラウドとバーナード・ミーズによれば、ヴァイキング時代にはこういった装飾品に「守りの力があると考えられていた」ため、魔除けとして墓に置かれたと想定されるという。 絵画石碑にもヴァルキュリャと思われる図像が残されている。スウェーデンのゴトランド島にあるシェングヴィーデ石碑には、8本足の馬に跨る人物に女性が挨拶している場面が描かれている。この馬はオージンの8本足の馬スレイプニル、女性はヴァルホルにはべるヴァルキュリャと思われる。11世紀のシグルズ石碑の一つには、角杯を持つ女性ともう一人の人物が描かれており、これはシグルズに角杯を手渡すシグルドリーヴァであると解釈されている。 2013年、デンマークのホービューで、アマチュアの考古学者3人が800年頃の小さな像を発掘した。この小像は、ベストに似た袖のない長い服に刺繍の入った前掛けを着た、ポニーテールの女性を象っている。腕が自由であることは、手に持つ剣と盾で戦えることを示しているようである。考古学者モーゲンス・ボー・ヘンリクセンは、「間違いなくこの像は、700年頃にスウェーデンの石碑に描かれたものと同じく、サガに登場するオージンのヴァルキュリャを象っている」と述べている。 ヴァルキュリャを象ったヴァイキング時代の装飾品。典型的なヴァルキュリャの姿をした女性(右)と馬に跨り槍と剣を持つ女性(左) ビルカで発掘された、角杯を持つ女性の像(銀製) 前を向いて髪を触る女性の像(左)と、羽のついた槍を佩き手に剣を持って馬に跨る女性の像(右) 8本足の馬に跨る人物に角杯を手渡す女性の像(シェングヴィーデ石碑) ルーン石碑に刻まれた、角杯を持つシグルドリーヴァ
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