ルクオイル
【英】: lukoil
1993年に設立されたロシア最大手の垂直統合(一貫操業)石油企業。 2006年5月現在、生産子会社7社、精製子会社4社、石油製品販売会社16社をロシア国内に保有している。社長のバジット・アレクペロフは石油技師出身でアゼルバイジャン人である。 2005年の原油生産量(ロシア国内)は、8,628万トン、2006年初時点の精製能力(ロシア国内)は4,824万トンで、ともにロシア第1位である。1999年以降、積極的にロシアの中小規模の石油企業を買収・子会社化して、企業規模の拡大を図ってきている。操業は西シベリアが中心で、近年ティ万=ペチョラ地域で主要な企業として活動を強化している。 ルクオイルはロシアの石油企業の中で最も多国籍化が進んでいる。2006年5月現在、同社は、アゼルバイジャン、カザフスタン、ウズベキスタン、エジプト、コロンビア、イラク、サウジアラビア、イランの8ヶ国で石油・ガス開発プロジェクトを実施または準備中である。ただし、ロシア国外でのルクオイルの原油生産量は同社全体の5%未満に留まっている。 ルクオイルは、ルーマニアおよびブルガリア、ウクライナに製油所を保有している。これらの製油所に自社産原油を送り込んで精製し、現地で石油製品を販売することで、ロシア国外においても、石油の一貫操業の形を作り出している。さらに、同社はロシア以外にもCIS5ヶ国、欧州10ヶ国、米国で、サービスステーションの運営を行っている。 ロシア連邦政府は、2004年9月に最後まで保有していたルクオイルの全株式の7.6%を米国のコノコフィリップス社に売却した。コノコフィリプス社はルクオイルとの間で人的交流の強化を図るとともに、2006年末までにルクオイル株式の保有比率を20%まで引き上げる方針である。 (小森 吾一、2007年3月) |

ルクオイル
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モスクワにある本社
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種類 | 公共株式会社 |
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市場情報 | |
本社所在地 | ![]() モスクワ |
業種 | 石油産業 |
代表者 | ヴァギト・アレクペロフ |
従業員数 | 110,000(2014年) |
外部リンク | www |


公共株式会社・石油会社 ルクオイル(ロシア語: ПАО «Нефтяная компания „ЛУКОЙЛ“», ПАО «ЛУКОЙЛ»、英語: LUKoil、LSE: LKOD,NASDAQ: LUKOY)は、ロシア連邦最大の石油会社で、同国の新興財閥(オリガルヒ)の一つ。
概要
ソビエト連邦の崩壊直前の1991年、ソビエト連邦閣僚会議決定により、ランゲパスネフテガス、ウライネフテガス、およびコガリムネフテガスという3つの石油採掘企業が統合され国家コンツェルンのランゲパス・ウライ・コガリムネフトとして発足。1992年11月17日のロシア大統領令1403号と1993年4月の政府命令に基づいて、正式に公開株式会社・石油会社「ルクオイル」(ロシア語: ОАО «Нефтяная компания „ЛУКОЙЛ“»)となった。1995年、ロシア連邦政府の決定に従って、ルクオイルは、西シベリアにあるハンティ・マンシ自治管区・ユグラの上記3拠点を始めとして、バシコルトスタン(後に離脱)、ヴォルゴグラード、ペルミなどの精油所、石油化学工場を保有し、更にアストラハン石油などをグループに加えた。アメリカ合衆国のアトランティック・リッチフィールド会社(ARCO)は、ルクオイルの戦略パートナーであり、ルクオイルの株式のうち、1999年現在で7.7パーセントを保有している。
2000年にはアメリカのゲティ・オイルを買収し、アメリカ国内でも「LUKOIL」ブランドのガソリンスタンドを展開することとなった。
2004年9月、コノコフィリップスはルクオイルに対して7.6パーセント出資金を増額し、更に今後20パーセント以内の増資が可能な協定に署名した。また、両者は、ロシア北部ティマン・ペチョラ地区で油田およびガス田と、イラク西部のクルナ地区を共同開発することでも合意した。
2014年の法改正[1]を受けて公開株式会社(ОАО)から公共株式会社(ПАО)に移行し、現在の名称になっている。
2022年10月に石油トレーディング部門の分離とイタリア・シチリアにある製油所ISABの売却を検討している事が判明した[2]。
2022年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻で創立者ヴァギト・アレクペロフはイギリスから制裁対象とされたことを受け社長を辞任[3]。一方、開始直後の3月初旬に取締役会は軍事侵攻を悲劇的な出来事として懸念を示す声明を発表した。同年5月に元幹部が不審死を遂げ[4][5]、同年9月1日にラビル・マガノフ会長が病院の窓から転落死[6]。2023年10月24日にはウラジーミル・ネクラソフ(Владимир Некрасов)会長が急性心不全で急死[7]、2024年3月14日にはヴィタリー・ロベルトゥス(Виталий Робертус)副社長が急死したと発表されるなど[8]、立て続けに重役が世を去る事態となった。
2024年3月12日、ウクライナがミサイルまたはドローンにより、ニジニ・ノヴゴロドにあるルクオイルの製油所を攻撃。大規模な火災が発生した[9]。
出典
- ^ 連邦法2014年5月5日付№99-FZ (Федеральный закон от 5 мая 2014 г. N 99-ФЗ)
- ^ “ロシアのルクオイル、トレーディング部門の分離と製油所の売却を検討”. bloomberg.co.jp. ブルームバーグ. (2022年10月18日) 2023年10月25日閲覧。
- ^ “英、親ロシア派幹部やルクオイル社長に制裁”. ロイター. (2022年4月14日) 2023年10月25日閲覧。
- ^ “ルクオイル会長が病院の窓から転落死、国営メディアは自殺と報道”. ロイター. (2022年9月2日)
- ^ “ロシア石油大手会長が死亡=幹部ら急逝3人目”. 時事ドットコム. 時事通信. (2023年10月25日) 2023年10月25日閲覧。
- ^ “ロシア石油大手の会長が「病院の窓から転落死」 企業重役の不審死相次ぐ”. BBC News. BBC. (2022年9月2日) 2023年10月25日閲覧。
- ^ “ロシア石油大手ルクオイル会長が急死、昨年は前会長が転落死”. ロイター. (2023年10月25日) 2023年10月25日閲覧。
- ^ “ロシア石油大手幹部、また急死 ウクライナ侵攻に懸念、4人目”. 時事ドットコム. 時事通信社. (2024年3月14日) 2024年3月17日閲覧。
- ^ “ウクライナがロシア各地に2日連続の無人機攻撃…製油所で大規模火災、エネルギー施設狙ったか”. 読売新聞ONLINE (2024年3月14日). 2025年1月26日閲覧。
関連項目
外部リンク
固有名詞の分類
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