原油・エネルギー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/30 06:04 UTC 版)
「2022年ロシアのウクライナ侵攻による経済的影響」の記事における「原油・エネルギー」の解説
2月24日、ニューヨーク原油市場では、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻によって産油国ロシアからの供給が滞る懸念が強まり、原油価格の国際的な指標となるWTIの先物価格が一時、1バレル=100ドルを超えた。WTIが1バレル=100ドル台をつけるのは、2014年7月30日以来、7年7か月ぶり。 同日、ブレント原油の価格は2014年以来初めて1バレル100ドルを一時的に上回った。 2月27日、世界7大石油ガス会社の1つで、ロシアで最大の外国投資家であるBPは、ロシア最大の国営石油会社ロスネフチの株式(19.75%)を売却し、ロシア国内での合弁事業も全て解消すると発表した。 2月28日、カナダ政府は、ロシアの原油輸入の禁止を発表した。 3月2日、ロンドンに上場しているガスプロム、ロスネフチ、ルクオイルの株式は、88〜99.6%の価値を失った。 3月2日までに、2021年9月の時点で14000億ドルだったルクオイルとロスネフチの時価総額は、93億ドルに下がった。ロシアの全面侵攻以後、1週間足らずで1300億ドルの価値が失われた。 3月28日、G7は緊急エネルギー担当相会議をオンラインで開催。プーチン大統領が、ロシア産天然ガスの代金について欧州や日本などにロシア・ルーブルでの支払いを求める方針を示したことについて、拒否する方針で一致した。 3月31日、米国のバイデン大統領は、過去最大規模となる計1.8億バレルの石油備蓄の放出に踏み切ると表明した。 同日、プーチン大統領は、「非友好国」に指定した48の国への天然ガスの輸出について、ルーブルでの支払いを求める大統領令に署名した。代金をルーブルで支払わない場合はガス供給を停止するとしてる。 4月8日、EUがロシア産石炭の輸入禁止を開始。石炭禁輸によりロシアが受ける損失は、年間40億ユーロ(約5400億円)にのぼる。 5月30日、EUがロシア産石油の輸入禁止で合意。 6月2日、EUはロシア産原油の禁輸を正式決定した。 戦況悪化によってロシア原油の買い手が見つからないことに加え、さらに戦時中の黒海での航海に関して、主要な海運会社は、石油輸出ターミナルノヴォロシースクからのタンカーに戦争保険を要求するようになった。ノヴォロシースクを経由するテンギス油田のカザフ原油にも影響を及ぼしている。 西欧諸国のロシア産天然ガスへの依存度は、チェコ・ラトビア・モルドバが100%であり、ハンガリー95%、スロヴァキア85.4%、フィンランドは67.4%、ドイツ65%、ポーランド54.9%、EU平均38%、フランスは16.8%、スウェーデンは12.7%、イギリスは6.7%、ベルギーは6.5%である。 「世界的エネルギー危機 (2021年)」、「ロシア・ウクライナガス紛争」、および「ロシア・ベラルーシエネルギー紛争」も参照
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