原油代替としてのオイルサンド
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 08:02 UTC 版)
「オイルサンド」の記事における「原油代替としてのオイルサンド」の解説
世界中に埋蔵されているオイルサンド、オイルシェールから得られる重質原油は約4兆バレルで通常原油の2倍以上と推定されており、石油燃料代替資源として注目を浴びている。オイルサンドから1バレルの重質原油を得るためには、数トンの砂岩を採掘し、油分(ビチューメン)を抽出する必要があり、大量の廃棄土砂(産業廃棄物)が発生する。従来の原油と比較して生産コストが高く、さらに廃棄土砂の処理に多額の費用がかかるため、長い間不採算の資源として放置されていた。かつて第2次世界大戦中、石油資源の枯渇した日本軍部が満州のオイルサンド採掘に取り組んだこともあり、1970年代のオイルショックの際には日本の国家プロジェクトとしてオイルシェール生産プラント実験が行われた。カナダ・アルバータ州では2000年代以降の油価高騰が起こる数十年前より大規模な露天掘りが行われ、このビチューメンにガソリンやコンデンセートを混ぜて作る改質原油がカナダ原油生産の相当部分を占めるようになった。一方、ベネズエラでは地下に重質油鉱床があるため通常原油のように坑井を通して採掘される。いずれも流動性の低い原油であるため、油層内で加熱したり流動性の高いものを注入するなどして生産性を上げる。
※この「原油代替としてのオイルサンド」の解説は、「オイルサンド」の解説の一部です。
「原油代替としてのオイルサンド」を含む「オイルサンド」の記事については、「オイルサンド」の概要を参照ください。
- 原油代替としてのオイルサンドのページへのリンク