【戦争保険】(せんそうほけん)
(英)war risks insurance.
損害保険商品の一種で、戦争・暴動・内乱などの紛争によって発生する人的・物的な危険に対する補償を目的とするもの。
一般の生命保険や損害保険では、戦争による被害は補償対象外となるため、それらとは別個に作成される。
日本では船舶を対象とした「船舶戦争保険」をさすことが多い。
これは、日本船籍の商船や日本の個人・法人が保有(もしくはチャーター)している外国籍商船が、戦争やその他の変乱の発生している地域へ航行・寄港することにより、船体や船員・乗客・積荷に生じた損害を補償しようというものである。
想定されるケースの主なものとしては次のようなものがある。
- 魚雷・機雷やその他の爆発物(航空機から投下される爆弾や対艦ミサイル等)との接触による損害
(戦闘中の誤射・誤爆、あるいは紛争当事者による通商破壊戦などが想定される) - 紛争当事者による拿捕
- 労働争議やその他の騒擾行為による船体・船員・積荷の損壊
また、アメリカでは21世紀に入ってから、特にテロリズムによって起きた損害を補償対象とする「テロ保険」という商品が開発されており、戦争保険の「特約」として含まれているものとテロ保険のみを別個にしているものとがあるという。
戦争保険
【英】: war risks insurance
(1) 船舶保険:船舶戦争保険の基本契約は、期間建て( 1 カ年、9 カ月、6 カ月、3 カ月)であり、わが国では、 1984 年(昭和 59 年)4 月 1 日船舶戦争保険約款が改正された。担保範囲の概略は、戦争その他の変乱、機雷、水雷、その他の爆発物との接触、襲撃、捕獲、拿捕{だほ}、政治または社会騒擾{しゃかいそうじょう}、あるいは労働争議などの危険である。航行区域は、平時の状態である「一般世界水域」と、軍事的に緊張度の高い「除外水域」に分かれ、除外水域に入域する場合は、割増保険料を支払うことにより危険が担保される。除外水域は、戦争危険度が高く、かつ、それが変動することが予想されるため、割増保険料率は、情勢の変化に応じその都度改訂される。 (2) 貨物保険:「戦争危険」(戦争、その他の変乱、機雷、水雷、捕獲、だ捕、抑留、敵対行為など)および「ストライキ危険」(ストライキ、サボタージュなどの労働争議、または騒じょう、暴動などの一連の行為)から生ずる貨物の損害を担保する。貨物保険では、通常、輸送約款により、海上にある間、または陸上にある間を問わず、被保険貨物の輸送中を一貫して、その保険期間(責任の始終)としているが、上記の担保危険中、「戦争危険」については、責任の始終を「航洋本船に積み込まれてから、仕向港で同船から荷卸しされるまで」のいわゆる“on board only”としているが、戦争危険の中の機雷、水雷危険については、航洋本船への積込み前および荷卸し後にはしけ(艀)を使用する場合には、そのはしけ積載中も担保する。いずれにしても、被保険貨物が海上または隣接する河川にある間のみ担保する点、注意を要する。 |
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