NFL NFLとロサンゼルス

NFL

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/14 16:33 UTC 版)

NFLとロサンゼルス

アメリカ国内で圧倒的な人気を誇るNFLであるが、ロサンゼルスは全米を代表する大都市にも関わらず、1995年から2015年までNFLに対するフランチャイズを持っていなかった。

かつてラムズレイダースと2チームが本拠地として持っていたにも関わらず、1994年を以って両チームとも他都市に本拠地を移転した。

ラムズの場合、チームは弱小だったゆえに興行収入も冴えず、また、アナハイム地区を本拠としながらロサンゼルスと名乗っていたことから、市民がスタジアムの改修費用を拒否したことが移転のきっかけである。そこでかねがね、NFLの誘致に力を入れていたセントルイスに白羽の矢が立ち、同チームは移転するや、すぐさま市民に受け入れられ、NFL屈指の観客数を誇るチームへ成長した。

レイダースは元々、オークランドにフランチャイズを持っていたが、さらなる顧客獲得を目指してより人口の多いロサンゼルスへ引っ越した。しかし、チームが低迷すると途端に市民は応援しなくなり、興行収入が激減したため、13シーズンを過ごした後にオークランドに戻った。

2002年に行われたエクスパンションでもロサンゼルスは新チームの誘致に名乗りを上げた。一旦は、ロサンゼルスに決まったが、スタジアム建設・改修の遅延、オーナー・サポートの脆弱性を指摘され、ヒューストンに変更された。その時でさえ、市議会の熱気とは裏腹に、市民の関心は薄かったといわれている。実際住民の多くは、フットボールに関しては、南カリフォルニア大学などNCAAの強豪校があることから、大学フットボールには興味があるものの、NFLに対する興味は他の大都市でのそれに比べて低いことが同結果につながった。

また、2006年シーズンのスーパーボウル直前恒例の会見では、グッデル・コミッショナーが、ロサンゼルスにチームを設立する意思や調査は認めつつ、エキスパンションは当分しない旨を発言した。一方、既存チームについては、現在のホームを維持することに注力することを明言しており、チーム移動による設立も、困難な見通しを明らかにしていた。

さらに、NFLでのプレイが脳障害を引き起こすという研究結果が報告され、2000人以上の元NFL選手がリーグを相手に訴訟を起こしている中[39]、労働者保護の手厚いカリフォルニア州への移転はますます難しくなったと言われていた[40]

しかしその後、NFL側は更なる興行収入アップのためにロサンゼルスに再びフランチャイズを持って行きたいと考え、地元でもロサンゼルスで複数のプロスポーツ団体を運営するAEGステイプルズ・センター近隣に計画したものなど誘致を前提とした新スタジアムの構想が複数発表された。2015年頃からオーナーミーティングの場において、再三ロサンゼルスへの本拠地移転について話し合われ、かつてロサンゼルスを本拠地にしていたラムズやレイダースの他、チームのルーツをロサンゼルスに持つサンディエゴ・チャージャーズの移転の可否が取り沙汰された[41]

ラムズはロサンゼルス空港にほど近いイングルウッド市のハリウッドパーク競馬場跡地に8万人収容のスタジアムを建設する計画を提示し、チャージャーズとレイダースはロサンゼルスから南方20キロほどの位置にあるカーソン市に17億ドル(約2,000億円)をかけてスタジアムを建設し、両チームで共有する計画を提示した[42]

その結果、2016年1月12日に行われたオーナー会議において、ラムズのロサンゼルス移転が承認された。その一方で、チャージャーズはラムズとスタジアムを共用する場合に限って移転が承認され、レイダースはチャージャーズが辞退した場合に限って同じ条件で移転が承認されることになった[43]。2016年シーズン、ラムズはロサンゼルス・メモリアル・コロシアムを暫定本拠地として移転した。2017年1月13日、チャージャーズの2017年シーズンからのロサンゼルス移転およびスタブハブ・センターの暫定本拠地化が発表され、レイダースのロサンゼルス移転はなくなった。その後、2017年3月にレイダースのラスベガス移転が決定し、2020年からラスベガスのアレジアント・スタジアムに移転した[44]。ラムズとチャージャーズは2020年シーズンから、ハリウッドパーク競馬場跡地に新設のSoFiスタジアムを共用している。


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