NFL 戦力均衡の追求

NFL

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/06 09:10 UTC 版)

戦力均衡の追求

NFLのリーグ運営は設立当初から「スポーツの魅力とは最高のレベルで戦力の均衡したチームが繰り広げる競争状態である」という理念のもとに行われている。そのため、戦力や資金力が特定のチームにだけ片寄ってしまうことのないように様々な戦力均衡のための制度が導入されている。

レベニュー・シェアリング (Revenue sharing)、サラリーキャップ、ウェーバー制ドラフトなどにより資金力と戦力を均衡させ、ニューヨークのような大都市にあるチームも、グリーンベイのような地方の小都市にあるチームも、可能な限り対等な条件で戦う仕組みを作っている。

レベニュー・シェアリングは40年以上前にその仕組みの原型は完成している。テレビ放映権、グッズ売り上げ、スポンサー収入は一旦プールされたうえで同一金額が各チームに分配され、普通席の入場料収入もホームチームに約60%、ビジターチームに約40%が分配されている。

サラリーキャップは上限だけでなく下限も規定しており、チームが利益を優先して出費を渋ることを防いでいる。2013年-2016年および2017年-2020年は、それぞれの4年間の総額が上限の88.8%を下回ることができないと定められている。下回った場合の差額はその4年間にチームに属した選手に分配される。ただしサラリーキャップ下限の導入は、戦力均衡のためというよりは、年俸上昇を求める選手会との交渉の結果である[18]

ルールを回避するため、各チームはレベニュー・シェアリングの対象とならない特別席収入を増やし、サラリーキャップ対象とならないスタッフ報酬や施設改善に投資してチーム強化を図る傾向がある。

対戦チーム分析のカギとなるスカウティング映像(対戦相手の戦術分析用の映像)についても、リーグ機構がこれを撮影・管理しており、これを全チームが同条件で共有している。また、ドラフトで指名される可能性のある大学選手の情報についても、同様である。 例えば、あるチームが知名度の低い大学に知られざる逸材を発見したとしても、その選手に関する調査を開始する前にリーグに通知しなければならない。リーグは直ちにその選手のスカウティング映像を得るため撮影チームを送り込み、その映像は全チームで共有されることになる。また、その選手を見つけたチームが、他チームより前にその映像を見ることは許されない。

さまざまな戦力均衡策が実を結び、サラリーキャップが導入された1994年シーズン以降でスーパーボウル連覇を達成したチームは、サラリーキャップ導入をまたいで連覇したダラス・カウボーイズを含めて、3チームのみで(1993年-1994年ダラス・カウボーイズ、1998年-1999年デンバー・ブロンコス、2004年-2005年ニューイングランド・ペイトリオッツ)、3連覇を達成したチームは出ていない(2021年シーズン終了時点)。


  1. ^ a b ハリス・インタラクティブによるアメリカでの人気スポーツの世論調査(2015年1月公表)
  2. ^ a b c d NFL Attendance - 2012ESPN.com 2013年2月2日閲覧。
  3. ^ a b The NFL has more than 16 billion reasons to carry on amid COVID-19 Yahoo!sports 2021年4月25日閲覧。
  4. ^ Highest-Paid Athletes 2021: All-Time Highs For NFL, NBA And Soccer Players, And More Numbers To Know Forbes com. 2021年6月4日閲覧。
  5. ^ Most valuable sports franchises 2020: Cowboys top world at $5.5 billion, NFL features 27 of top 50 teams CBS 2021年4月25日閲覧。
  6. ^ a b c NFL owners approve enhanced schedule with 17 regular-season games per team”. NFL.com. 2021年3月31日閲覧。
  7. ^ 近藤祐司 (2010年12月10日). “さあラストスパート!12月を制するものがNFLを制す!!”. NFL JAPAN. 2010年12月30日閲覧。
  8. ^ このため、成績によっては同一地区の全4チームがプレーオフに進出する場合もある。
  9. ^ NFL tiebreakers”. Quickresearch.com. 2021年5月1日閲覧。
  10. ^ http://profootballtalk.nbcsports.com/2013/03/20/nfl-passes-jim-schwartz-rule/
  11. ^ Football Still Scores Best With U.S. Sports FansGallup.com. 2013年2月9日閲覧。
  12. ^ FootballGallup.com. 2013年2月9日閲覧。
  13. ^ a b Dallas Cowboys are Again America's Favorite Football TeamHarris Interactive October 5, 2011. 2013年2月9日閲覧。
  14. ^ The Longest Wait Times In The WorldBuzz Feed. June 29, 2012. 2013年2月9日閲覧。
  15. ^ NFL games account for nearly three-quarters of the year's top 100 broadcasts”. Ad Age (2020年1月8日). 2020年1月9日閲覧。
  16. ^ a b World’s Most Valuable Sports Teams 2021 Forbes com. 2021年6月5日閲覧。
  17. ^ The World's Highest-Paid AthletesForbes.com 2016年12月25日閲覧。
  18. ^ [1]
  19. ^ 2021 NFL Draft undrafted free agent tracker: Rookie UDFA signings from all 32 teams.”. SI.com. 2022年5月3日閲覧。
  20. ^ Browns trade for Texans QB Deshaun Watson in deal that includes three first-round picks”. NFL. 2022年3月18日閲覧。
  21. ^ NFL放映権はなぜ高額で契約延長されたのか【前編】 [渡辺 史敏] - 2011年12月27日 NFL JAPAN.COM
  22. ^ “NFL, FOX Sports reach 'Thursday Night Football' agreement”. NFL Enterprises, LLC. (2018年1月31日). http://www.nfl.com/news/story/0ap3000000912686/article/nfl-fox-sports-reach-thursday-night-football-agreement 2018年8月19日閲覧。 
  23. ^ “Fox gets Thursday Night Football through '22”. ESPN.com. (2018年1月31日). http://www.espn.com/nfl/story/_/id/22273473/fox-broadcast-thursday-night-football-next-five-seasons 2018年2月1日閲覧。 
  24. ^ Bonesteel, Matt (2018年1月31日). “‘Thursday Night Football’ will move to Fox next season” (英語). The Washington Post. ISSN 0190-8286. https://www.washingtonpost.com/news/early-lead/wp/2018/01/31/thursday-night-football-reportedly-will-move-to-fox-next-season/ 2018年2月1日閲覧。 
  25. ^ Amazon Prime Video to be exclusive 'TNF' home starting in 2022”. NFL.com. 2021年5月4日閲覧。
  26. ^ NFL presses toward massive new media deals, with formal negotiations near”. Sports Business Daily. 2020年8月8日閲覧。
  27. ^ a b 『ESPN』が今後5年間のスーパーワイルドカードMNFの放映権を獲得”. NFL Japan. 2020年10月15日閲覧。
  28. ^ 米衛星放送ディレクTV、NFLの日曜試合放映権を維持 - 2014年10月2日 ロイター
  29. ^ Amazon Renews With NFL To Stream "TNF" Games Through '22”. Sports Business Daily. 2020年8月8日閲覧。
  30. ^ a b Amazon Prime will be the only place you can watch the NFL’s ‘Thursday Night Football’ starting in 2022”. Market Watch. 2021年5月4日閲覧。
  31. ^ NFL signs $110 billion media rights deal — Amazon will get exclusive rights to Thursday Night Football”. MarketWatch. 2021年3月19日閲覧。
  32. ^ NFL Signs $105 Billion TV Deal, With Amazon Taking Thursdays”. Bloomberg (2021年3月19日). 2021年3月19日閲覧。
  33. ^ NFL announces new broadcast deals running through 2033 season”. NFL.com. 2021年3月19日閲覧。
  34. ^ 大塚範一. “大塚範一が語るNFLの魅力”. NFL JAPAN. 2012年2月7日閲覧。
  35. ^ 2020年シーズンのインターナショナルゲームは中止、全試合をアメリカ国内で開催”. NFL Japan. 2020年5月5日閲覧。
  36. ^ NFL JAPAN.COM|特集”. NFL JAPAN. 2015年2月22日閲覧。
  37. ^ ロンドンゲーム、来季も1試合のみが濃厚に”. NFL JAPAN (2010年1月25日). 2015年2月22日閲覧。
  38. ^ 渡辺史敏 (2014年7月22日). “『ロンドンゲーム』試合数さらに増加か 一方でバッティングに懸念も”. NFL JAPAN. 2015年2月22日閲覧。
  39. ^ 2017年シーズン第3週と第4週にウェンブリー・スタジアムで試合開催”. NFL JAPAN (2017年1月21日). 2017年9月11日閲覧。
  40. ^ ロンドンゲーム、ジャガーズが来季から4年間主催へ”. NFL JAPAN (2012年8月22日). 2015年2月22日閲覧。
  41. ^ a b NFLが2019年シーズンのインターナショナルゲーム日程を発表”. NFL JAPAN (2019年4月18日). 2019年7月30日閲覧。
  42. ^ 日本での事業継続に意欲 MFL JAPAN元代表、町田光さん”. アメリカンフットボール・WEBマガジン (2013年4月5日). 2015年2月22日閲覧。
  43. ^ a b イギリスでのNFL人気はどれくらい?”. アメフトNewsJapan (2012年10月25日). 2015年2月22日閲覧。
  44. ^ イギリスで高まるNFLの人気、本拠地移転の可能性も”. NFL JAPAN (2014年10月28日). 2015年2月24日閲覧。
  45. ^ NFL Reports Half A Million Fans Attend Block Party On London's Regent Street Saturday” (2013年9月30日). 2015年2月22日閲覧。
  46. ^ ファルコンズ・オーナー、「ロンドンにNFLチーム創設できる」”. NFL JAPAN (2014年6月3日). 2015年2月22日閲覧。
  47. ^ Michael David Smith (2011年2月8日). “London game may be casualty of labor situationsituation”. NBCスポーツ. 2015年2月22日閲覧。
  48. ^ 【2016年シーズン】第11週マンデーナイトフットボールの見どころ”. NFL JAPAN (2016年11月21日). 2017年9月11日閲覧。
  49. ^ Ranking the NFL's five international games in 2017”. ESPN.com (2017年4月21日). 2017年9月11日閲覧。
  50. ^ Munich to host first-ever regular-season NFL game in Germany during 2022 season; Frankfurt also to host future games”. NFL. 2022年2月10日閲覧。
  51. ^ a b ファンタジー・フットボールを通じてファンとの関係をさらに強化するNFL(ナショナル・フットボール・リーグ)






NFLと同じ種類の言葉


固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

NFLのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



NFLのページの著作権
Weblio 辞書情報提供元は参加元一覧にて確認できます。

  
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのNFL (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2022 GRAS Group, Inc.RSS