経産省の提案とは? わかりやすく解説

経産省の提案

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 18:45 UTC 版)

Mitsubishi SpaceJet」の記事における「経産省の提案」の解説

MRJ計画の発端は、2002年経済産業省発表した30席から50クラス小型ジェット機開発案「環境適応型高性能小型航空機」(同時発案50程度小型航空機用ジェットエンジン開発環境適応小型航空機エンジン」)で、開発について機体メーカー3社(三菱重工業川崎重工業富士重工業)に提案求めたYS-11以来の完全な日本国産の旅客機となったが、YS-11大きく違うのは、同機ターボプロップエンジンによるプロペラ機であるのに対し噴射式のターボファンエンジン搭載機体としている点である。その背景には、1990年代半ばリージョナル・ジェットRJ革命がある。1990年代後半カナダボンバルディアブラジルエンブラエル小型RJ多数発表した客室騒音少なく速達性に優れジェット機は、中小エアライン注目され販売数急速に伸ばしたアメリカエアラインではパイロットユニオンがパイロット雇用確保為に一定数以上の50席以下の航空機保有することをエアライン要求しているため、RJを使わざるを得ないという理由有るRJ保有割合エアラインによって異なる。 RJ成功により、同クラスターボプロップ旅客機販売数急減、これらを生産していた欧米6社の内、4社が2000年代初めまでに旅客機事業から撤退する事態となったこのため当時2000年代初頭)はターボプロップ機市場凋落する一方RJ市場今後拡大見込み大きく日本にも参入余地があると考えられた。その後2000年代後半になると原油価格高騰し燃費性能優れたターボプロップ旅客機再評価されようになったターボプロップ機は同サイズRJ比較して30%程度燃費性能優れ、この時期燃費シビアならざるを得なくなったエアライン支持され販売数回復させつつあった。 MRJ計画では、主題通り環境面配慮することが第一義とされ、機体最先端複合材料多用して軽量化空気抵抗減らして高性能化プロペラ機との比較ネックとなっていた燃費効率においても、従来型より格段燃費向上運航経費大幅に削減し比較では遜色のないレベル実現したまた、最新情報技術ふんだんに取り入れた操縦システム採用して操縦容易にするものとした(下記HUD参照のこと)。開発期間2003年度から5年間、開発費500億円を予定し、その半分を国が補助するとした。 この提案いち早く注目した三菱重工業(以下「三菱」と略)は、同年秋に10程度調査チームアメリカ派遣し市場調査開始した2003年4月7日経済産業省プロジェクト窓口となる新エネルギー・産業技術総合開発機構NEDO)においてメーカー招いて説明会行い4月末を締切として希望者を募集した計画案提出したのは三菱のみで、5月29日三菱主契約企業として、富士重工業日本航空開発協会(JADC)が協力することとなった富士重工主翼など10%請け負った機体開発に関して宇宙航空研究開発機構JAXA)と東北大学協力する経産省2003年平成15年)度予算10億円獲得した。なお、「環境適応小型航空機エンジン」はIHI受注している。 三菱同年秋に概案作り開始した結果競合機との差別化を図るために特徴盛り込むこととした。 ヘッドアップディスプレイHUD)の採用 強化対地接近警報装置EGPWS航空交通警報装置衝突防止装置搭載 3次元CAD試作デモによりコスト削減 計画では、「これらの新技術2004年まで開発し2005年まで試験を行う」「機体2004年まで概観作り勉強2005年構想図次いで新技術結果受けた計画図、2006年まで製造図面起こし同年より機体試作組立に入る」「2007年試作機ロールアウトさせ初飛行2008年にかけて試験飛行行い2009年型式証明取得する」「それまで受注活動行い09年までにローンチカスタマー確保できない場合量産しない」とした。また、2005年度市場調査に基づく中間評価を行うとした。 2003年10月29日から11月2日まで開催され静岡空港航空フェアで、三菱初めて「MJ」(三菱ジェット縮小スケールモデル展示し意気込み表したJAXAでは以下の新技術開発支援するとした。 人に優しい新世代コックピット技術 安全かつ軽量な機体設計必要な超音速フラッタ解析技術 さらに静かな機体目指す空力騒音予測低減技術 燃費削減寄与する抵抗低減および予測手法 最新の高い安全基準適合する客室設計技術 空力最適化貢献する多機能風洞試験技術(PSP及びPIV適用HLD試験技術空力最適化用い高精度CFD解析技術 重量コスト低減目指す構造実用化技術 経済産業省2004年平成16年)度予算30億円、2005年平成17年)度予算409000万円獲得し開発支援した2004年10月横浜開催され国際航空宇宙展(JA2004)で、三菱は「環境適応型高性能小型航空機」の名前で、座席配列左右4列としたキャビン・モックアップを展示した。これはエアライン対す市場調査結果よるもので、胴体直径エンブラエル170よりも小さいにもかかわらず機内天井高および横幅大きい。この頃座席数は30-50席、あるいは60席とされ、構想大型化示唆された。

※この「経産省の提案」の解説は、「Mitsubishi SpaceJet」の解説の一部です。
「経産省の提案」を含む「Mitsubishi SpaceJet」の記事については、「Mitsubishi SpaceJet」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「経産省の提案」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「経産省の提案」の関連用語

経産省の提案のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



経産省の提案のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、WikipediaのMitsubishi SpaceJet (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS