混和剤とは? わかりやすく解説

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混和剤

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/15 06:48 UTC 版)

混和材料」の記事における「混和剤」の解説

日本では1950年初めAE剤導入され1950年代後半から1960年代前半にかけてAE減水剤などが開発された。1965年には、混和剤メーカー販売会社により業界団体コンワ会(現・コンクリート化学混和剤協会)が設立された。1982年には、JIS規格によりAE剤減水剤およびAE減水剤品質基準制定された。 AE剤 作業能率の向上や、凍結溶解耐性高め目的コンクリート中に空気泡を発生させる空気連行性)ために混和される界面活性剤詳細AE剤参照 AE減水剤、減水剤、高性能AE減水剤 減水剤は、セメント粒子表面に負の電荷与え粒子分散させることにより流動性高める。AE減水剤は、AE剤減水剤双方機能を持つ。1932年スイスオキシカルボン酸塩が、1938年アメリカでリグニンスルホン酸塩が開発され、現在ではこれらに加えポリオール誘導体用いられている。日本では1951年只見川本名ダム初めAE減水剤使用され以降AE減水剤普及した高性能AE減水剤空気連行性があり、AE減水剤より高い減水性能良好なスランプ保持性能を持つ。1980年代中頃開発され1987年より市場出始めた。一般コンクリート減水性の他、圧縮強度60~100N/mm2の超高強度コンクリート製造にも役割を果たす2000年統計ではポリカルボン酸系が半数以上を占めナフタリン系、アミノスルホン酸系がこれに次ぐ。 流動化剤 土木学会によると、「予め練り混ぜられコンクリート添加し、これを撹拌することによってその流動性増大させることを主たる目的とした混和剤」と定義している。界面活性剤主成分であり、ナフタリンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物塩やメラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物塩、スチレンスルホン酸共重合物塩などがあるが、1987年ピーク高性能AE減水剤に取って代わられ、需要減少している。 分離低減剤 セメント粒子水分、また骨材セメントペーストとの分離抑制することを目的として添加される増粘剤水中分離コンクリート高流動コンクリート製造吹き付けコンクリート粉塵低減使用されている。大きく分けてメチルセルロースなどのセルロース系と、ポリアクリルアミドやアクリルポリマーなどのアクリル系があるが近年ではグリコール系高分子やバイオポリマーなども用いられている。 起泡剤、発泡剤 コンクリート気泡混入させ、断熱性軽量性持たせる目的添加されるALC軽量気泡コンクリート)の製造にも用いられる起泡剤にはアルキル硫酸エステル塩やアルキルベンゼンスルホン酸塩などの合成界面活性剤松脂アルカリ鹸化したロジン石鹸などの樹脂石鹸系、牛馬の蹄や角などを粉末にした蛋白系がある。 発泡剤水素発生利用したアルミニウム粉末代表的である。酸素塩化物イオン生じるものは鉄筋の錆を促進するため、二酸化炭素生じる物はコンクリート中性化促進するため好ましくない凝結・硬化調節剤、急結剤 コンクリート水和による凝結速度コントロールするための混和剤。促進剤寒冷地コンクリート凝結促進し早期凍害耐える強度持たせるプレストレストコンクリート工場生産設備回転向上する凝結遅らせる作用のあるAE減水剤配合して凝結遅延改善するなどの効果が、遅延剤は夏季において高温による早期硬化抑制するミキサー車中での凝結抑制などの効果があり、促進剤遅延剤ともに有機系と無機系のものがある。無機促進剤硝酸塩硫酸塩炭酸塩アルミナなど、有機促進剤無水マレイン酸酢酸アクリル酸カルシウム塩アミン類など、無機遅延剤はリン酸塩ホウ酸亜鉛化合物銅化合物など、有機遅延剤はオキシカルボン酸糖アルコール類、高分子有機酸などが用いられる急結剤NATM工法において、吹付けコンクリート凝結速度著しく速めるための添加剤日本国内では1964年電源開発七色発電所初め使用された。無機塩系のアミンアルカリ塩や炭酸アルカリ塩、セメント鉱物系のカルシウムアルミネート、中性水溶性アルミニウム塩などが用いられる防錆剤 腐蝕抑制剤とも呼ばれ鉄筋コンクリート鉄筋の錆を抑制する海砂骨材として利用するために開発されたが、水洗いにより砂に含まれる塩分除去するようになり需要減少している。無機系の亜硝酸塩クロム酸塩有機系のエステル塩やメルカプタンなどがあるが、コンクリート硬化時間などに影響少な無機系の物が多く使われている。 防水剤 コンクリート水分透過を防ぐことを目的とした混和剤。大別する無機系の塩化カルシウム水ガラスケイ酸ナトリウム)、ケイ酸粉末有機系の高級脂肪酸やポリマーディスパージョンなどが主流である。ガラス・ケイ酸質粉末とポリマーディスパージョンは空隙充填し高級脂肪酸撥水性持たせることで防水効果生じさせる塩化カルシウムコンクリート水和促進し組織緻密化させて防水効果向上させるが、経年によって効果低減するまた、塩化物イオンによる鉄筋腐蝕にも注意要する

※この「混和剤」の解説は、「混和材料」の解説の一部です。
「混和剤」を含む「混和材料」の記事については、「混和材料」の概要を参照ください。

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