桔梗の花言葉
桔梗は別名を岡止々岐(オカトトキ)や紫花(ムラサキバナ)ともいう。品種には「アポイキキョウ」「ウズキキキョウ」「小町桔梗(コマチキキョウ)」「五月雨桔梗(サミダレキキョウ)」などがある。ただし品種によって花言葉を使い分けられることは特にない。
桔梗の花言葉の由来
(1)自身の命をもって夫への愛を証明した女性からつけられたという説あるところに、若い夫婦が暮らしていたが、戦争が起こり、夫は戦地へ赴かなければいけなくなった。若い妻は、夫の帰りを10年間もの長い間、ひたすら待ち続けた。そして、夫がようやく帰ってくるという日、妻は、他の男性に手伝ってもらいながら、夫の帰還を祝う宴の準備をしていた。家に帰り着いた夫は、嬉々として男性と食事の準備をしている妻を見て、自分がいない間にこの男性と再婚したのだと勘違いをしてしまう。夫は妻を責め立て、妻は身の潔白を証明するため自ら命を絶った。その後、自分の勘違いであったことを知った夫も、妻の後を追って帰らぬ人となる。この女性が、桔梗の花となったと言われており、自分自身の命をもって夫への愛を証明したことから「永遠の愛」「変わらぬ愛」という花言葉につながったとされる。
(2)夫の帰りを生涯待ち続けた女性からつけられたという説
日本の戦国時代、ある武士が妻と子供を残して戦に行かなければならなくなった。妻は、いつまででも夫の帰りを待ち続けると伝え、夫を見送った。そして、その武士の桔梗の家紋を眺めながら、生涯、夫の帰りを待ち続けた。ここから、桔梗の花言葉が「永遠の愛」「変わらぬ愛」「誠実」になったとされる(なお、家紋が桔梗ではなく、妻の名前が「キキョウ」だったとする説や、桔梗の花を植えて待ち続けたとする説もある)。
(3)桔梗の花の色や形からつけられたという説
古来から、東西問わず紫色は高貴な色とされており、日本でも、飛鳥時代の冠位十二階で最上位の位を示す色が紫であったことは、よく知られている。これは、植物や貝などの自然素材からは、紫色の染料は少量しかとれなかったことが関係している。染料が希少であるため、紫色に染め上げられた衣類は高価で、限られた高貴な身分の人々しか身につけることができなかった。したがって、紫色の花を咲かせる桔梗も高貴な花とされ、そこから「気品」という花言葉がつけられたという。そして、長い期間その美しい色を保ったまま花が咲き続ける様子から、「変わらぬ愛」という花言葉につながったという。
また、一重咲きの桔梗は、花びらが星型に開き、均整のとれた五角形の形をしている。この美しく整った形が、「誠実」という花言葉につながったとされる。
(4)武家の家紋に多用されていることに由来する説
桔梗がモチーフに使用されている家紋は少なくなく、桔梗紋と呼ばれ、明智光秀や加藤清正、坂本龍馬などの有名な人物も用いていた。家紋の由来は、兜に桔梗を挿して戦った土岐氏が大勝利を収めたことから、桔梗を縁起花として用いたもの、桔梗の名前(漢字のつくり部分に着目すると「更に吉を招く」という意味にとれる)にちなんだものなど様々であるが、主人に忠誠を尽くし、上下関係を重んじる武士に好まれた花であることから、「誠実」「従順」という花言葉がつけられたという。
桔梗の英語の花言葉
「endless love(永遠の愛)」「obedience(従順)」「honesty(正直、誠実)」「the return of a friend is desired(友人の帰りを願う)」日本の花言葉とほぼ同じであるが、「the return of a friend is desired(友人の帰りを願う)」は、海外において、家族や恋人、友人などの大切な人が戦地に向かった際に、真夏日でも冬場でも生育が衰えず丈夫な花とされる桔梗を庭に植えて、無事に帰ってくることを願ったという話に由来する。
桔梗の色別の花言葉の解説
白い桔梗は、その咲く姿の清らかさや無垢な雰囲気が、大和撫子のような女性を彷彿とさせ、ピンクはその淡い色合いが、か弱く儚い女性の姿と重ねられたことから、それぞれ上記の花言葉となった。ちなみに、桔梗には青色の花をつける種も見られるが、これは生育の過程で紫色が退色したものであり、特別な花言葉はない(紫色と同じ「気品」とされる)。また、白地に紫など絞り模様が入った桔梗については、特別に花言葉があるわけではなく、地の色の花言葉と同じとされる。
桔梗の本数別の花言葉の解説
桔梗には本数別に固有の花言葉というものはないため、花束における本数別の花言葉を参考にすることができる。#良い意味の花言葉
- 1本「あなたは私の運命の人です」「一目惚れ」
- 2本「この世界は私とあなただけ」
- 3本「あなたを愛しています」
- 4本「あなたを一生愛し続けます」
- 5本「あなたに出会えて心から嬉しい」
- 6本「私はあなたに夢中です」
- 7本「ひそかな愛」
- 8本「あなたの思いやりに感謝しています」
- 9本「いつまでも一緒にいてください」
- 10本「あなたは完璧」
- 11本「あなたは私の最愛の人です」
- 12本「私と付き合ってください」「日ごとに強まる愛」
- 13本「永遠の友情」
- 14本「誇りに思う」
- 18本「誠実」
- 19本「忍耐と期待」
- 20本「私のひとひらの愛」
- 21本「あなただけに尽くします」
- 22本「あなたの幸運をお祈りします」
- 24本「1日中あなたを想っています」
- 30本「ご縁を信じています」
- 40本「あなたに永遠の愛を誓います」
- 50本「永遠」「恒久」
12本の花束は「ダズンフラワー」と呼ばれ、男性が女性にプロポーズする際に用いられる。1本ずつに「感謝、誠実、幸福、信頼、希望、愛情、情熱、真実、尊敬、栄光、努力、永遠」の意味が込められており、この花束を贈ることで、愛を誓うことを意味する。
#悪い意味の花言葉
桔梗の怖い花言葉
海外でも、桔梗の花言葉の由来には、男性を想い続けた女性のエピソードがある。その中には、女性が男性に片思いをしており、想いが叶わぬまま亡くなってしまったという話や、戦地に向かう恋人(夫)を「私自身に何が起こっても、国が滅んでも永遠に待ち続ける」と言って見送ったが女性が、事故で亡くなってしまったという話があり、どちらもその女性の想いはこの世に留まり、桔梗にその魂が宿ったとされる。日本では、想いが叶わなかったことは不憫であれ、死ぬまで想い続けた一途さは好意的に受け止められるが、国や文化によっては、死んでなおこの世に想いが残り続けることが、ネガティブに捉えられているという。そのため、桔梗の「変わらぬ愛」という花言葉は、純粋でひたむきな愛情というより、一種の怨念のような愛情を表していると考えられている。
また、日本でも「執念」を桔梗の花言葉の一つとする説もある。これは、戦へ向かった夫の帰りを生涯待ち続けたという女性の言い伝えに基づくものであり、死ぬまで貫いた彼女の気持ちの強さに由来する。他にも、平将門の桔梗に関する伝承があり、この花言葉につながっているとされる。それは、平将門の愛妾であった桔梗御前(桔梗姫)が、将門を裏切ったために将門は藤原秀郷に討たれ、将門の呪いにより、それ以来その地に桔梗の花が咲かなくなった。そして、桔梗御前自身も、非業の死を遂げた、という伝説である。桔梗御前の出自をはじめ諸説あるが、この桔梗にまつわる怖い伝承が、桔梗にも暗いイメージを持たせ、「執念」という怖い花言葉につながったとされる。
※ 花言葉の内容は諸説あります。
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