死化粧して水色桔梗なりぬ
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季 語 |
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季 節 |
秋 |
出 典 |
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前 書 |
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評 言 |
ご承知の通り、秋の七草を選定した栄誉は山上憶良に帰せられています。ハギ・クズ・ススキ・ナデシコ・オミナエシ・フジバカマ・アサガオの七つ。この中でアサガオは桔梗の古名であろうという説が有力です。桔梗の花言葉は、清楚・気品。死化粧を施されてもなお美しさ、ゆかしさを保ちたいと思うのは、女性一般の願望かもしれません。桔梗の花は多く青紺か白ですが、水色の桔梗を想像すると、さぞ高い気品を漂わせていることでしょう。作者には別に 白桔梗百日経を写しては(『以為』) あかときの桔梗とはなり死にゆけり(〃) 息つめて思いいしなり白桔梗(〃) 死真似をして桔梗になっており(『人寰』) 葬了えて生者渇けり白桔梗 などの作もあります。どうやら作者は桔梗好きのようですが、多く死と結びついたイメージとして表現されていることが注目されます。 現代俳句協会賞受賞作品 |
評 者 |
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備 考 |
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