序曲ト短調とは? わかりやすく解説

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シューベルト:序曲 ト短調

英語表記/番号出版情報
シューベルト:序曲 ト短調Ouverture  D 668 Op.34作曲年1819年  出版年1897年 

バッハ:序曲 ト短調

英語表記/番号出版情報
バッハ:序曲 ト短調Ouverture g-Moll BWV 822出版年1904年  初版出版地/出版社Peters 

作品概要

楽章・曲名 演奏時間 譜例
1 序曲 Overture 3分30秒 No Image
2 アリア Aria3分00 No Image
3 ガヴォットロンドー Gavotte en Rondeau 1分00 No Image
4 ブレー Bourree 1分00 No Image
5 メヌエット I Menuet I0分30秒 No Image
6 メヌエット II Menuet II 1分00 No Image
7 メヌエット III Menuet III 1分00 No Image
8 ジーグ Gigue 1分30秒 No Image

作品解説

2008年4月 執筆者: 朝山 奈津子

 旧バッハ全集には拾遺されず、新全集においても「他者作品編曲」と注釈された作品唯一の資料バッハ存命中の1743年という日付を持つとはいえ筆写不明のものである。が、様式の上からはバッハ初期作品としての特徴をよく備えており、真作である可能性は高い。
 最初楽章フランス式序曲、すなわち緩急緩の3つのセクション分かれている。第1セクション山形動き、すなわち直線的華麗な上行音型と付点による緩やかな下行繰り返される第2セクション逆に谷型の軽快動機いくつも連ねてフーガ主題としている。最後緩徐部分10小節と短いが、第1セクション直線上行の装飾排除して落ち着きのある締めくくりとしている。
 この楽章おもしろさは、調の推移にある。中間のフーガ部分では、g-Mollから始まってB-Dur(第38小節)、F-Dur(第46小節)、d-Moll(第57小節)、Es-Dur(第68小節)を通りここからなんとフラット6つのGes-Dur(第76小節)へ進む。転調勢いはなお収まらず、遂にフラット7つのas-Moll(第84小節)に到達する。ただし、このあたりの調は長く保持されず、まもなくEs-Durへ戻り(第90小節)、やがてg-Moll(第104小節)へと回帰して安定する。これらの転調はV度圏を利用して推移するのであるフーガ部分下行の摸続進行一辺倒動機労作はやや退屈であるが、それだけに一層、こうした調の色合い豊かさ変化楽しめるだろう。
 第2楽章堂々たるアリア装飾音がすべて書き出されている。前半はあくまで穏やかに進むが、反復記号後で急に下属短調c-Mollへ転じるここから主調へ戻る際、第13小節第1拍のフェルマータ付き和音、および第14小節での偽終止は、このアリア表出的な効果をさらに高めている。
 第3楽章は〈ロンドによるガヴォット〉というタイトルを持つ。この曲の中で扱われるのは、第2小節第2拍までの山形舞曲リズムによる動機と、いわゆる溜息動機による順次的な下行、および最初クプレ登場した四分音符八分休符を含む動機である。短く単純な形式ロンドだが、動機転回をよくこなしている。
 続くブレでは、ガヴォットの各動機が再び用いられる溜息動機反復記号以降にようやく現れるが、全体にこの2曲の関連は明確である。
 3つのメヌエットのうち、最初の2曲は転回関係にある。つまり、メヌエットIで右手にあったものがメヌエットII左手に、また左にあったものは右へ移されるメヌエットIII対位法からは自由になるが、関連する動機扱われている。メヌエットIIIIIメヌエットIをダ・カーポするよう指示があり、これを守るとロンドによるメヌエット完成する
 終楽章ジーグで、フーガになっている。ただし主題はわずか半小節の差で模倣されるため、緊密なテクスチュア生まれる。また、付点同音反復組み合わせた8分の6の主題は、鍵盤楽器演奏するとではややしつこい印象与えるが、おそらく落ち着きのあるテンポを選ぶことで解決されるだろう。なお、ジーグ付点リズム用いるのはフランス様式である。


序曲ト短調

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/12 15:51 UTC 版)

ブルックナーの管弦楽曲・吹奏楽曲」の記事における「序曲ト短調」の解説

「序曲ト短調」WAB98はブルックナー1863年作品である。これも、オットー・キッツラーに管弦楽法学んでいた時代作品である。「行進曲」「管弦楽小品」に引き続いて管弦楽曲だが、この序曲は、厳格なソナタ形式によって作曲されている。 1862年末に着手1863年1月4日に一旦完成され直後1月23日改訂されとされる。この時期にキッツラーはワーグナー歌劇タンホイザー』のスコア研究しており、ブルックナーもその研究を共にした。ワーグナー影響がこの曲に反映されているとの指摘もある。 ブルックナー生前演奏出版はなされなかったようで、第1次全集編纂時にオーレル編纂し1921年出版・初演された。ただし同じ年に、ヴェス校訂譜面出版されている(ウニヴェルザール出版社より)。さらに第2次全集としての版が1996年出版された。この他オイレンブルクから出版されているスコアもある。ほとんどの出版スコアには、コーダ部分の、改訂前の譜面併記してある。 調性ト短調再現部後半からコーダ部分ト長調転調する速度記号は、序奏部分はAdagioだが、ソナタ形式主部速度表記は、スコアによって異なる(第2次全集版ではAllegro non troppoだが、オイレンブルク版ではAllegro moderatoいずれも括弧付き)。短い序奏ソナタ形式主部コーダからなる。特にホルン使い方において、その後交響曲予感させる部分が多いと指摘されるブルックナー習作期の作品としては一定の演奏頻度がある。古くはシャピラ、マタチッチといった指揮者による録音存在した新し録音では、リッカルド・シャイー指揮演奏CD化されている。日本においても、朝比奈隆複数演奏会取り上げた他、アマチュア・オーケストラ演奏会取り上げることもある。堤俊作指揮ロイヤルメトロポリタン管弦楽団は、改訂前の譜面用いて演奏行ったことがある後述サイトにてそのライブ録音試聴できる。ただしサイトにおいては1862年版」と説明されている)。

※この「序曲ト短調」の解説は、「ブルックナーの管弦楽曲・吹奏楽曲」の解説の一部です。
「序曲ト短調」を含む「ブルックナーの管弦楽曲・吹奏楽曲」の記事については、「ブルックナーの管弦楽曲・吹奏楽曲」の概要を参照ください。

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