平均寿命、乳児死亡率とは? わかりやすく解説

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平均寿命、乳児死亡率

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 16:09 UTC 版)

江戸時代の日本の人口統計」の記事における「平均寿命、乳児死亡率」の解説

江戸時代生活史人口資料としてよく利用されている資料宗門改帳だが、基本的に静態統計であり、出生直後から宗門人別改めの期日までに死亡した場合には記載漏れとなり、正確な出生数乳児死亡率把握が困難である。宗門改帳より推計され数え2歳時5歳時10歳時、15歳時の平均余命以下の通りである。 宗門改帳用いた江戸時代数え2歳, 5歳, 10歳, 15歳時平余命推計対象村落間数2歳時平均余命, 年数5歳時平均余命, 年数10歳時平余命, 年数15歳時平余命, 年事例計算方法出典男子女子男子女子男子女子男子女子男子女子岩代国安達郡仁井田村 17201870年 37.7 36.4 900 824 死亡コーホート乳児死亡率200仮定成松恵子1992年岩代国安積郡守屋 1716–1872年 37.8 38.6 674 641 死亡コーホート乳児死亡率200仮定成松恵子1985年信濃国諏訪郡横内村 1671–1725年 36.8 29.0 46.7 35.9 50.0 38.3 46.9 35.6 226 144 出生コーホート 速水融1973年) 1726–1775年 42.7 44.0 48.3 48.8 49.9 48.1 46.6 44.6 253 97 信濃国筑摩郡湯船沢村 1675–1740年 37.1 37.6 45.8 42.6 44.1 41.0 39.8 36.8 137 130 死亡コーホート 鬼頭宏2000年) 1741–1796年 43.2 42.0 48.2 44.6 45.1 41.7 42.7 37.7 286 264 美濃国恵那郡飯沼村 1712–1750年 37.4 37.4 43.8 45.4 44.2 43.8 40.4 39.9 104 112 死亡コーホート 速水融1992年) 1751–1800年 45.6 43.8 50.6 49.6 51.2 48.6 46.2 43.6 127 141 1826–1867年 44.4 44.9 47.9 45.2 46.6 44.3 42.1 39.6 128 128 1712–1867年全期間) 42.8 42.3 47.7 46.9 47.6 45.7 43.1 41.2 359 381 1711–1780年 41.8 39.7 50.4 46.9 52.0 47.8 49.2 42.8 100 100 出生コーホート 美濃国安八郡西条村 1773–1800年 34.6 34.4 37.8 39.9 37.5 40.6 34.2 35.6 122 119 出生コーホート 速水融1992年出生時平均余命平均寿命)と乳児死亡率に関しては、懐妊書上帳や出生調書上帳、明治以降数値モデル計算により推計値出されている。以下江戸時代における乳児死亡率出生、満5歳、満10歳、満15歳時平余命推計をまとめる。なお江戸時代全般に見られる異常な男女比嬰児殺し影響があると見られるが、出生調書上帳などでは出産後殺され嬰児についても堕胎とともに死産死産平均余命計算から除外される扱いされている可能性があり、宗門改帳における乳児死亡情報欠落と共に平均余命実際よりも高く見積もられている原因なり得る江戸時代乳児死亡率出生時, 満5歳時, 満10歳時, 満15歳時平余命推計対象村落期間乳児死亡率, ‰出生時平均余命, 年満5歳時平均余命, 年満10歳時平余命, 年満15歳時平余命, 年資料推計方法出典男子女子男子女子男子女子男子女子男子女子陸中国磐井郡狐禅寺 1810–1823年 154 203 46.0 38.4 51.5 48.6 49.8 44.5 44.8 42.2 人数改帳,出減帳,出生調書上帳,病死書上帳,懐妊書上長澤克重 (2008年200 43.6 38.5 乳児死亡率200仮定 1851–1861年 141 186 46.9 40.0 54.0 48.8 50.7 45.5 47.0 42.4 人数改帳,出生調書上帳,病死書上帳,懐妊書上200 43.8 39.3 乳児死亡率200仮定 磐城国白川郡中石井 1808–1826年 178198208 懐妊書上最小中間最大値 鬼頭宏1976年岩代国会津郡金井沢, 鴇巣, 石伏, 桑原村 1752–1859年 200 39.8 36.1 宗門改帳 乳児死亡率200仮定 岡田あおい (2006年羽前国村山郡山家村 1760–1799年 222 204 39.1 41.1 51.8 52.6 49.8 52.2 45.1 47.7 宗門改帳 初年死亡率からの推計 木下太志2002年18001835年 232 213 35.4 35.6 47.3 45.8 45.1 45.0 41.9 41.4 1836–1870年 237 218 36.1 36.2 48.9 47.0 48.6 46.4 44.5 42.3 1760–1870年全期間231 212 36.8 37.5 49.3 48.5 47.8 47.8 43.8 43.8 常陸国茨城郡川戸村 1854–1871年 158170176 懐妊書上最小中間最大値 鬼頭宏1996常陸国河内郡小茎, 六斗蒔 1851–1871年 115143190 懐妊書上最小中間最大値 鬼頭宏1972越前国坂井郡田島村 18191854年 26.3 24.1 宗門改帳モデル 坪内良博, 坪内玲子1984年信濃国伊那郡虎岩 18121815年 229 189 36.8 36.5 48.8 46.3 46.6 46.4 43.9 45.0 宗門改帳 0-4死亡の上修正 小林和正 (1956年飛騨国大野郡往還寺村落宮村, 久々野村) 1776–1795年 264 228 32.5 33.6 49.9 47.6 48.4 46.0 44.8 42.0 過去帳 須田圭三 (1973年),Jannetta, Preston1991年) 1796–1815年 291 252 33.9 32.9 52.3 49.7 51.3 49.9 47.4 45.8 18161835年 314 281 33.9 32.2 53.3 48.2 50.4 45.9 46.8 42.3 1836–1855年 315 313 31.8 31.5 50.0 47.9 48.5 46.1 44.7 42.7 18561875年 397 363 29.2 29.8 49.3 47.8 48.0 47.2 44.6 43.5 1776–1875年全期間288 265 32.3 32.0 50.9 48.2 49.3 47.0 45.7 43.3 美濃国郡上郡中原村 1717–1830年 165 125 43.2 49.7 52.6 46.7 50.0 44.9 宗門改帳モデル Smith1977年美濃国大野郡鹿野村, 安八郡小泉村, 西条村 1751–1869年 232 199 35.9 38.9 48.7 50.5 46.5 47.7 42.5 43.4 宗門改帳 西モデル 斉藤修1992年177 150 38.4 41.3 北モデル 美濃国安八郡西条村 1773–1869年 200 36.8 36.7 48.9 49.8 47.4 47.7 43.5 43.1 宗門改帳 乳児死亡率200仮定 速水融1992年三河国宝飯郡西方村 1782–1787年 43.5 75.3 43.7 75.2 宗門改帳 西モデル Hanley, Yamamura (1977年) 1787–1792年 30.6 39.1 37.3 45.0 1791–1796年 30.5 50.6 35.1 56.2 1782–1796年全期間) 34.9 55.0 38.7 58.8 大和国広瀬郡河合村 17891867年 38.2 過去帳 菱沼従尹 (1978年備前国児島郡藤戸村 18001805年 44.1 54.4 41.1 55.8 宗門改帳 西モデル Hanley, Yamamura (1977年) 1805–1810年 45.1 52.9 45.4 49.3 1825–1830年 40.8 40.3 53.6 36.5 18301835年 34.3 32.1 38.6 49.0 18001835年全期間) 41.1 44.9 44.6 54.5 筑前国宗像郡泉福寺村落鐘崎17001724年 48.9 43.4 過去帳 Kalland, Pedersen1984年) 1725–1749年 47.1 49.1 17501774年 47.7 45.9 1775–1799年 41.2 41.2 18001824年 40.0 39.1 17001824年全期間) 44.7 43.3 以上は農村中心とした研究であるが、これに対して城下町などの人口密集地域では人の出入り激しく平均余命推定が困難である。小林和正は江東区深川浄土宗雲光院跡で出土した江戸時代の満15歳上の人骨の平均死亡年齢男子45.5歳、女子40.6歳と推定している。満15歳時平余命男子30.3年、女子25.6年、男女平均27.8年に相当する東京各所墓地から出土した江戸時代江戸の満15歳上人平均死亡年齢小林和正, 1967年出土場所満15歳上人平均死亡年齢, 歳個体数男子女子男子女子東京各所深川以外) 39.9 40.4 37 21 深川 45.5 40.6 79 29 東京各所 43.9 40.6 116 50 また、ワイスモデル生命表15歳未満適応することにより、菱沼従尹(1978年)は江戸深川出生時平均余命を20.3年と推定している。長岡朋人, 平田和明(2007年)らも都立一橋高校遺跡から出土した人骨元に出生時平均余命を21.3年と推定している。江戸時代一般的に都市部の方が農村比べて死亡率高くて出産率が低い傾向にあり、都市部への出稼ぎを担う農村からの余剰人口を減らすことで全体人口調整していたと考えられている(「都市アリ地獄説」)。 都立一橋高校遺跡から出土した人骨から推定した江戸時代江戸平均余命長岡朋人, 平田和明, 2007年推計方法乳幼児(満5歳未満死亡率, ‰出生時平均余命, 年満5歳時平均余命, 年満10歳時平余命, 年満15歳時平余命, 年直説法 362 20.7 26.0 25.2 23.1 ベイズ推定法 21.8 27.7 27.2 25.5 最尤推定法 21.3 27.0 26.4 24.5

※この「平均寿命、乳児死亡率」の解説は、「江戸時代の日本の人口統計」の解説の一部です。
「平均寿命、乳児死亡率」を含む「江戸時代の日本の人口統計」の記事については、「江戸時代の日本の人口統計」の概要を参照ください。

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