天導衆
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/05 14:35 UTC 版)
将軍家を傀儡として裏から操り国の実権を握る、数名の天人たちからなる謎の組織。編笠とマントで身体を覆った行脚僧のような姿をしており、船体に城が建てられた巨大な宇宙船を拠点に持つ。攘夷戦争の終結以降は、地球の時の権力者に仕えてきた暗殺組織・天照院奈落を手足としている。天人襲来に際して発生した攘夷戦争の折に、反幕府勢力の鎮圧への協力という建前の下に内政に介入し幕府の実権を握った。そして定々や奈落に命じて「寛政の大獄」と呼ばれる攘夷志士たちの大粛清を指導し、吉田松陽ら多数の志士を捕縛・処刑した。 結成当初は星々によるアルタナの奪い合いを防ぐべく、各星のアルタナを管理するための団体「アルタナ保全協会」として設立された。しかし協会はやがてアルタナを管理するという立場を利用してその利権を独占し、星々の内政に介入を始めるようになった。そうして数多の星々を裏から操り食い潰し、いつしか天導衆と呼ばれる存在となった。その活動目的は宇宙のさらなる進化という建前の下に、全宇宙の悲願である不老不死の肉体を手に入れること。 烙陽決戦篇での戦闘のあと、取引で入手した鍵を用いて裏で宇宙戦争を引き起こす手筈を整え終わった虚により幹部たちが用済みとして始末され、組織としては事実上の壊滅に至る。 虚(うつろ) 声 - 山寺宏一、喜多村英梨(謎の少年) さらば真選組篇の後半にて突如姿を現した謎の男。天照院奈落の先代首領にして現天導衆の一角であり、烏の仮面を被り素顔を隠している。その剣の実力は桁外れであり、いずれも作中有数の実力者である神楽・信女・沖田の三人を同時に相手取り圧倒するほど。しかし後述の理由から彼の剣技を知っていた銀時だけは辛うじて互角の戦いを繰り広げる。 その素顔、剣技は松陽と瓜二つ。ゆえに銀時の一撃で仮面がはがれ、素顔が露わになった際は少なからず彼の動揺を誘った。その隙を突き銀時の首をはねようとするが、その剣を素手で受け止めた神楽の叱咤で我に返った銀時の渾身の一太刀を受け深手を負う。しかしその傷を瞬時に回復させるなど、あらゆる面で人の域を超えた力を持つ。 その正体は地球に流れる龍脈(アルタナ)の力により生まれた存在であり、龍脈のエネルギーが供給され続ける限りいかなる手段でも死ぬことのできない不老不死の肉体となっていた。何度殺されても蘇るその力から遥か昔「鬼」と呼ばれ恐れられて周囲の人間から迫害され、幾度も拷問を受け死ぬほどの苦痛を味わわされ続けたあとに、人間にされた行いをなぞるように人々の殺戮を繰り返すようになる。その後、朝廷に捕縛されるが、彼の存在を容認する代わりにその力を借りる道を選んだ朝廷により天照院奈落の首領に任命される。それから500年にわたる殺戮の日々の中で無数の別人格としての「虚」が生み出され続け、その中で自分自身の宿命に抗うために生まれたのが「吉田松陽」の人格だった。しかし攘夷戦争で銀時に首をはねられたことで松陽の人格が消滅し、そしてすべての「虚」を終わらせるために生まれたのが復活した彼の中に宿った最後の「虚」であった。その後、天導衆に捕縛されるが、永遠の命を欲する彼らと取引を行いその一員となる。 黒縄島での戦いのあとに春雨の元老院を全滅させ、代わって新たな指導者の座に就き春雨を掌握する。そして鬼兵隊と第七師団の残党、それを救いにきた銀時たちを掃討するために春雨の全軍の半分を率いて烙陽を制圧し、自身は星海坊主との一騎討ちを挑み死闘を繰り広げるが、彼が集めていた徨安のアルタナの結晶石ごと自身の心臓を握り潰され、他星のアルタナとの拒絶反応により一度は絶命する。しかし直後に星海坊主の攻撃でちぎれていた右腕から蘇生し、背後から星海坊主の右腕を切断し戦闘不能に追い込むも、急激な再生により彼自身のアルタナもいったん尽きたため、とどめは刺さずに撤退する。しかしこの戦いは天導衆の注意を引きつけるための囮であり、その裏では春雨の残り半数の軍を用い各地の星々を襲撃してアルタナの暴走を引き起こし、宇宙中の敵意を天導衆のいる地球に向け、地球ごと自らを滅ぼすべく宇宙戦争を引き起こすための準備を進めていた。 銀ノ魂篇では、用済みとなった天導衆の幹部たちを始末し、江戸に帰還したあとは自身の不死の血を分け与えられ不死者と化した奈落を率いてアルタナ解放軍の江戸の駐屯地を襲撃し、アルタナ解放軍との交渉で取りつけた停戦協定を破棄に導き戦火を広める。そして解放軍の傭兵部隊の王蓋・蒼達・孫老師らが倒されたのを機に再び銀時たちの前に姿を現し、ターミナル地下のアルタナの噴出口を制御し、地球各地のアルタナをターミナルに集め、天鳥船のエネルギーにぶつけることで、地球のみならず宇宙すべてを終わらせようとする。 最終決戦では、地球のアルタナの恩恵を受ける圧倒的優位の中、銀時の繰り出したアルタナの結晶刀をものともせず破壊し、戦場に駆けつけた真選組と第七師団、神威・星海坊主の親子をも圧倒する。しかし定春が暴走する龍脈を抑え、体内に入った結晶刀の破片により一時的に再生能力が低下したことで形勢が揺らぐ。消失したはずの定春を自分たちの生命を験力に変えて繋ぎとめる江戸の住民と、何度打ちのめしても立ち上がる銀時たちの姿に恐れを抱く。そして最後は銀時たちの一斉攻撃を受けて敗北するが、消滅の間際に銀時に「君は松陽を救えなかった」と言い残し、自らアルタナの奔流に飛び込み消失した。 2年後にアルタナの奔流から蘇ったのは虚ではなく吉田松陽の人格だったが、虚の人格はその血を取り込んだ者たちの中で復活の時を待っており、そしてターミナル上空での決戦にて高杉の肉体を乗っ取り松陽と交戦し松陽の血を奪うことで復活を遂げる。しかしその血も肉体もすでに不死身ではなくなっており、銀時との一騎討ちの末に倒され完全な消滅を遂げた。 幹部 声 - 小室正幸、太田哲治、高岡瓶々、烏丸祐一、杉田智和、鈴村健一、千葉進歩、小野友樹、伊原正明、他 天導衆ことアルタナ保全協会の最高幹部たち。暗殺組織・天照院奈落を自分たちの手足として動かしており、また春雨の元老院とも密約を交わしている。メンバーたちは特権として、各星のアルタナの噴出口を制御する唯一の手段である「鍵」と呼ばれるコードが掌に刻まれている。 攘夷戦争の折に内戦鎮圧の名目で内政に介入し幕府の実権を握るようになり、高杉からは定々と同様に松陽の死のきっかけとなった張本人として倒すべき敵として見られていた。一国傾城篇では茂茂から決別の証として解官詔書を手渡され辞任の申し出を受けるも、幕府を支配下に置き続けるための傀儡として保留していた。将軍暗殺篇では茂茂の暗殺計画の裏で密かに対立していた喜々と接触し、将軍の地位と引き替えに彼を取り込み、春雨の元老院とも協力して自身らに敵対する鬼兵隊と第七師団を切り離した。当初は茂茂の身柄の保護も考えていたが、彼が京での新政府の樹立を宣言すると2つの政府の存在で起こり得る大きな混乱を危惧し、茂茂の暗殺を決行した。 攘夷戦争の終結後に蘇った虚を捕縛し、その肉体を調べ上げ不老不死の力を解明しようと試みたが、取引によりその協力を得る代わりに彼を天導衆の一員へと任じたものの、彼を危険視していた幹部たちは鍵を与えることはなかった。しかし烙陽決戦篇の終盤にて複数の構成員が虚と通じ、不老不死の血を得る代わりに手を切断する形で鍵を虚に与えていたことが発覚、アルタナ解放軍による地球へ向けた戦争の引き金となってしまう。 その後は虚の手によって始末されるも、不老不死の血を得ていたために生きた肉片と化しており、解放軍提督の一人であった圓翔に発見され秘密裏に回収されていた。しかし戦争終盤で不死の肉体を求める解放軍の一部兵士たちによって持ち出され、不死の血を操る術を得て復活した数名の幹部たちは星芒教の教祖に君臨する。そして地球にて虚の意思に操られるままに銀時や高杉と交戦するが、最後は銀時と高杉、そして復活した松陽の手によって全滅した。
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