図書館事業とは? わかりやすく解説

図書館事業

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 07:19 UTC 版)

岡田健蔵」の記事における「図書館事業」の解説

北海道新聞』の1944年昭和19年12月24日では、岡田死去が以下のように報じられた。 函館図書館長の岡田健蔵氏が亡くなったことはひとり函館市にとつてのみならず北海道、否(いな)日本のために一つ損失といって差支へあるまい(略)氏がはじめて自設図書館自宅開設したのは、その蝋燭時代であつたに相違なく、しかもそれがまだやつと子供あがりの二十三、四歳の頃だと聞いて、その賦性の高さと情熱感嘆せぬものはないであらう(略)これまたその道権威たるの北大児玉医学部長等もこの才をたゝへ、これを組織し体系づけせぬことをいつも惜しんでゐたといはれる — 北海道新聞 1944, p. 1より引用 後に齋藤與一郎北広島市図書館館長坂本龍三函館市中央図書館4代目館長2015年平成27年就任)の丹羽秀人らは、函館図書館北方資料郷土資料豊富さと、それを収集した岡田功績について、以下のように評価した天下に誇るべきもの(略)それは函館市図書館であります。この図書館内容充実誠に天下に誇るべきもんだ、と私は思っております。(略)このりっぱな図書館は、郷土愛好者のたったひとりの人間の力によって出来たということ思いますと、人間の力もまた大きいもんだと思います無論援助をして下すった人はありますが、とにかく函館図書館は、亡くなりました初代館長岡田健蔵の手によって出来たであります基礎出来たばかりでなく、その上に土台並に内容までも築き上げた(略) — 齋藤與一郎NHK函館放送局『非放談最終回1956年10月30日〉)、坂本 1998, pp. 318319より引用 市立函館図書館内外誇りうる資料2万数千余りにのぼる北方関係資料詩人石川啄木『日記』はじめとする稿本書簡などのコレクションであろう。これらはいずれ岡田健蔵生涯をかけて収集し、そして守り通したのである。 — 坂本龍三坂本 1998, p. 454より引用。 当館のもとになった函館図書館には、帝国大学国会図書館にもない満州樺太千島資料豊富にありました岡田さん北海道に関する価値ある資料幅広く探し出し、このまちに残そうとした。あの時代にそこまで徹底して取り組んだ人は、皆無でした。向学心かたまりだった岡田さんは、同時代の人たちよりはるかに長い射程で、まちのあるべき未来を見据えていたのだと思います。 — 丹羽秀人、谷口 2016より引用 この北方資料日本国内のみならずアメリカ、イギリスロシアドイツ中国など日本国外研究者たちからの評価も高い。一例として、日露日ソ関係史の分野著名なフロリダ大学教授ジョージ・レンセン(George Alexander Lensen)は、1967年昭和42年)に来日して羽田空港着いた際「すぐ函館行きます。あの図書館研究者宝庫です」と語っている。また岡田図書館内に設けた啄木文庫については、函館市史で「全国的に例を見ない優れたものばかりであり、日本近代文学史上において、欠くことのできない貴重なコレクションでもある」と評価されている。 ただし郷土資料などの古書強く目を向ける一方新刊書への興味薄くそのことはしばし批判の的になった市会議員たちからは「昭和十三年私が市会出た時……どうも岡田怪しからん、こんな骨董ばかりに金を出して新刊書というものは、更に用意しないと言って、非常に批難された」との声があり、前述の元議長高木直行は「偉そう構えているが反古紙だの古証文だの役にも立たぬ骨董品を漁っているだけではないか……、古典文献集めたところで市民の腹が脹らむものか、日本一図書館長が聞いて呆れる」と批判した市会予算委員会からも「館長図書選択がその趣味堕する」と厳しく批判された。市会のみならず一般市民からも、岡田収集物古書ばかりとの苦情があった。岡田自身市会同様の批判受けたが、「郷土愛高めることは図書館大切な役目」「郷土資料収集は、函館将来を担う子供たち若者たち地元のことを知ってもらうために重要」と反論していた。また高木直行は、当時自身がまだ若年であったため、岡田真価理解しておらず、一種反感抱いており、批判によって密かに鬱憤晴らしをしていたと後に述懐している。 函館図書館運営にあたっては、図書館建設資金を得るための音楽1909年明治42年)頃より1919年大正8年)頃まで続けたほか、郷土出身画家中心とした絵画展覧会、図書館記念日など図書館行事として展示会講演会催した。また前述した函館大火後の函館復興向けた企画展始めとし、時節応じたテーマによる展示会開催した後年には1936年日本図書館協会による図書館大会では、図書館附帯事業として講演会展覧会など開催挙げられており、さらに後には図書館を含むあらゆる機関情報発信推奨されていることから、函館図書館様々な情報発信行なったことについて、岡田先見性評価する声もある。 また、図書館業における岡田美意識は、間宮富士夫外地活躍した図書館人である靖一らによって下記の通り賞賛されており、これは前述した岡田絵葉書収集趣味通じて培われたものと見られている。 私は岡田さん図書館行事催される際に、或は有名なアイヌ酋長とか、その他催し因んだ多色刷ポスター発行されたことである。他の館又は協会等で発行したポスター比し函館図書館のものは図柄といい、形状に於て断然頭角表している。 — 間宮富士夫坂本 1998, p. 48より引用。 美を基調とする図書館、一体図書館限らず、美の観点乏し施設が繁生すわけはないのだが、この点日本図書館位い、この要素欠き、旦無関心である。……それは貴館トウシャ版のプリント、其他小印刷物毎度見て快哉叫んでいた。 — 靖一、坂本 1998, p. 48より引用

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図書館事業

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/06 22:51 UTC 版)

すばる (企業)」の記事における「図書館事業」の解説

千葉県鎌ケ谷市流山市市立図書館業務請負行っている。 鎌ケ谷市図書館 - 業務委託2005年 -) 流山市立図書館流山市立木図書館 - 指定管理者2012年4月1日 - 2022年3月31日流山市森の図書館 - 指定管理者2013年4月1日 - 2023年3月31日流山市おおたかの森こども図書館 - 指定管理者2015年4月1日 - 2025年3月31日、NOAS Fグループ構成団体として)

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