善財童子とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > 善財童子の意味・解説 

ぜんざい‐どうじ【善財童子】

読み方:ぜんざいどうじ

《(梵)Sudhana-śreṣṭhi-dārakaの訳》華厳経入法界品(にゅうほっかいぼん)に登場する菩薩(ぼさつ)の名。発心して53人の善知識(ぜんちしき)を歴訪し最後に普賢(ふげん)菩薩会って浄土往生願ったという。仏法修業段階示したものとされる


善財童子

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/28 22:56 UTC 版)

善財童子(ぜんざいどうじ、Sudhanakumâra)は、『華厳経入法界品』、『根本説一切有部毘奈耶薬事』などの仏教説話に登場する人物。

概要

華厳経入法界品』は善財童子が仏道修行をするという内容で広く知られている[1]

華厳経

『華厳経入法界品[2]』に於いて、インドの長者の子に生まれたが、ある日、仏教に目覚めて文殊菩薩の勧めにより、様々な指導者(善知識)53人を訪ね歩いて段階的に修行を積み、最後に普賢菩薩の所で悟りを開くという、菩薩行の理想者として描かれている。 善知識の中には比丘や比丘尼のほか外道(仏教徒以外の者)、遊女と思われる女性、童男、童女も含まれている。

派生作品

昔からこの様子が多くの絵や詩歌に描かれており、日本では、明恵上人高弁による善財童子の讃嘆が有名であり、また東大寺には『華厳五十五所絵巻』[3]、『華厳海会善知識曼荼羅図』などが現存している。金沢文庫に『善財童子華厳縁起[4]』がある。

東海道五十三次

一説には、江戸時代に整備された東海道五十三次の五十三の宿場は、善財童子を導く五十三人の善知識の数にもとづくものとされる。

根本説一切有部毘奈耶薬事

ジャータカ(本生経)の1つ『根本説一切有部毘奈耶薬事[5]』によれば善財童子は曠野国に攻め入った時、通りかかった薬叉(夜叉、王は毘沙門天クベーラ)部下はパーンチカ鬼子母神の夫)ら)の援軍をえたという。

西遊記

代に集大成された西遊記では善財童子は紅孩児[6]観音菩薩に帰依した後の名とされる。

脚注

  1. ^ 『華厳経』と教育 (二) The Buddha-Avatamsaka-Sutra and the Education (2) 大手前大学人文科学部論集 4, 35-71, 2003
  2. ^ 大方広仏華厳経入法界品四十二字観門 三蔵沙門不空奉 詔訳”. 仏教典籍検索. 2010年7月30日閲覧。[リンク切れ]
  3. ^ 森本公誠編『善財童子 求道の旅』1998年、朝日新聞社刊
  4. ^ 納富常天 『善財童子華厳縁起』について The Manuscript of the Zenzaidoji-Kegon-engi 善財童子華厳縁起 駒澤大学佛教学部論集 18, 270-298, 1987-10
  5. ^ 巻第十三”. 根本説一切有部毘奈耶薬事 大唐三蔵義浄奉 制訳. 仏教典籍検索. 2010年7月30日閲覧。[リンク切れ]
  6. ^ 元曲雑劇『雜劇·楊景賢·西遊記·第三本雜劇·楊景賢·西遊記·第三本” (中国語(繁体字)). 2010年7月30日閲覧。』第十二折鬼母皈依では紅孩児は鬼子母神の子である愛奴児である


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「善財童子」の関連用語

善財童子のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



善財童子のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの善財童子 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS