和書の歴史とは? わかりやすく解説

和書の歴史

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 06:34 UTC 版)

「本」記事における「和書の歴史」の解説

和装本」および「和刻本」も参照 日本作られた本、いわゆる和書の歴史は、洋書歴史とは異なり、いきなり紙の本から始まる。日本にいつ紙が入り製紙術が伝えられたのか定かではない日本書紀には、610年曇徴来朝し絵具紙・墨巧みに作った記されている。おそらくは日本における碾磑(みずうす)の創製者であるとは書かれているものの絵具紙墨については言及がない。したがって、彼が来朝する以前には製紙術は伝わっていただろうと考えられる。現在残っている最古の本は7世紀初め聖徳太子自筆といわれる法華義疏であるとされている。また、奈良時代本の遺品数千点にのぼり、1000年以上昔の紙の本これほど多数残されているのは世界例が無いまた、日本では製紙法の改良により、三椏などですいた優れた紙の本生まれている事も特筆すべき点である。 印刷術に関しては、8世紀現存するものでは世界最古印刷物である百万塔陀羅尼発行されたが、平安時代には経文文学作品上質和紙の上美し筆遣い書き写す手法がとられ、印刷に関して長く後を絶つうになる平安時代末から鎌倉時代には中国の影響木版印刷広く行われるようになり、主に仏教関連書籍寺院から刊行された。また慶長年間には勅命により日本最初木製活字本現れ、「古文孝経」「日本書紀神代巻」などのいわゆる慶長勅版本刊行された。一方1590年にはアレッサンドロ・ヴァリニャーノによってグーテンベルク活版印刷術もたらされキリシタン版数種が誕生したが、キリスト教禁止などの影響により技術途絶えた。また活字という印刷形態自体繋げ書き一般的だった当時書物には馴染まなかったようで徐々に廃れた現在の日本活字印刷基礎築いたのは本木昌造で、幕末1852年に鉛活字用いて蘭和通弁」を刷り明治になって今日号数活字制定など活字印刷の緒をつけた。 写経 653年3月川原寺大陸から伝わった一切経写経した『日本書紀』29天武天皇年三月」の記事初見である(『日本書紀』渡瀬茂 (2005)、伴信友 (1883))。 書籍将来 712年和邇吉師が『論語』十巻、『千字文一巻将来した(本居豊穎ほか『校訂古事記』の全文『古事記』巻中:応神天皇書影写本国宝真福寺複製))。 735年天平7年玄昉遣唐使随行し一切経》を5千巻将来した(海龍王寺歴史と由来))。 書籍目録 書籍目録経典目録から始まる。757年の《天平勝寳五年五月七日類収小乗經目録》や、複数経典目録天平勝寳八歳七月二日類従圖書寮目録》(奈良国立博物館絵因果経》』解説)。 漢籍目録891年以前藤原佐世作成した日本国見在書目録』が初見である(書影:『国立国会図書館デジタル化資料日本国見在書目録』)。 和書目録1294年奥書の『本朝書籍目録』(書影:『国立国会図書館デジタル化資料本朝書籍目録』)で、493種の書籍記載されている(書誌:『日本古典籍書誌学辞典』p.529)。 書籍大量生産 徳川家康1615年に『大蔵一覧』、元和2年1616年)に『群書治要()活字印本開版し、(解説文:百瀬宏活字世界』)、文治政策により江戸時代書籍出版流行した1779年から1819年塙保己一は『群書類従正編1270種530666冊、続編2103種1150巻1185冊という日本最大叢書完成させた(書誌一部Googleブックス公開)。 洋装本時代 1869年1870年本木昌造美華書館風の明朝体漢字平仮名鉛合金活字開発本格的活版印刷寄与した府川充男活字世界』)。 以降木版和装本から、明治20年頃には洋装本時代となった図書書籍の名を冠した718年養老令中務省所属図書寮現在の宮内庁書陵部一部役割)があり、書籍扱っていた(『令義解』(天長10))。 1872年明治5年)に書籍館しょじゃくかん)が湯島聖堂開館した現在の図書館前身で、東京国立博物館書籍引き継がれた(解説文:東京国立博物館:館の歴史))。

※この「和書の歴史」の解説は、「本」の解説の一部です。
「和書の歴史」を含む「本」の記事については、「本」の概要を参照ください。

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