前近代の心理学的思想とは? わかりやすく解説

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前近代の心理学的思想

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 06:16 UTC 版)

心理学の歴史」の記事における「前近代の心理学的思想」の解説

心の哲学」を参照 古今多く文化心・魂精神等々に関する思索が行われた。例え古代エジプトでは、エドウィン・スミス・パピルスに脳に関する初期の記述や脳の機能に関するいくらか思索含まれている(が内科的あるいは外科的な文脈においてのものである)。他の古代医学的文書が病をもたらす悪魔退散まじない祈願その他の迷信満たされているのに対してエドウィン・スミス・パピルス含まれるほぼ50病態に関する療法の内一つだけ悪魔よけのまじないである。このためエドウィン・スミス・パピルス今日常識みなされているものと同様のものとして称揚されているが、それが全く異な文脈起源することを忘れてならないタレス紀元前550年活躍)からローマ時代まで、古代ギリシア哲学者たちは、彼らが「プシュケー」(psychologyという言葉前半分はこれに由来する)と呼ぶものやその他の心理学的述語―「ヌース」、「トゥモス」、「ロギスティコン」等々に関する精緻な理論発達させた。中でも最も影響力が高いのはプラトン(特に『国家』)、ピタゴラスアリストテレス(特に『霊魂論』)による説明である。ヘレニズム哲学者(すなわち、ストア派エピクロス派)達は古典時代ギリシア諸学派とはいくつかの重要な点区別される。特に、ヘレニズム哲学者たちは心の生理学的基盤に関する問題関心抱いた点で異なる。ローマ時代医師ガレノスはこういった問題を最も精緻説明し以後全ての人々影響与えたこうしたギリシア哲学キリスト教イスラームの心論に影響したユダヤ・キリスト教流れでは、集団規定死海文書以降紀元前21年頃-61年)に人間の本性二つ性質区別することが言及されている。 アジアでは、中国教育システム一環として能力試験管理した長い歴史有する6世紀に、Lin Xie初期試験実行し試験において(明らかに人の気の散ることに対す弱さテストするために)片手四角描いてもう一方の手で丸を描くように要求した。これは最初心理学実験であり、ゆえに実験科学としての心理学始まりであると主張した者もいる。 インドまた、ヴェーダーンタ哲学著作みられるように「自己に関する精緻な理論を持つ。 中世イスラーム医学者様々な心の病」に悩む患者治療する臨床的技術発展させた。 アブー・ザイド・アーメド・イブン・サール・バルキ(850年934年)はその流れ中でも最初期位置し心身両面の病について論じて、「ナフス(プシュケー)」が病を得ると、肉体も生活の中で快を失い最終的に肉体の病に至る」と主張した。アル・バルキは、肉体も魂も健康であった病んだり、言い換えればバランス保っていたりバランス崩れたり」することができると認識していた。肉体バランス崩れると発熱頭痛その他の肉体的症状発し一方魂のバランス崩れると憤怒、不安、悲嘆その他の「ナフス」に関係する症状発すると彼は書いている。今日我々が鬱病と呼ぶようなものには二種類あると彼は認識していた: 一方喪失故障といったわかる理由によって起こり心理学的に治療できる; そしてもう一方はおそらく生理学的原因によるよくわからない理由によって起こり物理療法によって治療できる学者イブン・アル・ハイサムアルハゼン)は、様々な種類感受性触覚知覚、色の認識明暗認識月の錯視心理学的説明両眼視といった、視覚認識その他の知覚に関する実験行ったアル・ビールーニー反応時間試験にこういった実験手法用いたイブン・スィーナーもまた同様に初期の研究でナフスに関係する病を取り扱い内的感覚連動した心拍数変化説明する体系発展させた。また、今日では精神神経疾患として扱われている現象についてもイブン・スィーナー書いているが、具体的には、幻覚不眠症躁病悪夢憂鬱認知症てんかん麻痺脳梗塞空間識失調震顫などがある。 心理学関係する話題扱った他の医学思想家は以下: ムハンマド・イブン・シリン、夢や夢解釈扱った書物著した; アル・キンディーアルキンドゥス)、ある種音楽療法発達させた[要出典] アリー・イブン・サール・ラッバン・アル=タバリ、「アル=イラジ・アル=ナフス」(心理療法訳されることがある)を発展させた アル・ファーラービーアルファラビウス)、社会心理学意識研究に関する主題論じた; アリー・イブン=アッバース・アル=マジュシ(ハリュ・アッバス)、神経解剖学神経生理学に関して著述した; アブー・アル=カースィム・アッ=ザフラウィーアブルカシス)、脳神経外科学に関して著述した; アブー・ライハーン・アル・ビールーニー反応時間について著述した; イブン・トファイルタブラ・ラサ概念生得論先取りした。 アブー・メルワーン・アブダル=マリク・イブン・ズール(アヴェンゾアル)は今日で言うところの今日髄膜炎血栓静脈炎縦隔胚細胞腫瘍と同じ病について著述した; イブン・ルシュド網膜に光受容性があると考えた; そしてモーシェ・ベン・マイモーン狂犬病ベラドンナ中毒について著述した。 ウィテロ知覚心理学先駆者とされる彼の言う「ペルスペクティヴァ」(羅: Perspectiva)には心理学的要素多く含まれ近代観念連合潜在意識に関する思想に近いものを形作っている。

※この「前近代の心理学的思想」の解説は、「心理学の歴史」の解説の一部です。
「前近代の心理学的思想」を含む「心理学の歴史」の記事については、「心理学の歴史」の概要を参照ください。

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