全国の義士祭
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義士祭は、日本各地の忠臣蔵ゆかりの地でも行われている。赤穂事件が発生した12月14日 (旧暦)に合わせて行われることが多い。 北海道義士祭 - 北海道砂川市の北泉岳寺周辺で行われている。赤穂浪士の崇拝者だった住職が泉岳寺に義士墓建立と寺名の変更を2代にわたって陳情、昭和28年2月、北泉岳寺への寺名の変更が正式に認められた。昭和31年、泉岳寺にある義士の墓の土を四十七個の木箱にわけて持ち帰り墓所を造営し開眼入魂祭を挙行したのが始まり。義士パレードをはじめ、当り矢そば、お茶席、甘酒の振る舞い、餅まきなどが行われる。 笠間義士祭 - 赤穂藩主・浅野家ゆかりの茨城県笠間市で行われる。笠間稲荷門前通りを行進する「義士パレード」(笠間義士会主催)は、2015年で50回目を数え、多くの観光客で賑わう。 泉岳寺赤穂義士祭 - 東京都港区の泉岳寺で行われる。もとは慶長17年(1612年)徳川家康が幼年に身を寄せた今川義元の菩提を弔うために開山した寺であったが、赤穂藩主浅野家の菩提寺でもあったことから、赤穂事件の後は、赤穂四十七義士の墓所として知られ、歌舞伎「仮名手本忠臣蔵」の興行が盛んになるにつれて一層賑わいを見せるようになった。浅野長矩公墓前供養、義士追善供養祭の他、献茶式や義士行列が行われる。 本所松坂町公園義士祭 - 吉良邸の跡地の一角に造られた本所松坂町公園(東京都墨田区)で行われる赤穂四十七義士の供養祭。両国連合町会の主催で、昭和9年(1934年)に始まったとされる。当日は多数の出店などがあり、全国から多くの観光客で賑わいを見せる。14日の義士祭に合わせた週末の土日には、吉良祭・元禄市と吉良神社(神社合祀により吉良邸内稲荷社)での戦死者供養も行われる。 新発田義士祭 - 堀部武庸の生誕地である新潟県新発田市で開催。生家・中山家の菩提寺である長徳寺を中心に、武庸を偲んでの法要・剣武・居合・詩吟等の他、赤穂義士に扮した少年少女剣士による市中パレードがある。 山科義士まつり - 昭和49年、この地に隠棲した大石内蔵助を偲んで、義士ゆかりの寺院も多く点在する京都市山科区周辺で始まった祭り。義士行列が毘沙門堂を出発、47士の遺髪が納められている浅野家の菩提寺瑞光院での法要後、子供義士行列などが加わり、岩屋寺、大石神社までをパレードする。 法住寺義士会法要 - 京都府京都市東山区にある法住寺で行われる。山科に閑居していた内蔵助が法住寺の身代り不動尊に参拝していたと伝えられ、四十七士木像御宝前にて法要の後、討入りそばやお茶席などの接待がある。 四十七士記念義士祭 - 京都市左京区にある義士の寺とも呼ばれる本妙寺で行われる京都義士会主催の義士祭。毎年12月14日には義士追悼法要の他、琵琶の奉納演奏や、義士の木像が置かれた宝物館(義士堂)において数々の義士遺品、遺墨を展示公開している。寺には吉田忠左衛門とその子吉田沢右衛門、忠左衛門の実弟で母方貝賀新兵衛の家を継いだ貝賀弥左衛門の三義士、貝賀の妻の墓がある。 大阪義士祭 - 大阪府天王寺区にある、赤穂藩浅野家の祈願所であった吉祥寺で行われる。子供義士時代行列の他、武道、太鼓、吟詠、落語などの奉納が行われ、討入そばの接待がある。毎年、赤穂からの交流大使が参加し赤穂義士会からの親書が伝達される。 古市義士祭 - 兵庫県丹波篠山市。不破数右衛門ゆかりの宗玄寺を中心に行われる。子供義士行列が行われ、義士そばが振舞われる。 加東市赤穂義士祭 - 兵庫県加東市家原にある浅野家の祈願所であった観音寺で行われる。義士祭では追善法要のほか、少年剣道大会や中学駅伝大会などが開かれる。 久学寺義士祭 - 兵庫県加西市上芥田町にある、浅野家ゆかりの三がく寺(花岳寺、泉岳寺)の一つ、河上山久学寺で行われる。追善法要や講話、尺八演奏などがあり、小野寺十内の菩提寺である、多聞寺でも義士供養祭が行われる。加西市は2017年10月に行われた第29回義士親善友好都市交流会議の開催都市でもある。 豊岡義士祭 - 大石内蔵助の妻香林院(りく)の里である兵庫県豊岡市で行われる義士祭。りくの遺髪塚がある正福寺では、義士の追善法要や、豊岡義士会の主催のそば会があり賑わう。 三次義士祭 - 広島県三次市にある芸州浅野藩の菩提寺鳳源寺を中心に行われる。浅野内匠頭長矩の正室阿久利の里。平成27年(2015年)から中断中。 三原義士祭 - 広島県三原市にある宗光寺を中心に行われる。芸州浅野家の城下であり『仮名手本忠臣蔵』の作者の一人並木宗輔ゆかりのまちであることから、大正13年(1924年)から行われ、一時期途絶えたが、平成28年(2016年)に復活した。旧暦の12月14日にあたる1月23日に行われる。 赤穂義士討入り大祭 - 広島県広島市にある、浅野家ゆかりの明星院で行われる。本堂には原爆の被害から焼失を免れた赤穂浪士の木像が保存されており、子供義士行列や、討入りそばの接待、お茶席などがある。 松山義士祭 - 愛媛県松山市末広町にある興聖寺周辺で行われる。討ち入り後、松山藩江戸屋敷にお預けになった10士のうち、木村岡右衛門貞行と大高源吾忠雄の遺髪を、2士の介錯人である宮原久太夫頼安の菩提寺である興聖寺に埋葬した由縁で行われている。義士の慰霊法要のあと討ち入りそばが振る舞われる。 福岡義士祭 - 福岡県福岡市にある興宗寺で行われる。昭和になって泉岳寺にある赤穂四十七士の墓と同じ様式の墓所が興宗寺境内に復元されたのを機に、毎年12月14日に義士祭が開催されている。黒田藩に伝わる砲術「陽流抱え大筒」の奉納披露が行われ、討ち入りそばやかゆが振舞われる。 津屋崎義士祭 - 福岡県津屋崎(現福津市)で行われる義士遺徳祭。大正2年(1913年)に、桃中軒雲右衛門の浪曲『義士銘々伝』に感銘を受けた地元実業家児玉恒次郎が、泉岳寺に分霊を懇願し創建されたという新泉岳寺周辺で行われている。赤穂浪士を題材にした詩吟や剣舞が行われ、そばやぜんざいのふるまいなどがある。 若松忠臣蔵 - 福岡県北九州市若松区にある恵比須神社において、昭和62年頃より行われる赤穂義士を称える伝統行事。建物が国の登録有形文化財でもある創業120年を誇る老舗料亭「金鍋」で、四十七士の名前と家紋が入った会津塗の膳が発見されたことが由縁とされる。 山鹿義士まつり - 熊本県山鹿市にある日輪寺を中心とした義士まつり(毎年2月4日)。江戸の細川藩邸で赤穂義士の接待役を務めた堀内伝右衛門が赤穂義士の義挙に感銘を受け、遺髪塔を日輪寺に建立したとされる。赤穂十七義士慰霊祭として「蕎麦振る舞い」などがあったが、現在は終了している。
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