佐竹義春とは? わかりやすく解説

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佐竹義春

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/27 04:57 UTC 版)

佐竹義春
さたけ よしはる
自由通信社編『輝く憲政』より
生年月日 1890年7月17日
没年月日 (1944-04-13) 1944年4月13日(53歳没)
出身校 東京帝国大学文科大学国史科卒業
所属政党 火曜会
称号 従二位
勲二等
配偶者 佐竹兼子
子女 長男・佐竹義栄
親族 祖父・徳大寺実則(内大臣)
伯父・佐竹義理(貴族院議員)
伯父・徳大寺公弘(貴族院議員)
伯父・高千穂宣麿(貴族院議員)
伯父・鷹司煕通(貴族院議員)
父・佐竹義生(貴族院議員)
義父・九条道実(貴族院議員)
叔父・島津忠重(貴族院議員)
義弟・九条道秀(貴族院議員)
義弟・中山輔親(貴族院議員)
娘婿・鍋島直紹(科学技術庁長官)

在任期間 1915年7月16日 - 1944年4月13日
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佐竹 義春(さたけ よしはる、1890年明治23年〉7月17日[1] - 1944年昭和19年〉4月13日[1][2])は、大正から昭和期の華族佐竹宗家34代当主。貴族院侯爵議員位階従二位[3]勲等は勲二等[3]

生涯

侯爵・佐竹義生、祚子夫妻の長男として生まれる[1]。父の死去に伴い1915年大正4年)3月30日、侯爵を襲爵[1][4]。同年、東京帝国大学文科大学国史科を卒業[2][5]。同年7月16日、満25歳に達し貴族院侯爵議員に就任した[2][6]1928年(昭和3年)火曜会に入会して死去するまで在任した[7]

明治以来、佐竹侯爵家の財政は逼迫しており、1917年(大正6年)11月、家令の大縄久雄が義春同意のもと、益田鈍翁高橋箒庵を世話人とした美術品の売立て「佐竹侯爵家御蔵器入札」を東京美術倶楽部で行った。入札の目玉は「佐竹本三十六歌仙絵巻」で、35万3000円で落札(当時の1万円は21世紀現在の1億円に相当)。このほか雪舟「山水帆懸船」、藤原定家「御犬之文」、一休宗純「墨蹟 鹿の一声」、茶入れ「山桜大海」など300点の名品が売却された。

だが昭和に入っても佐竹侯爵家の財政事情は好転せず、徳川義親1937年(昭和12年)から、三女・百合子(佐竹義栄夫人)の嫁ぎ先となる佐竹侯爵家の家政整理にも介入する。義親は徳川厚男爵家紀州徳川侯爵家一橋徳川伯爵家など多くの困窮華族の財産整理を手助けした実績があるが、義春は義親の財政立て直し案を受け入れず、佐竹家の家政整理は失敗した。義親は日記に「 (佐竹義春)侯爵も(兼子)夫人もこれほど馬鹿とは思わなかった。家の没落もまたやむを得ないことだろう。華族はみなこうして没落してゆく。」と記した。

1942年(昭和17年)、義春は佐竹家伝来の美術品や資料2300点を家令の小林昌治に譲渡し、後世へ伝える文化財として永久保存するよう懇請。小林は1981年(昭和56年)、私財を投じてこれらの文化財を保存・展示する「千秋文庫」を設立した。

親族

脚注

  1. ^ a b c d e f g h i 『平成新修旧華族家系大成』上巻、670-671頁。
  2. ^ a b c 『議会制度百年史 - 貴族院・参議院議員名鑑』17頁。
  3. ^ a b 議会制度七十年史 第1 17コマ』 - 国立国会図書館デジタルコレクション
  4. ^ 『官報』第796号、大正4年3月31日。
  5. ^ 『人事興信録』第14版上、サ22頁。
  6. ^ 『官報』第889号、大正4年7月19日。
  7. ^ 火曜会所属・公正会所属貴族院議員録 25コマ』 - 国立国会図書館デジタルコレクション
  8. ^ 人事興信録 第14版 上 480コマ』 - 国立国会図書館デジタルコレクション

参考文献

  • 人事興信所編『人事興信録』第14版上、1943年。
  • 衆議院・参議院編『議会制度百年史 - 貴族院・参議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1990年。
  • 霞会館華族家系大成編輯委員会『平成新修旧華族家系大成』上巻、霞会館、1996年。
日本の爵位
先代
佐竹義生
侯爵
佐竹家(宗家)第3代
1915年 - 1944年
次代
佐竹義栄



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