スプリングフィールド原子力発電所
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/05/07 07:54 UTC 版)
スプリングフィールド原子力発電所(Springfield Nuclear Power Plant)は、アメリカ合衆国のテレビアニメシリーズ『ザ・シンプソンズ』に登場する架空の原子力発電所である。
概要
この発電所の核であるSlow-Fission Reactorの動作が悪く、メンテナンスもあまりなされていないのは、Fissionator 1952 Slow-Fission Reactorが342以上の違反をなし、発電所を止めるだけでも5600万ドルかかると考えたバーンズの無関心によるところが大きい。一度ドイツの企業に買収されたが、一般的な安全基準値に改善するためには莫大なコストが掛かる事と判明し、バーンズの狡猾な交渉によって買収額の半値で売却させられている。
そのためか、メルトダウン未遂になったことが何度かある。また、建物の底に光るネズミがいたり、本来蒸気しか出さないはずの冷却塔から放射性物質を含んだ緑色の煙やガスが漏れ出ていたり、その冷却塔に入っていたひびに従業員がガムを詰めて直したり、パイプやドラム缶から放射性廃棄物が垂れ流されていたり、放射性廃棄物が子供の遊び場に置かれていたり、プルトニウムが文鎮代わりに使われていたり、発電所境界の放射線量がガイガー=ミュラー計数管が危険だと示すレベルに達していたり、発電所の土地に人骨が埋まっていたり、警報装置が作動しても従業員が何の行動も取らななかったり、放射能によって三つ目の魚や巨大クモといった突然変異体が発生したりと、安全管理は極めてずさんなものである。ある回では非常口が実際のものではなく絵に書いてあっただけだったことも判明した。 また、オープニングにおいてホーマーが作業着の背中についた光るプルトニウムの延べ棒を道路に捨てているという場面がある。
そのホーマーも『ホーマー辞典』(原題:Homer Defined)や『キングサイズのホーマー』(原題:King-Size Homer)といった回では3度も原発事故を回避し、己の武勇を見せた。 スプリングフィールド原子力発電所の外観や不品行は、しばしばマット・グレイニングの故郷であるオレゴン州ポートランドにあるトロージャン原子力発電所かワシントン州南東部にあるハンフォード・サイトを基にしたのではないかとうわさされるが、グレイニングの広報担当者であるアントニア・カフマンはグレイニングがこのようなうわさを否定し、実在の原子力発電所を基にしていないと話している[1]。 なお、トロージャン原子力発電所は1976年に操業を開始したが、設備と点検が貧弱であり蒸気発生装置が漏洩を起こしたため1993年に閉鎖。ただし、発電所からの移転はあった。2006年5月21日には冷却塔が取り壊された[2]。
経営者・主要従業員
- チャールズ・モンゴメリ・バーンズ
- この原子力発電所のCEO。
- ウェイロン・スミサーズ
- バーンズの秘書であり、事実上の原発管理者。ただし、バーンズを怒らせないようにしていることが多い。
- 同性愛者でもあり、上司であるバーンズを想っているが、本人に気付かれたことがない。よく月間最優秀従業員賞をとるが、ホーマーが一度メルトダウンを防いだ際は、彼に月間最優秀従業員賞を取られた。
- ホーマー・シンプソン
- 第一子バートをもうけたときからセクター7-Gの安全検査官として働いている人物。
- T-437 Safety Command Consoleの前に座って作業していることが多いが、操作の仕方をわかっておらず、たいていいびきをかいて寝ているかドーナツを食べているかのどちらかの行動をとっている。ある回ではボタンをいい加減に押し、またある回では操作盤のレバーにレンガをくくりつけたこともあった。
- 第1シーズンにおいて、社会科見学に来ていたバートに向かって手を振った際、誤って乗っていた電気カートを蒸気パイプにぶつけてしまい、この発電所の技術管理者の職を失ってしまう(その回のうちにバーンズに安全検査官の職に任命された)。ホーマーは何か気を引くものがあるとその場を離れてしまうが、何かいわない限り、上司に気づかれることはなかった。(ただし「I can't go back - "not the way I quit". 」と発言した回があった)
- スミサーズは『ダメパパ、ヒーローになる』(原題:See Homer Run)で、ホーマーがホームレスに仕事を任せていたことがあったと発言した。バーンズも休憩時間を切り詰めなければならなくなったとき、ホーマーの代わりに働いたことがあった。また、別の回では絶滅危惧種であるマナティに仕事をさせ、そのマナティを脱水症状に陥らせたことがある。この原発どころか町全体が最低1回以上はホーマーのせいで危機にさらされたことがあったというのに、ホーマーは現在も職についている。
- ホーマーの仕事に関する描写は回を追うごとに変わってきている。初期は仕事への責任感と野心がホーマーからあふれてはいたが、「ホーマーは二度越す」(原題:You Only Move Twice)という回ではバーンズとスミサーズの次に偉い人という描写になってきており、また別の回では組織図においてInanimate Carbon Rodの下にあって、入門レベルの時期がもっとも長い人物という描写がなされていた。
- ホーマーは仕事中の不注意やばかげた行為でよく知られている。しかし、ほかの従業員も炉心溶融がおきたことを示すサイレンが鳴ってもただの火災訓練だろうがお構いなしにパニックに陥ったり、働きもせずに闘鶏やチェスに興じていたり、いすを次々に倒したり、酒を大量に飲んだり、机にうつぶせて泣いたり、昼寝の時間を設けたり、緊急時にとるべき行動を書いたポスターを見舞い用のカードを作るためにはがしたりと、ろくでもないことをする者が多い。
- カナリア・M・バーンズを籠から出した後、ホーマーがこの原子力発電所の法律上の所有者になったが、すぐにやめさせられた。
関係者
- CrusherとLowBlow
- 雇われチンピラ。
- Eugene Fisk
- ホーマーの上司。かつては彼の助手だった。
脚注
- ^ LaBoe, Barbara (2006年5月14日). “'Simpsons' keeps Trojan tower legacy alive ... or does it?”. The Daily News (Longview). p. A1 2006年5月28日閲覧。
- ^ Tower of Oregon's only nuclear plant goes down[リンク切れ]
スプリングフィールド原子力発電所
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「ザ・シンプソンズの登場人物」の記事における「スプリングフィールド原子力発電所」の解説
(Springfield Nuclear Power Plant) チャールズ・モンゴメリー・バーンズ社長(Montgomery Burns) 声:クリストファー・コリンズ→ハリー・シェアラー/北村弘一→小形満(オリジナル版)、伊井篤史(劇場公開版) ホーマーが勤める原子力発電所の社長。原発のもたらす環境汚染には全く無関心な守銭奴で極悪人。部下・外国人労働者達に人権を認めず、労働者を法外な低賃金で働かせる・放射性廃棄物を垂れ流す・発電所内の設備をケチると言ったこともしばしば。二重帳簿を用いて脱税もしている。また、杜撰な放射性廃棄物管理の所為で体が緑色の光を放つようになってしまったことがあり、スプリングフィールドにX-ファイルのモルダーとスカリーのコンビが調査に訪れる原因となった。 元は優しい子供だったが、ひねくれて無情な億万長者バーンズ家(実は祖父だった)の養子として入って以来、今の性格になってしまった。しかし、自身を助けた人物にはそれ相応の計らいをしたり、庶民の生活を満更でもなく謳歌した時など、人間臭い部分を見せることもある。第二次大戦中の階級は一等兵で、エイブラハム・シンプソンの部下だった。戦争時にドイツから没収し横領した財宝を独り占めするため、殺し屋を雇いエイブラハムを抹殺しようとしたこともある。学生時代は大学フットボールのスタープレイヤーだったが、現在はそよ風で吹き飛ばされてしまうほど体が弱い。身の回りの世話を含めほとんどのことをスミサーズに任せている。何度もホーマーに会っているのに全く覚えていない(しかし、ごくまれに名前を覚えており、呼ぶ時がある)。マギーに銃で撃たれたことがある。たくさんの病気を患っているが、それらが均衡を保っているため健康でいられる。 親族にはジョージという名の弟の他、隠し子である息子(日本語版の声:塩屋浩三)が一人いるが、性格は父と180度違い、ホーマーとやけにウマがあった。また、自身の年齢が100歳を超えているにもかかわらず母は存命しており、電話を掛けてくることもある(スミサーズは母親をうまく言いくるめて電話を取り次がせないようにしているらしい)。共和党員。イェール大学OBで他の大学、特にハーバード大学を毛嫌いしている。口癖は「エクセレント!」。ドイツ語にも堪能。 スプリングフィールドが経済的に困窮した際に打開策としてギャンブルが合法化された際にはカジノのオーナーとなったが、なぜか晩年のハワード・ヒューズのように異常な潔癖症になってしまったこともある。 シーズン22「生まれ変わったモーの店」では正式な氏名が「チャールズ・モンゴメリー・シックルグルーバー・プランタジネット・バーンズ」であるとなっている。 ウェイロン・スミサーズ(Waylon Smithers) 声:ハリー・シェアラー/目黒光祐、糸博(劇場公開版) バーンズの秘書。年は40代前半とされている。公にはしていないがホモセクシャルで、ゲストにその手のキャラが出てきた場合に絡むことが多く、バーンズには片想い状態。モーが自身の店をゲイバーに改装した際には店の経営に携わったこともある。彼の父親も原発技術者にしてバーンズの部下だったが、原発事故を自身の命と引き換えに防ぎ犠牲となった。この時の遺体は少年時代のホーマーに強烈な記憶を残しており、今でも思い出すと一日中叫び声を上げる。バーンズの為ならあくどい事でも平然と行うが、裁判の際、バーンズのあまりに行き過ぎた虚言には他の傍聴人同様に非難の眼差しを送っていた事もある。バーンズが絡まない時には基本的に良識ある善人で、困っているリサに協力した事もある。女の子に人気のファッションドール、マリブ・ステイシーのコレクター。昔は結婚して奥さんもいたようだが、あまりにスミサーズが仕事のことばかりを考えているので離婚。レギュラー放送開始当時の数話のみ明らかに黒人として描かれている(肌が黒い)。シーズン3「ホーマーはクビ!」にて蜜蜂に刺され、シーズン7「スプリングフィールドに関する22の短いフィルム」ではアナフィラキシーショックを起こす。 レニー・レオナード(Lenny Leonard) 声:ハリー・シェアラー/朝戸鉄也、多田野曜平(劇場公開版) ホーマーの同僚。37歳未婚。カールと常に行動を共にしており、初期はゲイの設定があった。核物理学の博士号を持っている。米国ライフル協会のメンバーでもある。未婚にもかかわらず「妻がミスコン優勝者である」などと嘘をつくこともしばしばある。バーンズやホーマーのいたずらで片目をしばしば痛める。 カールに対しては親友と呼んで余りあるほど執着しており、上手くいきかけていた交際相手に「四六時中カールの話しかしない」という理由でフラれてしまうほど。ホーマー、モーらと4人で買った宝くじの当選金をカールが持ち逃げした際にも最後までカールの裏切りを信じようとせず、追ってアイスランドに旅立つ時にまとめた荷物には、カールの顔がプリントされたシャツや帽子が大量に入っていた。 カール・カーソン(Carl Carlson) 声:ハンク・アザリア/辻親八、横島亘(劇場公開版) ホーマーの同僚。黒人の仏教徒で既婚者。レニーと常に行動を共にしている。修士号を持っており、原発の労働組合の委員長。本人は否定しているがヒップホップダンスとバスケットボールが得意。初期はホーマーやレニーの上司という設定があり、会社やバーンズ社長の悪口をたしなめる役だった。 出身はアイスランドで、実家は「バイキングの襲撃時に仲間を裏切りヤギを虐殺した一族の末裔」として地元で白眼視されている。養子で血の繋がりは無いが強い恩義を感じているらしく、一族の潔白を証明することを切望している。 また、実父は探検家で1956年に洞窟を見つけ、その名前が残っている(しかしCarl's Dad Cavernsとなっており、本名はわからない。)。 三つ目の魚(Three-eyed fish) 初登場エピソード - ヒーロー誕生(シーズン1) 原子力発電所付近に生息する、廃棄物が原因で突然変異した三つ目の魚。発電所内の庭園の池に生息するものや、近隣の河川に生息するものなど、数匹の個体の存在が確認されている。「バーンズ知事選に出馬!!(シーズン2)」では池でバートに釣り上げられ、ニュースになった。この個体はバーンズがブリンキーと名付けて飼っていたが、後にマージに調理され、カメラの放列の前でバーンズの夕食に出された。
※この「スプリングフィールド原子力発電所」の解説は、「ザ・シンプソンズの登場人物」の解説の一部です。
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