シャアに関する知識
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「シャア・アズナブル」の記事における「シャアに関する知識」の解説
キャラ設定の経緯 シャア・アズナブルは、テレビアニメ『機動戦士ガンダム』の企画が、『十五少年漂流記』を元にした少年宇宙戦記物『フリーダム・ファイター』からロボットアニメ『ガンボイ』に至った際に、敵キャラクターのエースとして誕生した。ライバルキャラには因縁を付ける必要があるため、仮面を着けることとなり、ジオン・ズム・ダイクンの遺児という設定が付加された。初期には好敵手との設定があるのみで詳しい設定がなかったための仮面着用であったことを、後に安彦良和は語っている。 名前の由来 仮面を着けたライバルといって、サンライズの企画部デスクであった飯塚正夫がすぐに思い浮かべたのが、『勇者ライディーン』のプリンス・シャーキンであった。シャアという名は、人気キャラであったシャーキンにあやかって付けられたものである。それに富野由悠季が当時ファンであったという、フランス人シャンソン歌手シャルル・アズナヴールの名前をもじって組み合わせ、シャア・アズナブルという名が誕生した。また、別の説として、NHK『BSアニメ夜話』において、「シャー」という効果音と共に現れることから「シャア」と名付けたと富野自身が発言している。いずれにせよ、サンライズのキャラクター名はダジャレのようなもじりでつけるのが慣習となっている。なお、「シャー」はペルシア語で「皇帝」を意味する言葉であり、イラン革命によるパフラヴィー朝の崩壊直後、関連性を勘繰るファンが相次いだが、『アニメック』誌などで富野や松崎健一はこれとは無関係であるとの言を繰り返した。 左遷からの復帰 本来は最終話まで登場するライバルとして設定されていたシャア・アズナブルであったが、視聴率不振によるてこ入れにより、ガルマ・ザビが戦死し、その責を問われてドズル・ザビに左遷されたことで第12話以降は一切出る予定がなくなっていた。しかし、サンライズに届いた「ガンダムの最初のファンになってくれた(富野夫人の談)」女子中学生の葉書と、プロデューサー・関岡渉の「一番人気であったシャアを殺すことなく敵役として出し続けて欲しい」という富野への直談判で、シャアは第26話で復活を果たすこととなる。 ララァとの出会い 原作者・総監督である富野由悠季が後々に書き下ろした小説『密会 アムロとララァ』によれば、ララァと初めて出会ったのはガンジス川の畔に建つ売春宿である(詳しくはララァ・スンの項にて)。なお、『THE ORIGIN』では一年戦争以前にすでに出会っている。 『機動戦士ガンダム』のアフレコ時、シャアの声優である池田秀一が役作りのために監督の富野にシャアはララァと寝たのか確認したところ、富野は「そう考えてもらって結構」と答えたという。全研が以前出していた漫画情報誌『Comnavi』VoL.9(1998年)でのガンダム特集での池田へのインタビューによれば、「富野監督ははっきりとは答えなかったけど、ララァと寝たと思って演技した」とコメントしている。 テーマ曲 テレビ版の終盤では挿入歌として彼のテーマ曲「シャアが来る」(作詞:井荻麟(富野) 作曲:渡辺岳夫 編曲:松山祐士 唄:堀光一路)が作られ、第40話の戦闘シーンで使用された。 クワトロのプロフィール サンライズ監修による『アニメディア』のインタビュー記事「アニメキャラリサーチ」では、生年月日・身長体重・血液型に加え、趣味に「そういう名のものにうつつを抜かす暇がない暮らしをしている」、特技に「あるといえばある、ないといえばない」、食べ物の好き嫌いはしない主義、愛読書は「先人に学ぶものはない」、好きな植物はサボテン、好きな色は赤・金色(「派手な色が好みのようだ」と告白)、好きな女性のタイプは特にない、結婚に関しては「そんな時でもあるまい」と答えている。 クワトロのサングラス クワトロ・バジーナは劇中、戦闘以外ではサングラスをしているのが特徴であるが、2005年5月に『機動戦士Ζガンダム』が映画化されたことにより、「クワトロ・バジーナ サングラス」が公式に販売された。 シャアの綴り シャルル・アズナヴール (Charles Aznavour) が元ネタであるため、後にシャアの綴りはフランス語風にCharと付けられた(なお、アズナブルの綴りが固まったのは90年代後半である)。しかし富野はそれを知らなかったため、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』における主役モビルスーツをHi-Sガンダムと名付けようとしていた。これは「シャアを超える」という意味であったが、シャアの頭文字はCであると指摘されたため、この案は立ち消えとなった[要出典]。 「逆襲のシャア」 1984年頃、「逆襲のシャア」のタイトルで富野によるファーストガンダムの続編小説が企画されていたが、翌年の『Ζ』制作決定により、企画はそのまま『Ζ』小説版へとシフトすることとなった。その後そのタイトルは映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』にて使用された。また『ガイア・ギア』も当初は「逆襲のシャア」のサブタイトルが付けられていた。 評伝 シャア・アズナブル / 赤の肖像〜シャア、そしてフロンタルへ〜 2006年11月、シャアを実在の人物になぞらえて著した上下分冊本『評伝 シャア・アズナブル』(皆川ゆか著 講談社刊)が出版された。この本では『ガンダムUC』発表前の作家・福井晴敏がシャアについて「自意識過剰でマザコン、自分しか愛せなかった男」であり、反面教師とするべきとコメントを寄せている。 なお、福井は後にガンダムUC関連イベントの朗読劇『GUNDAM LIVE ENTERTAINMENT 赤の肖像〜シャア、そしてフロンタルへ〜』の脚本を執筆。宇宙世紀の始まりから「シャアの反乱」の最後に至るシャアの心情、そしてフル・フロンタルの表舞台への登場の経緯とその動機を池田秀一に語らせている。 スーパーロボット大戦 ゲーム『スーパーロボット大戦』シリーズでは原作に倣って味方だったり敵だったりと立場の変わり方が激しく、基本的に敵の場合にはシャア、味方の場合にはクワトロとして登場する。また『スーパーロボット大戦D』と『第3次スーパーロボット大戦Z 時獄篇』、『スーパーロボット大戦X』では第二次ネオ・ジオン抗争時のシャアとして味方となる。 クワトロとして登場する作品では、序盤は1年戦争時のシャアとして登場し敵対した後に加入したり、最初からクワトロとして登場したりと、仲間になる経緯は様々だが基本的に最後まで仲間のままで終わる。例外として『スーパーロボット大戦64』と『スーパーロボット大戦COMPACT2』、『スーパーロボット大戦IMPACT』ではクワトロとして登場した後、終盤に仲間から離れ第二次ネオ・ジオン抗争時のシャアに姿を変え敵に回る形式がとられた。このため『スーパーロボット大戦MX』や『スーパーロボット大戦Z』発売前には、開発者が「今回は裏切りません」と公表した。 シャアのオマージュ・パロディ シャアへのオマージュ的演出、もしくは彼をパロディにしたキャラクターの創造は、他のガンダムシリーズに止まらず、漫画、アニメ、ゲーム、特撮などさまざまなメディアで数多く為されている。主に「赤い色」「仮面を着用」「シャアの著名なセリフをマネたセリフ」「担当声優に池田秀一を起用」などの共通性を持つことが多い。 シャアの昇進について 『機動戦士ガンダム』のナレーションなどを務めていた永井一郎による「シャア少佐って言いづらいから何とかなりませんか?」と富野由悠季への要望があり、少佐から中佐へ昇進させることを決めたという。 人気投票結果 2018年3月2日~4月20日に投票、5月5日にNHK BSプレミアムで発表された「全ガンダム大投票 40th」にて、シャア(クワトロ・バジーナとキャスバル・レム・ダイクンを含む)はキャラクター部門の総合ランキングで1位であった。なお、作品別ランキングでは、『機動戦士ガンダム』のシャアが2位、『機動戦士Ζガンダム』のクワトロ・バジーナが6位、『逆襲のシャア』のシャアが8位、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』のシャアが88位となっている。
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