【エアショー】(えあしょー)
Airshow.
飛行機やヘリコプター、その他航空機を地上展示もしくは飛行展示する行事。
「航空ショー」「航空祭」とも。
エアショーの目的
軍事的エアショー
国民への認知や将兵の士気高揚を目的として軍隊や自治体・政府が開催するもの。
おおむね入場料は無料であり、極度の混雑など特別な理由がない限り自由に観覧できる。
ただし、テロ対策などの理由から警備上の手続きが求められる事はある。
航空ビジネスショー
見本市など、商談の場を設定する目的で航空機関連メーカーや業界団体が主催するもの。
大抵は、兵器システムなど航空関連機器の見本市も兼ねている。
軍需産業に従事する各企業にとっての勝負時であり、毎年数兆円に及ぶ取引が行われるという。
(機密漏洩を防ぐため)事前に招待された取引関係者以外は立ち入り禁止とするのが原則。
ただし、別途に入場料を取って一般公開を行う「パブリックデー」を設ける事が多い。
エンターテインメント
興業を目的として行われるエアショー。
実際には軍隊や関連企業の協賛が入り、前者二つの要素を併せ持つ事が多い。
とはいえ、総じて商業色・政治色は薄く、観客の興味を惹き楽しませる事に重点が置かれる。
イベント運営費を入場料によって賄うという側面もある。
その性質上、航空機を趣味の対象としてみるファン層が多い国でなければ運営が難しい。
世界の著名なエアショー
- パリエアショー
- ファンボローエアショー
- 国際航空宇宙展
- ロイヤルインターナショナルエアタトゥー
- オシュコシュエアショー
- オートボルテージュアエロバティックス
日本のエアショー事情
日本のエアショーのほとんどは自衛隊および在日米軍の主催で行われる。
自衛隊は「航空祭」「エアフェスタ」、在日米軍は「フレンドシップデー」などと称する。
軍隊の扱いが良いとは言えない政治事情の影響もあり、民間のエアショーはほとんど行われていない。
日本の航空基地の大半が僻地にある関係上、エアショーが開かれた際には近隣の人口を遙かに超える数の観光客が訪れる。
岩国基地や三沢基地で日米共同開催されるエアショーは特に盛んで、例年10万人以上の観客が見込まれる。
この経済効果は並ならぬものがあり、自治体・商工会議所などの地元産業と協賛して地域の一大イベントとなっている事も多い。
ちなみに、多くの場合はブルーインパルスの曲技飛行が目玉企画となる。
ブルーインパルスの不在が周知された年にはそれだけで数万人も客足が遠のくという。
ただし、僻地で開催されるため、航空祭の当日には交通インフラの処理能力が限界を超えてしまう。
当日の大渋滞はほぼ常態であり、酷い時には最寄駅からのシャトルバスの始発便が会場到着までに8時間を要し、「バスが会場に着いたときには、もうイベントが終わっていた」という有様になったことさえある。
一方、厚木基地・入間基地など首都圏に位置する航空基地でもエアショーは行われており、最盛期には観客総数が40万を突破する大規模なエアショーが例年開催されていた。
しかし、人口密集地でのエアショーは騒音・墜落危険性などに関する苦情が相次ぐ。
この動きを受け、厚木基地では2000年を最後にエアショーの開催を取りやめている。
また、入間基地においても爆音の大きい戦闘機の飛行を自粛する動きが出ている。
航空ショー
(エア・ショー から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/02 09:02 UTC 版)
航空ショー(こうくうショー)は航空機をテーマにしたイベント。新型機の見本市(発表と商談)、軍の広報活動などのために行われる。アトラクションとしてアクロバット(曲技飛行)も行われる場合が多く、一般人への公開も行われる。
観客への展示ではなく競技として飛行する曲技飛行の大会(エアレース)は含まれないが、レッドブル・エアレース・ワールドシリーズでは余興として開催国の軍や曲技飛行士、参加選手によるデモ飛行が行われる。
欧米
イギリス・ファーンボロー国際航空ショーやフランス・パリ航空ショーなどは商談目的のショーであり、開催中は商談中心のトレードデーと、一般公開されるパブリックデーに分かれており、出展機の数など規模が大きいことで世界的にも知られている。それ以外では各国の軍用飛行場や民間飛行場等で開催されることが多く、各種軍用機、民間機の地上展示、あるいは展示飛行が行われ、年によっては軍の曲技飛行隊による飛行が行われる場合もある。
欧米で行われる航空ショーには、軍の広報活動を目的としたショーの他、上記の様に航空機の販売や宣伝を目的とした見本市としてのショーもあり、その様なショーにおいては航空機の展示の他、各国の航空機メーカーによる説明会や展示ブース等も多数設けられており、メーカーによる顧客(民間企業から軍まで様々)への盛んな製品紹介・販促活動が行われる。その一方で、毎年アメリカ合衆国ウィスコンシン州オシュコシュで開催されるEAAエアベンチャーのように、ホームビルト機を披露しあう(軍も毎年ゲスト参加している)を代表とする民間イベントも多数実施されている。
日本


日本の場合は航空自衛隊による航空祭が全国各地の基地で毎年行われ自衛隊機の他、開催基地によってはアメリカ軍機の展示やアクロバット展示飛行チームブルーインパルスによる曲技飛行も行われる。また、海上自衛隊や陸上自衛隊、在日米軍の航空機を運用する基地・駐屯地等においても同様の基地祭を行っている。
日本では、自衛隊で開催される基地祭など自衛隊に対する広報目的で行われるものが多数を占めるが、航空関連団体主催のものや、国土交通省が提唱する空の日(9月20日)関連の行事など、民間航空ショーの開催も増えつつある。近年では室屋義秀などの曲技飛行士が航空祭だけでなく、様々なイベントでフライトを行っている。
主な航空ショー
南北アメリカ

- 南部連邦空軍エアショー (テキサス州)
- デイトン国際エアショー (オハイオ州)
- ミラマー・エアショー (カリフォルニア州)
- オシコシEAA国際フライ・イン大会 (ウィスコンシン州)
- リノ・エアレース (ネヴァダ州)
- カナダ国際エアショー (オンタリオ州)
- アボッツフォード国際エアショー (ブリティッシュコロンビア州)
ヨーロッパ
- ロイヤル・インターナショナル・エアタトゥー (「王立国際軍楽祭」の意味。グロスターシャー州)
- ビギンヒル国際エアショー (ケント州)
- バトル・オブ・ブリデン記念エアショー (ケント)
- ファーンボロー国際航空ショー (ハンプシャー州)
- フライング・レジェンド・エアショー (ケンブリッジシャー州ケンブリッジ)
- シャトルワース・エアショー (ベッドフォードシャー州ベッドフォード)

- ヂュードンベルフ・エアショー
- フリーゲルデモンストラチオン・アクサルプ (標高2250mの山岳地帯にある射撃演習場にて行われる公開訓練)
- ハンガリー国際航空ショー(ケチケメート)
- MAKS: モスクワ航空宇宙ショー (モスクワ)
アジア
- 中国国際航空宇宙博覧会 (広東省珠海市)
- 北京国際航空展覧会(北京、Beijing Aviation Expo)
- アジアン・エアロスペース (香港:(以前はシンガポール))
- 台湾空軍航空祭 (台湾各地)
- シンガポール・エアショー (シンガポール)
- エアロインディア (バンガロール)
オセアニア
その他国内の航空ショー
- 千歳基地航空祭(北海道千歳市)
- 三沢基地航空祭(青森県三沢市)
- 八戸航空基地航空祭(青森県八戸市)
- 松島基地航空祭(宮城県東松島市)
- 木更津駐屯地航空祭(千葉県木更津市)
- 岐阜基地航空祭(岐阜県各務原市)
- 小牧基地航空祭(愛知県小牧市)
- 静浜基地航空祭(静岡県焼津市)
- エア・フェスタ浜松(静岡県浜松市)
- 明野駐屯地航空祭(三重県伊勢市)
- 美保基地航空祭(鳥取県境港市・米子市)
- 防府北基地航空祭(山口県防府市)
- 築城基地航空祭(福岡県築上郡築上町)
- 芦屋基地航空祭(福岡県遠賀郡芦屋町・岡垣町)
- 大村航空基地航空祭(長崎県大村市)
- 目達原駐屯地航空祭(佐賀県神埼郡吉野ヶ里町)
- 高遊原分屯地航空祭(熊本県上益城郡益城町)
- 新田原基地航空祭(宮崎県児湯郡新富町)
- 鹿屋航空基地航空祭(鹿児島県鹿屋市)
- スカイスポーツ国際交流フェスティバル(福島県福島市、ふくしまスカイパーク)
- スカイフェスタ(日本国内の各空港持ち回り開催)
- スカイ・レジャー・ジャパン(各都道府県持ち回り開催)
- 国際航空宇宙展(隔年開催される)
関連項目
外部リンク
- RIAT公式ホームページ(英語)
- 国際航空宇宙展公式ホームページ(日本語)
- 航空自衛隊ホームページ - イベント情報(日本語)
- 空の日ネット - イベント情報(日本語)
- 航空祭へ行こう!(日本語)
- 航空ショーに行こう!(日本語)
- エア・ショーのページへのリンク